それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

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Q 世界線って?

A ああ!!(ヤケクソ)(始まりの少女)


異世界コーヒー

「……行っちまった、てかなんだあのバイク、メチャクチャはえーなおい」

 

「あれは確かアーキテクトさんが結婚祝いに417さんに送ったっていうバイクですね」

 

あれをタダで送ったのかあいつ……と呆れ気味に呟くMG3を尻目にM1ガーランドは今さっき来て軽く雑談してから帰っていったD地区の417が渡してきた瓶詰めされたコーヒーと一枚の指揮官当てのメモ、流石に読む訳にはいかないがなにか重要なものだろうと判断した彼女は

 

「MG3、すみませんがこれを指揮官に渡してきますので少々外れますね」

 

「ん?ああ、じゃあこっちはこっちで誰か一人呼んでおくからゆっくりでいいぜ」

 

「そうですか?まぁそこまで時間を掛けるつもりはないですが、お願いしますね」

 

あいよ~という声を背にM1ガーランドはこれを指揮官に渡すために彼女が居る医務室へと歩を進めることにする。

 

現在この基地はあの暗殺未遂事件以来、基地中に厳戒態勢が引かれておりダイナゲートを始めとする警備ロボや『見回りちゃん』の数を増やしたり、警備に当たる人形の増員、ダミーの常時使用、RFの配備数も増やされ。

 

更にはP7のトラップも更に数を増やしアーキテクトによる強化が図られたり、ヴァニラとFMG-9が一度は畳んだ名前である『アリババとメジェド』を再度使って全力の情報収集及びセキュリティなどの強化もされるほどに全てに対して過剰なまでに防衛を展開している。

 

なのでこの贈り物に関してもD地区だから大丈夫だろうと言う判断は下さずに一度はチェックが入る、が

 

(流石に、少しだけ心が痛みますね……あの方々がそのようなことをしないとは思ってますから)

 

だが何かがあってからでは遅い、無論申し訳ないという気持ちはあるからM1ガーランドは小さくため息を突きながら検査結果を見れば、出された内容物の結果に驚きの表情を晒す。

 

(これ、天然物!?汚染が殆どころか全く確認できない……まさか、D地区じゃもうコーヒー豆の栽培に成功してる……!?)

 

あらぬ誤解である、が真相を知る由もない彼女からすれば送られてきたし物に、これは一体どういう理由で送られてきたんだとなり、もし自分の仮説が正しいとすれば一大事だとそっと通信機に手を当ててとある人形を呼び出す。

 

数分後、呼び出された人形、我らが万能アイドルP38と愉快な仲間たちは瓶詰めされたそのコーヒー豆を見つめ、それから蓋を開けてから匂いを嗅ぐ……それから

 

「……凄い、こんなの今まで嗅いだことない、幾ら積んだ所で出てくるか分からないレベルの豆です、マスターに渡したら今までのコーヒーの概念が吹っ飛ぶものが出されますよこれ」

 

「リーダーにそこまで言わせるなんて、これって本当にD地区からなんですか?」

 

「間違いありません、態々アーキテクトが送ったバイクで現れたのですから」

 

「へぇ、凄いですね、初めて見たなこんな綺麗なコーヒー豆」

 

一応、スプリングフィールドのカフェでも見たことはある、正直言えばあれも何処からあの質のいい豆を仕入れいているのか疑問ではあるが今回のこのコーヒー豆は一つ次元が違う、豊かな大自然の中で育ったコーヒー豆、この世界じゃあ難しいどころの騒ぎではない。

 

だとすればどうやって、P38が瓶を片手に思案する、もしやD地区は栽培に適した土地だったという可能性?新改良された肥料?根本的に栽培方法に革新的な発見が?職人の顔付きでひたすらあらゆる可能性を探っていく彼女の姿にM1ガーランドは勿論、PP-90もHK45も固唾を飲んで見守る。

 

「(……ってそもそも)これ、誰宛の送り物ですか?」

 

「あ、417さんのお話ですと指揮官へって話です」

 

指揮官、その一言でP38はふむ?と疑問にあたる、確かに彼女はコーヒーをよく飲むので別段これは可笑しくないにはないが、何かが引っかかった。

 

具体的に何がとは答えられないが彼女宛てとなると少々特殊な物の可能性が浮上するのだ、これはこの基地で過ごしてから学んだ一つである、なので

 

「では先に指揮官に渡してみましょうか」

 

「じゃあ私も行こうかな」

 

「アタシも~」

 

「あまり集団で行くのも悪い気がしますが……あ、いえ、私も付いていきますよ?」

 

ちゃっかり付いてくるM1ガーランドにHK45が警備は良いのか?と聞けば、どうやらさっき通信で丁度交代だしそのままコーヒー楽しんでくればいいとMG3に言われたらしく、何だかんだで彼女って気遣い上手だよね~とPP-90が感心したように呟く。

 

その頃、正門前のMG3と彼女の通信で呼び出されたPPS-43、なぜ呼び出されたのかと言う理由は聞いているので、それを踏まえて彼女は一言

 

「コーヒーだったら私も飲みたかったんだけど?」

 

「そりゃ俺だって飲みたい、まぁ一杯くらいは飲めるくらいには瓶詰めされてたから平気だろ」

 

「知ってるわそれ、フラグって言うのよ」

 

誰から聞いたんだそれと思えば、出てくるのはゲーマーARかトラブルメーカーハイエンドの二人だったのでどっちかかと勝手に納得してから意識を警備に戻すのであった。

 

また場面戻ってM1ガーランド達は医務室の指揮官の元に到着していた、それから軽く雑談をしつつ

 

「417ちゃんが来てたの?」

 

「はい、と言っても渡す物を渡して何かあったら知らせてくれればかっ飛んで来ますと言って帰ってしまいました」

 

「そうなんだ……ん、渡された物って?」

 

こちらですと瓶詰めされたコーヒー豆、それと彼女宛てにと渡された一枚のメモ、この場の全員は読んでいないので内容が気になる四人は指揮官が読み終わるのを待つことに。

 

なのだがペラっと開いた彼女は少しだけ目を通しただけで微笑んだ、それはまるで友人からの手紙だったかのように

 

「えっと、何が書かれてたのですか?」

 

「うーん……私の、不思議な出会いをした人から、かな」

 

彼女の言葉に疑問符が乱立する三人、だがP38だけは何やら合点がいったとばかりに納得した表情で手を叩く、と言うのも彼女は聞いたことがあったからだ

 

この世界じゃない、とてもとても平和な世界の喫茶店の話を、そしてそこでマスターをしている鉄血のハイエンドモデルのお話を、だがつい一言

 

「指揮官って、本当に不思議で、凄い人ですよね?」

 

「ふえ?」

 

「何でもないです、あとでマスターに頼んでこの豆を煎ってもらいましょうか」

 

その日、臨時で開かれたカフェにてこの瓶詰めの、異世界のコーヒー豆を振る舞われたのだがその味は絶品だったとのこと




という訳で今回はD地区より喫茶鉄血で貰ったコーヒー豆を頂きました、なんかユノっちが夢オチで世界線にぶち開けた穴が塞がりきってないようで……まぁ、誤差だよ、誤差!!

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