それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

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そうじゃないと疲れるのじゃ


副官も偶にのんびりと

朝、と言ってもまだ日が登り始めた直後位の時間。第一部隊隊長にしてこの司令部の副官【M1895】の今日は始まる

 

ベッドから起きいつもの服に着替えてから先ずやることは銃の整備、と言っても寝る前にも行っており本当に軽い点検だがこれをやらないと彼女的には目が覚めないらしい

 

その後は日によって変わるのだがこの日は休日だが羽根を伸ばす前に先日の夜戦と通常作戦の結果を元に指揮官が出した結論を纏めた書類を再度目を通す

 

(全部隊を一度解体か、部隊長はそのままで今後は各任務ごとに編成を入れ替えるというのはアリじゃが伝達や連携に難が出るのが目下の問題じゃな)

 

大規模作戦前にそんな事して大丈夫なのかと彼女は思ったが最後の所に最悪の場合は今いる戦力で突破できる方法を探すと指揮官の一言コメントがあり、とりあえずは指揮官の判断にを信頼する

 

(それに今日は休日だしな、考えるのは明日でもよいのじゃ)

 

無くさないように書類を机に片付け、グッと一つ伸びをする。M1895の休日の過ごし方は特に決まってはいない、指揮官と一日過ごすこともあれば一人のんびりとしていることもある、今日は前日は指揮官も夜遅くまで仕事をしていて寝かせておこうというのと後者の気分だったらしくまだ寝ている他の隊員を起こさないようにそっと宿舎を後にした

 

彼女はこの司令部では珍しくなにか趣味があるわけではない、無くはないが416やスプリングフィールドみたいにのめり込んでると言うほどではなくふと思ったらやってる程度のことしか無いので休日と言っても何をするのかと言えばのんびり散歩したり他に暇してる人形と会話したり時間になればスプリングフィールドのBARで酒を飲んだりくらいである

 

朝早くの司令部、休日というのも手伝いまだ起きている人形は少ないが居ないわけではなく例えば

 

「おや、副官じゃないか」

 

「M16か、どうじゃ。この司令部には慣れたか?」

 

右目に眼帯を着けた昨日合流を果たした最後のAR小隊の一人【M16A1】はその質問に困った顔をしながら

 

「慣れるも何も昨日来たばっかりだからな、司令部のどこに何があるすら知らないんだぞ?」

 

「それもそうじゃな。まぁ困ったことがあれば遠慮なくわしか指揮官に聞いてくれ、大抵のことはどうにかする」

 

「じゃあ早速なんだがBARがあると聞いたんだがどこにあるんだ?」

 

「それはまだ営業時間外じゃ、時間になったら案内しよう」

 

本当にあったのかと驚くM16にまぁBARと言ってもスプリングフィールドが趣味でやってるだけじゃよと付け足す

 

「っと、引き止めてすまないな、では私はまた司令部を見て回るとするよ」

 

「構わぬよ、どうせやることもなくフラフラと散歩してるだけじゃからな、迷うなよ?意外と広いからなこの司令部も」

 

「子供じゃあるまいし、だがまぁ気遣い感謝するよ」

 

(居るんじゃよ、配属初日に迷った挙げ句、膝抱えて座り込みながら泣いてたところを保護された子供(指揮官)が)

 

と笑いながら去っていくM16を見送りながら当時のことを思い出し苦笑を浮かべつつ、彼女はまた司令部の散策を始める

 

軽く早めの朝食でも食べておくかと次は食堂に行けばそこには同じソ連製の銃の人形【モシン・ナガン】の姿、向こうもM1895を視認すると手を振り

 

「Доброе утро!ナガンM1895ちゃんもこれから朝食?」

 

「Доброе утро、そのつもりじゃってお主が作ってるのじゃないのか?」

 

「私は作れませんよ?」

 

見れば調理場で他の誰か料理をしている。誰かと思って見てみれば【トカレフ】がソバを水と牛乳で煮たお粥『каша(カーシャ)』を作っている姿

 

「トカレフちゃん、ナガンM1895ちゃんも食べるって」

 

「え、副官も?あ、Доброе утро、すぐに用意しますね」

 

「すまぬな」

 

「いえいえ、好きで作ってるのですから大丈夫ですよ」

 

彼女の言う通り直ぐに出来上がり二人の前にкашаが並び、それぞれスプーンを持ち一口、ほのかに甘い味わいが口に広がる感じにうむうむと満足する

 

「Вкусно、やっぱり朝はこれを食べないとね」

 

「うむ、指揮官にも今度振る舞ってみるか」

 

前回、指揮官が料理できるとわかったので自分もアピールするかという若干負けず嫌いなおばあちゃんだが指揮官も似たり寄ったりな模様

 

「その身長で台所立つのは危ないって言われるんじゃないの?同志って結構心配性だし」

 

「……身長の話は止してくれデリケートな問題じゃぞ」

 

「い、Извините」

 

ジト目でモシン・ナガンを睨みそう言う、だが悲しいことにそう心配される光景が自分でもありありと想像できてしまい思わず頭を抱えたくなる

 

「えっと、おかわり要ります?」

 

「も、貰うわ!ナガンM1895ちゃんは?」

 

「そうさな、頂こう」

 

微妙な空気の中、何とか変えようとするトカレフ、そのかいあってか穏やかな朝食に戻った

 

朝食を終えたM1895は二人に礼を言ってからまたフラフラと散策、食堂でそれなりの時間を潰していたのでそろそろ司令部も起きてきた他の戦術人形達で騒がしくなり始める時間になっている

 

さて、BARが開く時間までどうしてようかの。ニコリと微笑みながら副官は歩く、今日もまた平和に騒がしい司令部が幕を開いた




この司令部、いつも場面は休日だな

我が司令部ようやく4-3e開放したのでマラソン勤務開始です、イベ前に戦力強化を図るんじゃい!!

あ、次も副官メインじゃないかな(予定は未定

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