それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

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もうさ、アイドルって書いて万能で良いんじゃない?


アイドルとは

この基地には当然ながら任務時に使用されるヘリや軍用車、装甲車といったものは一通り揃えられている格納庫が存在している、当初はメンテナンスなどは外部から人形を毎回雇っては行っていて本当に最低限でしか行われなかったが、この基地きっての万能アイドル【P38】が整備を学習してからは彼女とそのダミーが、そして低体温症作戦後は鉄血の問題児ハイエンド【アーキテクト】が加わった事で今度は改修まで行われるようになってしまった。

 

そんな格納庫では月イチの定期メンテを行っているアーキテクトとP38、それとヘリパイロットを務めている81式カービンが先ずはとこの間救援のために出撃したヘリ【シュヴァルベ】のメンテを行っていた。

 

「ハーちゃん、この間、このヘリ飛ばしたけどさ、操作感どうだった~?」

 

「そうですね、まだ速くてもコントロール出来ますね、それとやはり武装は駄目ですか?」

 

「まだ速くして良いのか…武装、武装ねぇ、ピーちゃんなにか案ある?」

 

「え、うーん、でもシングルロータータイプの【シュヴァルベ】に武装載せてそれでスピードって欲張りすぎませんか?多分どうやっても今の速度からは落ちますよ」

 

だよね~とカチャカチャと整備しながらアーキテクトは呟く、81式も言ってはみたがそれは理解しているのでそれ以上は特に何も言わずに自身ができる整備を黙々と行う、がP38だけは作業の手を止めずに何かを考えて、それからポツリと

 

「主力部隊に当ててるティルトローター機の【ウィンダム】、あれ確か使ってない予備機がありましたよね、こちらに回してもらえないでしょうか」

 

「それはどうだろ…まぁ、確かにシュヴァルベじゃこれ以上速度も弄れそうにないし、何より使う場面考えるとある程度の自衛も考えたいから使えたら良いよね」

 

「あとで副官に打診してみます、81式、ティルトローターの操縦経験は?」

 

「流石にシングルローターよりは少ないですがありますよ」

 

なら決まりですねとP38が顔の汚れを手拭いで拭きつつニコリと笑う、それを見たアーキテクトは意図を理解してこちらも少々悪い顔で笑い返し、81式カービンはあらあらと穏やかに笑みを浮かべる、こうして予備格納庫で埃を被っていた予備の【ウィンダム】はこの二人の手によって魔改造され【ウィンダム81式カスタム】と生まれ変わるのだがそれはまた別のお話。

 

さて、そうやってヘリの整備が終われば次は装甲車、これもこの基地では生命線であり当たり前だが手が抜ける仕事ではない、がやはりダミー込でも時間がかかるということでアーキテクト、また新たに開発したのが、黄色に黒のストライプカラーのプラウラー【ねこてちゃん】簡単に言えば自己メンテ機械であり本人曰く超学習AIによって図面さえ読み込ませればあとは適切なメンテナンスを隠しアームなどを使って行う優れ物らしい。

 

「ところでアーキテクト、一つ聞いていいでしょうか」

 

「ん?どったのピーちゃん」

 

「最近、バイク作ってるんですって?あ、そこのレンチ取ってくれますか?」

 

「ほいほいっと、あ~、あれね、何か思いついて作ったは良いんだけどまだ完成してないんだよね~、それに完成品をどうしようかって話もあるし」

 

バイク、アーキテクトが閃いたという理由で開発している物だが先ず2輪では無く前輪2つで大きめな後輪が一つで全体のデザインはどことなく一昔はやったSFチックなデザイン、しかも全速力は人間が操縦することを一切考えてないじゃじゃ馬でありそこに自己防衛の武装なども組み込もうとしている彼女曰く『わたしのかんがえたさいきょうのばいく』

 

だが悲しいかな、アーキテクトには完成したそれを操縦できる自信がない、と言うより彼女は乗物全般の操縦があまり得意ではないらしい、と言うことをP38に言いつつ、彼女はどうなのかと聞いてみれば

 

「いえ、私もバイクはあまり…それにフィアット500が自分にはありますから」

 

「あれも大概だと思うけどなぁ、なんでリアにスーパーチャージャー載っけたの、しかもあれどう見ても特性のカスタマイズされてるし」

 

