それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!! 作:焔薙
このSessionはBig Versa様の『何故こうなった。』とコラボ回です、スィストラちゃんとゼクス姉ちゃんのやり取りの他にも様々な人形とのやり取りが面白いので是非とも本家を読んでね!!あとこっちの作品もコラボとして出てます(小声
本日もトラブルも何もなく業務を終え自室にてPPKとのんびりとしていると業務外では滅多になることのない彼女の通信機から着信音が響く
これにはPPKもだが指揮官が一番驚きつつ、何かあったのかと急いで出てみれば相手は
《やぁ、夜分申し訳ないね》
「ペルシカさん?どうしたんですか、この時間になんて珍しいですけど」
「もしや、何か緊急の任務でしょうか?」
PPKのその言葉にペルシカは笑いながら真面目な夫婦だね~と茶化しつつ否定してから用件を話し始めた、と言ってもそんな難しい話ではなくてグリフィンの方で新たに雇った二人をそちらに遊びに行かせたいとのこと、どんな二人なのかと聞いてみれば
《それは会ってからのお楽しみ、でもまぁ驚くには驚くんじゃないかな?》
「はぁ、とにかく分かりました、えっと何時来るんですか?」
《そちらの予定が良ければ明日にでもと思ってるんだが、どうだい》
明日、言われカレンダーを見れば丁度休日であり問題ないと伝えれば、ペルシカは嬉しそうにじゃあ楽しみにしてくれよと言って通信を切ろうとするが、何かを思い出した声を出して
《中々面白い動画だったよ、ユノっちおねえさん?》
「ちょ!?あれそっちにも…切られた」
「ふふ、確かペルシカさんにも送ってあるとアーキテクトが仰ってましたね」
恥ずかしさで顔を覆いながら唸る妻にPPKは本当に最近は恥ずかしがり屋が進みましたわねと優しく頭を撫でるのであった。
という訳で翌日のヘリポート、そこには指揮官、副官は来客が乗っているヘリを待っていた、時間的にはそろそろでありついさっき副官が通信でもう数分とせずに着くと聞いているので見える頃合いだろう。
「あ、あれかな!」
「だろうな、にしても一体誰が来るというのじゃ?」
「さぁ、ペルシカさんが言うには驚くには驚くんじゃないかなって」
そもそもアーキテクトが居るからそれ以上でもないと驚かんぞと思っていればヘリは着地しハッチが開かれれば出てきた二人に前言撤回をする副官、それもそうだろう、そこに居たのは髪型と色は違うが
「…代理人、じゃと?」
「それにもう一人はえっと、ドラグーン?う、腕が四本ある…?!」
だが代理人が銀髪だったという話もドラグーンが自我を持って行動してしかも腕が四本あるという話も聞いたことない二人は目を丸くしつつも彼女達が近くに来る頃には我に返って
「よくぞ来てくれたのじゃ、わしはこの基地の副官を務めておるナガンM1895じゃ、まぁ副官で良いのじゃ」
「いらっしゃい二人共、私は指揮官のユノって言いま…」
「あら、驚かしちゃったかしら?初めまして、ゼクスです」
「スィストラと言いますっていや、普通に驚くからな、その脚を見せれば」
指揮官の言葉が途切れた理由はドラグーン改めゼクスと名乗った女性の腕、ではなくて何気なく展開された脚、それはまるで蜘蛛の足のように広がり普通の者でもこれは驚くだろう、しかし指揮官はもっと言えば人形が人間に見えてしまうという特性がある、それはつまり四本の脚、全てが人間のに見えるために混乱を引き起こしているのだ。
「…お、おぉ?」
「ほれしっかりせい!」
ペシンと心地よい音が彼女の頭から響けば流石に正気に戻りついでに二人の口から笑いが溢れる、それから軽く自己紹介を改めて行い雑談をしつつ軽くだが二人について聞いてみれば、スィストラの方は代理人のダミーが自我を持った存在らしくゼクスは彼女が放浪の旅をしているときに出会ったはぐれ鉄血人形らしい。
「それで偶々404に見つかり、若干のドンパチの末捕まって何故か雇われた…お主らもかなり苦労してるのう」
「したけどお陰でこうやって生きてるんだから悪くはないってやつだ」
「ええ、こんな可愛い妹と暮らせるなんてこれ以上にない幸せよ」
ちょ、姉ちゃんとスィストラが顔を赤くして彼女を見るがゼクスは優しく頭を撫であら、嫌かしらなんて少々意地悪な質問をすれば
「いや、別に嫌じゃない、寧ろ嬉しい」
「仲いいね~ってあまり外にいるのも寒いよね、どこに行こっか」
「まぁ無難に攻めるならばカフェじゃろう」
カフェ?と食い付いたのはスィストラ、ゼクスにも確認すればそれでいいとのことなので四人はスプリングフィールドのカフェへ向かうことにした。
途中、今まで本部ぐらしだったからだろう、前哨基地というものが珍しいスィストラが周囲を見渡し感嘆の声を上げたり、あれは何のかと聞かれれば指揮官が楽しげに答えたりと気づかば二人は気兼ねなく話す仲になってるのを見て副官が一言
「あれが、人間にも出来れば少しは良いのじゃがなぁ」
「彼女、もしかして人間不信なの?」
「うむ、過去が少々な…わしやスチェッキンと言った者からの紹介ならば人間相手でもそれなりに話せるが自分からは決して信用せぬ、人形となれば見ての通りじゃがな」
あれでもマシにはなっているがのと付け足せばゼクスはそんな副官に近寄って
「少しずつでも進めてるのならばいいじゃない?」
「慌てるな、と言いたいのか?いや、そうじゃな、また少々焦っていたようじゃ感謝する」
「おろ、おばあちゃんとゼクスさんが仲よさげに話してる」
「姉ちゃん、何話してたんだ?」
「秘密、もしかして妬いちゃった?」
そんなんじゃねぇけどと返しつつもススっとゼクスの隣に移動するスィストラ、指揮官もそれを見つつ副官の隣に向かい、またぞろぞろと歩いていけば漸くカフェの入口が見えカランカランとベルを鳴らしながら入店すれば
「お~、すげぇな、思ったより全然立派なカフェだ」
「そうね、正直言えば凄く驚いてるわ。これは基地で運営してるの?」
「いいえ、私の趣味ですよ。いらっしゃいませマスターのスプリングフィールドでございます」
趣味、これが!?と心底驚く二人、もはやこれは趣味と言うには少々無理があるのではと指揮官と副官も思い始めてはいるがよく利用するので黙っている、ともかくと全員がテーブル席に座りそれぞれ飲み物とマフィンを注文、待ってる間に話になったのは
「実はさ、社内報で見たんだけどその、結婚したんだって?」
「うん、PPKとね。えへへ、そっか社内報にも載ってたね、ちょっと恥ずかしいけど」
「あとペルシカさんの所に送られてきたDVDも見たわよ、ユノっちおねえさん?」
ゼクスの微笑みながら呟いたそれにまぁ今後もやるとは思うから慣れるけどさぁと思いつつも絶対にペルシカさんには文句の一つは言おうと心に誓う指揮官であった。
本来の世界線とは別の二人になってしまった…そもそもAR小隊とも接触してない…本当に申し訳ないです、怒られるかな、大丈夫やろか…
次回 AR小隊だったりアーキテクトだったり