それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!! 作:鮪薙
エイプリルフール、午前中にのみ害のないからかい程度の嘘であれば許される日、但し其の嘘は今年は叶わなくなるとか何とか言われても居る。
がこの基地ではそのエイプリルフール、割とし辛い、理由は至極簡単、指揮官があまりにも純粋すぎるのだ、例えばそう
「え、マフィン売り切れなの?」
たったこの一言でスプリングフィールドが撃沈した、今日はエイプリフールですと伝えようとしてふと気付いた、もしかしてこれ知らないんじゃと、なので
「指揮官、エイプリフールとはご存知ですか?」
「ううん、聞いたことないかも、でもそうか…今日はマフィンないんだ」
本気で残念そうな声が刃となりスプリングフィールドのメンタルモデルに突き刺さり彼女は決心した、この基地じゃエイプリフールは(主に自分達のメンタルモデルがずたずたに引き裂かれかねないという意味で)危険だと、なので彼女はすぐにエイプリフールが何なのかとマフィンを出して彼女に説明すれば
「…それ、面白いの?」
「えぇ、今理解しました、相手をきちんと選ばないとこうなると…」
「うーん、まぁでもエイプリフールだって理解してたら多分大丈夫かな」
「あ、いえ、指揮官が大丈夫でも私達が多分耐えられません」
恐らくは副官ですらそれ相応のダメージを貰うだろうと推測したスプリングフィールドは彼女がマフィンを楽しんでいる間に副官に通達、結果、掲示板にはこのような張り紙がなされ、それを見たM16とバルソクはただ一言
「『エイプリフールは指揮官を巻き込むのは止めましょう』…まぁ妥当だわな」
「あのスプリングフィールドが駄目だって伝えたほどらしいからな~」
「そりゃ相当だな…いや、私も無理だなあの指揮官にどんな嘘つくのも」
出来なくはないだろう、しかしそんな場合はかなり内容を選ばないと後で手痛すぎるしっぺ返しをメンタルモデルに受ける覚悟が必要かもしれない、とこうしてこの基地のエイプリフールは何事もなく幕が下りたのであった…
という訳でもなく、指揮官が巻き込まれたり、指揮官を巻き込んでも問題のない嘘であれば大丈夫だと言う話なので、先ず食い付いたのは
「という訳でお母さんに嘘をつきに行くわよステアー!」
「でも、どんな嘘、つくの?」
動き出したのはP7とステアーと言う娘組、そもそもステアーからしてみれば基本的に指揮官をまえにしすると素面の自分をさらけ出して甘えてしまうP7にそんな嘘が付けるのかという疑問がある。
でも面白そうだということで彼女は黙って付き合うことにする、それに
(おかあさんの驚いた顔、見たい)
「嘘、どんな嘘…うーん、どうしよう思いつかないよ」
「あまり大事になるのは、止めたほうが良いって掲示板にあった」
「それは当然ね、悲しむ嘘なんて駄目よ!」
その辺りはきちんと考えているのがこの二人であり、その後もうーんと唸り考えに考えて出した答えは
「今日はお母さんの言うことを聞きません!」
「聞かない、です!」
「…エイプリフールかな?」
「寧ろそれは嘘云々というよりもただの反抗期じゃろうて」
「ではあたくしの事は聞いてくれますか?」
中庭にてのんびりしていた指揮官と副官、そしてPPKを見つけた二人は彼女達の前にさっそうと現れ高らかにそう宣言をする、が指揮官からは割と容赦なくバッサリと斬られ、副官からはそんな正論を告げられ、PPKからは何故か目を輝かせてそう聞いてきた。
思い描いた展開じゃないよこれ!?となるのはP7、想定では少しショックを受けた指揮官にエイプリフールだから嘘だよ!とめちゃくちゃ甘えようと考えていたのだが、さてどうしようと思考を巡らせる、そして先程のPPKの質問から糸口を見つけた彼女は
「お、お父さんの言う事なら聞くわ!」
「あら、嬉しいですわ、ではユノの言うことも聞いてくださいまし?」
「呵々、一本取られたのうP7」
「おとうさんは策士…」
ぐぬぬと言った感じのP7だったが正直言えば言うことを聞かないなんてのはありえない、がこうも上手く乗せられたと思うと少々悔しいものがある。
ステアーも流石にそこまでは発想が行かなかったので少し悔しいと思いつつ、結局エイプリフールだからと言って大好きな指揮官相手に嘘はやはりよろしくないと思った彼女は指揮官の側まで行きポスンと隣りに座って頭を差し出した。
「あ、私も!」
「うん、いいよ、おいで」
ニヒヒとP7も頭を預けて撫でられる、PPKも副官もそれを見て微笑ましそうな笑みを浮かべてから何故か真剣な表情に変わった、更に言えば急に指揮官の目つきも悲しげなものに変わったのだ。
流石にそこまで空気が変われば二人もどうしたのかと思い顔を上げれば
「お母さん、泣いてる?」
「ちょ、どうしたの!?」
「…ごめんね、私、指揮官を止めさせらることになったの」
刹那、空気が死んだ、見ればステアーとP7の顔が絶望に暮れているのがよく分かり、だがその目にはどうして?と言う理不尽に対する怒りも見えていた。
「う、そだよね?」
「そんな、なんで、どうしてよ!お母さん何もしてないじゃん、寧ろあれこれ必要以上に頑張ったのに何で!!」
「あ、うん、ごめん皆協力してもらったけどこの嘘はちょっと辛い」
へ?と二人が惚けた顔を見せれば指揮官はごめんねと今度はいつもの優しい笑みで撫でる、そこで気付いたどうやら指揮官からエイプリフールとして嘘をついたらしいと、だがそうだとしてもだ
「し、心臓に悪すぎるわよ!?」
「よがっだ…!!」
「全くじゃ…協力してほしいと言われ乗っては見たがきっつい事この上ないのじゃ」
「ユノ、偶に突拍子もない事思いつくのは構いませんがこればかりはあたくしも結構キツイですわ」
「ごめんなさい…いや、折角だから私もエイプリフールを体験してみようかなって思っちゃってさ…ああ、ごめんそこまで泣かれるとは思わなかったから」
「だっで~!お母さん、凄く真面目な顔でそんなごどいうんだもん!」
「ふっぐ、えぐ、嘘だよね、嘘なんだよね」
泣きじゃくる二人に嘘だよ、どこにも行かないよと優しく告げながら頭を撫で続ける、それと同時に、彼女は
(やっぱり、付く嘘はもう少し大人しめのやつにしないとね)
やっぱり自分にはエイプリフールは向かないなぁと思いつつ、その日はその後一日P7とステアーの相手をPPKと副官達と共に過ごした指揮官であった。
エイプリフールネタだけどこの指揮官相手だと割と辛いよねって話
風邪引いてますが私は更新しました、もし明日無かったら風邪で死んでるものと思って下さい(疲弊)