「いざって時の逃亡及び強行突破用ですよ、結構役立つ場面はありましたよ?はい、お終いです、そちらはどうですか?」

 

「なるほどね~、っと終わり!」

 

ねこてちゃんもおつかれ~とアーキテクトはオイルを渡せばワイのワイのと喜びの表現を動きで表して器用に自分たちでそれを注入するさまを見てP38は面白いAIを積ませますねと感心して彼女に声を掛けてから次の職場へと向かった。

 

そこは整備室、到着してから彼女はテキパキと準備を進めてガシャンと棚を開けばそこにはメンテナンスのために出された銃の数々、銃のメンテナンスだが本来は個人で行うのが決まりなのだがそれでも不具合が見られた場合は彼女に回すようになった、だが元々丁寧に扱い更にきちんとメンテナンスは個人で行うようにと決められていたこの基地ではそこまで数はないのでP38とだけでも負担はそこまでない。

 

「さぁて、師匠に少しでも追いつき、そしていずれ肩を並べられるくらいになるために今日も張り切ってやりましょうか!」

 

気合を入れて作業を始めるP38、その目は作戦中でも、警邏中でも、ライブ中でも、農業中、どれも当てはまらない職人も目であり纏う雰囲気もそれに近かった、一つ一つを丁寧に診ていき問題点を見つければ手を施していく

 

(それにしても師匠は凄いですよね、見ただけで分かるとは…恐らくは詳細まではっきりでしょう、うぅむ、この道はまだまだ険しい、だけどものにしてみせます!)

 

と銃のメンテも着々と進め終わらせてから休憩をとって次に向かうのは基地の一角に作られてレッスンルーム、そう『レッスンルーム』である、彼女遂に作った、大きな鏡に大型スピーカーと周辺機器と完全にアイドルのレッスンルームである。

 

そこでは勿論、歌に踊りの練習、現状は彼女だけだがいずれは仲間を増やしたいなぁとも最近は思い始めている、がそれは思いの外、早く達成できるかもしれない、と言うのもそれを隠れるように眺める影一つ

 

(おぉ、アタシもあれやってみたいかも!)

 

PP-90、後にこの道に引き込まれる一人である、と正に万能アイドルと言われても良いような気がし始めてる彼女がレッスンを終え最後にやるのは倉庫一つを丸々改装した農業施設、年中果物や野菜が取れるようにと作られた場所だ。

 

「はぁ、何だかんだで…植物の世話をしてると落ち着くようになっちゃいましたね~」

 

「そうね、今までの私は戦いだ何だって感じだったけど農業ってこう、悪くないどころか楽しくなってくるわね」

 

スペクトラの呟きにP38も小さく頷いて特性の害虫除去剤を撒く、彼女はこうして今日を終えていくのであった。




本当に何でこいつ戦術人形やってんだ?

【ウィンダム】
ティルトローター機 見た目はオスプレイ、多少改装がされてはいるが基本的には大きな変更点は見えない。

【シュヴァルベ】
救援の際に使用されたシングルローター機、速度重視であり割とじゃじゃ馬、しかも速度を出すためにイジったので実は装甲はそこまでじゃないとか言う色々ピーキーな機体。

【ウィンダム81式カスタム】
シュヴァルベを超える速度に武装を積みたいとかいう81式のちょっとネジが飛んだ要望に答えた機体、何故かアヴェンジャーを積み少数ながら無誘導と誘導爆弾も積んだ、81式としては満足らしい。

【P38のフィアット500】
カリオストロの城モデル、以上

【特性害虫除去剤】
元ネタは鉄腕ダッ○ュでTOKIOがあの人に教わった無農薬 農薬。

アーキテクト製品紹介コーナー
【わたしのかんがえたさいきょうのばいく(仮名称)】
製作中なので名前はまだ無い、因みにこのバイクのデザインの元ネタ『ブラック★ロックシューター THE GAME』で出てくる【ブラックトライク】

【ねこてちゃん】
超学習AIを積んだ整備用機械、カラーリングは黄色に黒のストライプ、外見はプラウラーだが補助アームだったり隠しアームだったりが増やされ図面を読み込ませておけば様々な機会及び乗り物のメンテナンスが可能。因みに全く読み込ませない場合でもAIが自発的にその物体を学習し最適なメンテナンスを学ぶので気付けばこの機械のメンテナンスができてるようになってるということもある。

因みにAIモデルは喋れないがタチ○マ

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