それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:鮪薙

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普通の人からは小さすぎる一歩だろうけど指揮官にしてみれば大きな一歩である。


初のお呼ばれの準備

何時も騒がしいこの基地だが、今日は拍車を掛けて騒がしい、と言うより慌ただしかった、理由は翌日に迫ったD地区で行われる結婚式及び披露宴に向けての準備である。

 

先ず指揮官、今回が初となるお呼ばれで基地に向かう彼女にとって先ず大事なのでマナー、一般的なものならばまだしもこういった披露宴とかのは知らない彼女、そこで教鞭を執ったのはP99とTAR-21、歩きかたから当日の流れ、言葉遣いと可能な限り彼女に叩き込んでいく

 

因みに当日予定されている衣装はこの基地で挙式を行った時の披露宴の際に来たあのドレス、多少は着慣れているので動きに関しては問題なかった、があの時は自身が主催側だったので気にしなかったという部分が今回は来賓側、なので割と気をつけて無ければならないことが山のようにあり、まぁ端的に言えば

 

「…(シュ~)」

 

「や、やりすぎましたでしょうか?」

 

「そうは言っても、もう明日なのですよ、指揮官、起きて下さいませ、まだまだ勉強はございますよ」

 

うぅ、と短く唸り声を上げてから指揮官はなんとか再起動する、彼女も分かっているのだ、今回の挙式と披露宴にはどれほどの来賓者が居るか分からず、知らない人達もいる前で無礼を働けば間違いなくこの基地の評価が下がってしまうと、なので平時よりも気合を入れて学んでいる。

 

「まだ、頑張る」

 

「えっと、無理はなさらない方が…」

 

「いいえ、タボール、指揮官がやると決めているのならば私達ができることは後押しするだけです、では続きを始めましょう」

 

こうして指揮官は当日に向けて数回ほどキャパオーバーを挟みながらも知識を会得していきなんとか形になるまで練習することになる、と会議室ではそのようなことが行われている、また別の部屋、そこでもまた騒がしく準備が進められていた。

 

「エルフェルト、ドレスの微調整は!?」

 

「既に終わってます!後は当日に彼女の基地に送るだけです!」

 

流石エルフェルト!とスチェッキンの声が響く此処は第三会議室、因みに指揮官が現在勉強しているのは第一会議室である、がまぁこれは余談だ。

 

ここでは当日に送る品の確認をスチェッキンが筆頭に行っている、と言ってもドレスと黒鷲、そしてアーキテクト製品の『一撃殺虫ハイエンドさん』、最後のは結婚式には関係ないが注文が来たので折角ならばついでに渡してしまおうと言う形になっている。

 

「あとは、黒鷲か。えっと、担当は…64式自か」

 

《呼んだかしら?》

 

「おおっと、丁度良かったよ、黒鷲の方は大丈夫かい?」

 

聞かれれば車庫の黒鷲を磨き鏡のように磨かれた黒を見て、満足気に頷いてから額の汗と汚れを手拭いで拭いつつ

 

「ええ、何時でもどこに出しても恥ずかしくないわよ」

 

「はは、まるで嫁に出すみたいだね」

 

「そうね…流れだったとは言え名付け親になったのだもの、愛着が湧くってやつよね」

 

その声色はとても穏やかで、何処と無く母親を思い出させるような感じの声、それを聞いたスチェッキンも思わず息を呑みつつ、だがすぐにいつもの調子で

 

「オーケー、じゃあ外に用意してあるトラックの荷台に積んじゃってくれるかな」

 

「任せて、向こうでの引き渡しで倒さないでよ?」

 

商人として商品が傷つくことは絶対にしないと約束しようと真面目な声で返されてば64式自は笑みを浮かべて黒鷲を当日基地に運ぶトラックの荷台へと運んでいき、載せてから最後にもう一度優しくボディを撫ぜて

 

「…向こうで、走り回ってきなさい」

 

彼女が作った訳ではないし関わったのもあの最終調整と名付けただけだがそれでも彼女にとっては妙に愛着が湧いたバイクであり、それが新たな主人の下に向かうというのはなんとなしに感傷深いものがあるらしい。

 

ともかく、ドレスも結婚祝いのバイクも滞りなく用意は済み、またハイエンドさん達も無事にスチェッキンのもとに納品され、後は明日を待つだけとなった。

 

バタバタと時間が流れる基地、各自が出来ることを行っている中でふと指揮官は当日誰がともに行くのかを確認してなかったなと思い、さも当たり前のように

 

「そう言えばさ、明日って私と他に誰が行くの?」

 

「む、おおそう言えば言っておらんかったな、行くのはお主、PPK、P7にステアーの四人じゃよ」

 

「…え、おばあちゃんは?」

 

はっきり言えば一緒だと思っていた副官の名前が挙がらなかったことが本気で疑問に思った彼女がそう聞けば返ってきたのは大きな溜息、それから

 

「お主が居ない間、誰が基地の運営を取仕切ると思っているのじゃ?」

 

「あ、ああ、そうか…」

 

簡単なことだった、指揮官の自分が今回のような形で外に出るならば誰かが残り業務をこなさなければならないということを、これが翌日休日ならばよかったのだが残念ながら明日は普通の日。

 

とするならば副官が居残る選択肢を取るのは当たり前だろう、それは分かっているが指揮官としては少々心細いものがあり、それを感じ取った副官が

 

「大丈夫じゃろうて、わしが居らずともPPK達がおる、それに何も知らない基地に向かうという話でもない」

 

「そう、だね…」

 

「それとな、少しはわし離れをするべきじゃ、ああ、待て何もずっとという訳ではない、今回のようなことが今後もないとは限らんじゃろ、その時のために慣れておけという話じゃ」

 

副官離れ、その言葉が出た瞬間、指揮官の顔が歪みかけたが続きを聞いて、ゆっくりと自分を納得させる。確かに彼女の言うことはごもっともであり、何時までも頼りっぱなしは駄目だよねという心も少しずつだが生まれつつあったからだ。

 

それに副官の言う通り何も自分一人だけではなくPPK達が居る、なので怖がってばかりじゃ駄目だよねと奮い立たせることが出来た。

 

「分かった、じゃあ、明日はこの基地のこと、お願いね?」

 

「任せておけ、ヴァニラもカリーナもG36居るのじゃ、終わらぬ仕事は無いじゃろうて、なのでこっちは気にせずに明日は楽しんでくるとよいのじゃ」

 

そうは言ったものの実を言えば副官は割と心配していた、緊張しすぎてヘマをしないか、はたまた事情の知らない誰かに印象を悪く持たれないか、不安は尽きない、だが

 

(ええい、わしがああ言った手前、不安になっても仕方がないのじゃ。PPK達が上手くフォローしてくれるはず、ならばそれを信じるしかあるまいて)

 

意外と、心配性なおばあちゃんであったとさ。




という訳で417ちゃんの結婚式と披露宴に指揮官一家がお邪魔します!

当日の指揮官達のドレスコード
指揮官 45姉の未実装スキン『ダイアの花』
PPK 9の未実装スキン『この世の歌』
P7 57の未実装スキン『芬芬历险记』
ステアー IDWの未実装スキン『箱の中の猫』
をイメージしてもらえれば大体そんな感じ

…まぁ頑張ったけどこの指揮官、知らない人ばかりで緊張してから回ると思うんですけどね(凡推理)
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