それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙
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だからジオラマ作れと要請が来る


妖精だって住処は欲しい

「\我々の居住地を改装しろ-!/」

 

「\改装しろ-!/」

 

それはある日の昼下がりだった、突如としてそんな要求をしてきたのは最近になりそれなりに数を増やした妖精達、要求内容は上記の通りなのだがそこで思う、妖精たちの住処には既に立派な城があったはずではと

 

なので聞いてみれば返ってきた答えは何とも彼女等らしい自由な答えだった。

 

「\確かにそうだが我々は更なり改築を求める!/」

 

「…えっと、つまり、豪華にしろって事?」

 

「\そうともいうの!/」

 

思わず副官が軽く頭を抑える、それはそうだろう、急に執務室に押しかけてきたと思えばこの要求、妖精とは無礼が売りなのかとよくわからない電波すら拾ってしまう始末である。

 

対して指揮官は妖精格納庫の様子を思い浮かべて確かにまぁ、あれ砦って感じだもんねと呟く、しかしそこで浮上するのはあれをどうやって改築するのかという疑問、なので妖精たちに聞いてみれば

 

「\あれは手作り!/」

 

「手作り!?でもそれって大変じゃない?」

 

「ジオラマ、と言う奴か…これからとなれば二三日で終る作業ではないぞ?」

 

「\構わないの、とにかくグレードを上げてくれれば満足なの!/」

 

捜索妖精がそう答えるが他の妖精は速さ重点だ!とか城の他にも改築して欲しいだの、とにかく各々が自由気ままにワイのワイのと要求してきて指揮官はその光景を見て何とも楽しそうにしていたが

 

いよいよ限界が来つつあった副官が軽くドスを効かせた声で勝手な事を好きに言いだしている妖精たちに対して

 

「とりあえず、城の改築は考えてやるのじゃ、それでいいな?」

 

「\ヒエッ/」

 

「な、ナガン、怖いから落ち着いて、ね?」

 

「お主は妖精にも甘すぎるのじゃ…ほれ、解散じゃ解散、さっさと持ち場に戻るのじゃ」

 

副官が手を叩いてそう告げれば妖精達はキャーと執務室から退散する、それを確認してから彼女はとりあえず中断してしまった書類仕事を再開しつつ、指揮官に

 

「で、約束したは良いのだがなにか当てはあるのか?」

 

「うーん…416とか、作れないかな?」

 

「まぁあやつならば作れなくはないだろうが…一人でやらすには少々酷な作業じゃぞ?」

 

だよね~、誰か他に居ないかなぁと手は止めずに呟く指揮官、副官も一応ああ言ってしまった手前、反故する訳には行かないので思い浮かぶ限りでできそうな人物をピックアップしていくがどうにも当て嵌まらない。

 

困ったと二人が感じつつその日の業務は終えて、とりあえず416にその話をしてみれば、なんと彼女の方からジオラマが得意な人形についての情報を得ることが出来たのだ、その人物とは

 

「ジオラマなら私も作れなくはないけど、M38の方が得意よ、何だっけあれ、ハイエンドさんの充電ステーション周りを鉄血の基地にしたのも彼女だし」

 

「あれか、確かに初見では非常に驚いたがまさか彼女の作品とはな」

 

「じゃあM38にも頼んでみよう、ありがとうね416!」

 

「別に構わないわ、それと改築には私も参加するわよ…流石にボトルシップばかりは疲れるもの」

 

コキッコキッと首を鳴らしながら伸びをする彼女の今作っているのは偶々その映画を見たという理由で『ブラックパール号』しかも細部まで再現されている彼女曰くD地区のにはまだまだ負けたくないのよという意気込みで作っている作品らしい。

 

とまぁ、彼女の協力を取り付けることに成功した二人は続けてM38の所に行けば、ハイエンドさんの拠点にて何やら作業をしていた。

 

「…これって今話しかけたらマズイよね?

 

だろうなぁ

 

どうやらあの拠点はまだ完成ではなかったらしく、今は内装の細かな部分を作り出している作業をしておりその目は任務中のように鋭い目つきになっていた。

 

話しかけるタイミングが見当たらない、来た二人がそう思いつつ彼女が一息付くタイミングで話そうと決め適当な場所に座り待つことに、数分、数十分、そろそろ1時間、だが

 

(…終わらないね)

 

(これ、一日こうしてるとは言わぬよな?)

 

はは、まさかぁと副官の小声に苦笑を浮かべて返す指揮官、がその懸念は大当たりだった、夕食の時間を三十分ほど過ぎるという頃まで二人は待った、指揮官に至ってはもうお腹が空きが限界に近付こうという時間だ、だが

 

M38は未だ納得しないのかジオラマ制作に精を出していた、嘘でしょと呟く指揮官、副官も副官で若干呆れ顔になりつつあった、もう今日は止しておこうかとすら思い始めた時、416が現れて律儀に待っていた二人と未だ制作を続けているM38を見てああ、やっぱりと呟いてから

 

「M38、もう夕食の時間過ぎてるわよ!」

 

「え?あ、もうそんなじk…」

 

ようやく作品から顔を上げて振り向いた彼女が見たのは指揮官と副官の顔、しかも今さっき来たという感じではない二人にさぁっと顔が青くなりだすM38、幾ら自分が趣味になると周りが見えなくなるとは言えこの二人を気付かないのは如何なものかと思ってしまったのだ。

 

「も、申し訳ございません!!」

 

「ああ、いや、声かけるべきかどうか迷っちゃったのこっちだし…」

 

「あまりに集中してたからな、邪魔しては行かぬじゃろうと思ったのだが、もしかして声を掛けぬとずっとこうなのかこやつ」

 

「ええそうよ、多分放おっておけば一日二日はぶっ通しでやるんじゃないかしら?」

 

流石に二日は難しいですよと返すが一日だったらぶっ通せるのかと驚愕する二人と驚異の集中力になれたこととは言え若干呆れため息が出る416。

 

漸く話すタイミングは出来たのだがその前に指揮官の空腹が限界なのでと食事を取りつつ話そうかとなり食堂に行けば彼女を待っていたPPKも加わり少し遅めの夕食を食べ始め、そこで彼女に本題を話す。

 

「妖精の城を、ですか?」

 

「うん、今朝、妖精たちが改築してほしいって要望が来てね」

 

「他にも鉄道だ、倉庫だ、それの装飾だの好き勝手いいよってなぁ…とりあえず城だけで良いのじゃ、頼めるか?」

 

「喜んで、因みにデザインの指定とかは?」

 

「ううん、特には聞いてない、ただ作る時に聞いたほうが良いかも?」

 

ふむとM38は唸っていから、即座に電脳内で城のイメージ図を書き出し始める、どんな城にしようか、それに繋がる鉄道、風情が壊れない倉庫、空の装飾、と考えていると

 

「考えるのもよろしいですが、先に食べてしまってくださいなM38」

 

「ふえ、あ、すみません…」

 

「はぁ、M38の集中力は本当にたいしたものね」

 

M38、長所は集中力ですと答えるのは伊達ではなく、それにジオラマ制作が噛み合った結果、数日後には妖精格納庫の城は

 

「\キャメロットだこれ!/」

 

満足げなM38がそこに居たという。




M38@ジオラマガチ勢、数日でキャメロットとかどうやったんだこいつ…

尚、416も大概な模様


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