それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

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模擬戦闘訓練はキンクリされました

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今回は『サマシュ』様の作品『傭兵日記』とのコラボ回です!!ジャベリン兄貴のドッタンバッタン大騒ぎな感じの作品で面白いので皆も、読もう!!


他PMCとの交流会

指揮官暗殺未遂事件から約一週間が経ち、PPSh-41の宣言通りに晴れて退院となった指揮官、色々と注意事項などを聞かされたが要は激しい運動さえ避ければやっと自由なんだね!!と高らかに謳ったので若干説教に時間が取られたのは余談だろう。

 

そんな彼女の復帰初日の仕事はVectorから告げられた他PMC『武器庫』との模擬戦闘訓練、その内容の説明を副官から聞いている、今回の模擬のシチュエーションは防衛戦、武器庫の部隊が今日中のタイミングで基地に襲撃を仕掛けてくるのでそれと戦闘を行うという内容だ。

 

「襲撃のタイミングは完全不明、数は?」

 

「剣部隊と盾部隊の二部隊は別件のために来れなかったようじゃな、なので向こうは弓、槍の二部隊来るらしい」

 

「改めて聞いても面白い部隊名だよね、っとと、総数は?」

 

「こちらも不明じゃ、今FMG-9とヴァニラが探ってはおるがどうにも向こうにも優秀な諜報員が居るらしく難航してるらしい」

 

その二人が苦戦するのかぁと指揮官がぼやくように呟く、こうして見ると普段の姿は鳴りを潜め一基地の指揮官として立派に思考を巡らせるようになったことにある種の感動を覚えかける副官だったが直ぐにそれを思考から追い出す。

 

部隊数は分かっても部隊員の数は不明、襲撃の時間も不明、と結構分が悪い感じがするなぁと指揮官は思いつつ出した指示は自分が刺されて倒れた際のシフト、要は数に物言わせた監視の目を増やすという作戦だ、それと同時に

 

「……少しだけ部隊をバラそうか、防衛開始と同時に動くのは第三とヤークトフントチームだっけ?その2つだけ、それ以外は遊撃の形を取ってくれればいいよ、基地の防衛にはここの全戦力を展開して驚かしちゃおう」

 

「なるほど、一気に出して数の差を見せることで二の足を踏ませ、切り込む、と言うプランじゃな?」

 

上手くいくかはわからないけどね?と笑いつつも、その顔には妙な自信が込められていた、彼女たちならば大丈夫、だから自分も出せるだけの指示を出そうと言う顔……そして数時間後、防衛戦を想定した模擬戦闘訓練は無事に終わり、現在は基地を開放して武器庫の面々に休息を自由にしてもらっている。

 

(シュー)

 

「な、なぁ、そっちの指揮官が煙を吹いてるんだけど!?」

 

「放おっておいても大丈夫じゃぞ、今回のような自分の能力が通用せずに更に人間相手の戦闘は初めてで思考を回しすぎてキャパオーバーしただけじゃ」

 

一大事では!?とツッコミを入れる男性は今回の模擬戦闘訓練の相手『武器庫』の槍部隊の部隊長『ジャベリン』因みに模擬戦闘訓練の結果だけを言えば時間切れのこちらの逃げ切り勝利、当初の想定通り防衛に全戦力を投入したのは正解だったのだが彼女がこうして煙を吹いている理由は外の部隊の指示にある。

 

と言うのも向こうも数の不利というのは悟っていたのでとあれこれ奇策を投入してきてその対処に頭を回転させすぎたのである。思わず心配になるその光景に一体の少々ゴツダイナゲートが彼女に近づき

 

《平気ですか~、ユノさん》

 

「うぅ、大丈夫……ポチ~」

 

「全く、ほれシャキッとせい!」

 

副官に叱られムクッと顔を上げ、ポチと呼んだダイナゲートに視線を向ける、しかし彼女の眼にはそこに居るのはダイナゲートではなく何故か『柴犬』何でかは知らないが指揮官にはそう見えてしまっている。

 

が、まぁそういうこともあるんだろうなぁ位に考えて今度はジャベリンの方を見れば、こっちはこっちで少々ぼやけて見える瞬間があったり普通に顔を認識できたりするのでうーんと唸ってしまう

 

「どうした、ユノちゃん?」

 

「あ、何でもないです。それよりも本日は模擬戦闘訓練を受けていただき本当にありがとうございます」

 

「まぁ、受けたのは俺と言うより社長なんだけどな、それにこっちも結構収穫があったからな」

 

収穫?と指揮官が小首を傾げる、これは彼女の知らないことなのだがあの模擬戦闘訓練の最中、彼女の目に見える戦場以外にも熾烈な戦闘が繰り広げられていた空間があった、そこはFMG-9とヴァニラが担当していた電脳空間では向こうのハッカー『情報の宝庫(インテリジェンス・トレジャリー)』との攻防戦が行われていた。

 

「『情報の宝庫(インテリジェンス・トレジャリー)』まさか生きてる間にやり合える日が来るなんてね、いやぁ楽しかった楽しかった」

 

「楽しかったですが少しでも気を抜いてたら抜かれても可笑しくなかったですよあれ、やれやれ自分達ももう少し技術磨かないと駄目ですね~」

 

ゴキッと首を鳴らすヴァニラ、メガネを外して目を押さえながら笑うFMG-9、こちらも辛勝と言った感じだがお蔭で自身達の磨くべき箇所が見れたので今後は再度技術を磨いていくことになるだろう。

 

「でもジャベリンさん達、かなり強かったです……途中の奇襲もおばあちゃんがフォローしなかったら基地に接敵されてましたし」

 

「うむ、あれは見事じゃった、話はよく聞いていたがそれ以上の強さでヤークトフントも満足しておったぞ?」

 

「ヤークトフント、そういやトライデントがこの基地のえっと、イングラムだったか?その娘に随分と気に入られたな」

 

ジャベリンが思い出すようにそう語る、模擬戦闘訓練で早々に槍部隊と接敵した第三部隊とヤークトフントは戦闘を開始したのだがイングラムは一番大男で目立ったという理由でトライデントと呼ばれている隊員とやり合い、彼女曰く

 

「彼、結構良いわ、ええ、クケケ」

 

「そのヤバイ眼で俺を見るのは止めてくれ」

 

因みに間違っても好意ではない、彼女的には歯ごたえの有りそうな(二重の意味)相手だったというだけである、因みにもしこれが本気の殺り合いだったとしたら彼女は許可さえ降りれば迷いなく食い殺そうとか考えているらしい。

 

「でも今回の模擬戦闘訓練は色々と助かりました、自分はまだまだ未熟だなって」

 

「いやでも人間相手は初めてなんだろ?それでこれだけ指揮できたなら焦らなくて大丈夫さ、着実に磨いていけばもっと上達するさ」

 

「それでも荒削りじゃがな、如何せんこの手の防衛戦は経験できるタイミングが少なくてなぁ」

 

その後もジャベリンと指揮官と副官との反省会と雑談は彼らが帰る直前続き、最後に副官と共に武器庫の面々を正門前まで見送りに来て

 

「今日は、本当にありがとうございました!」

 

「わしからも礼を、お陰でこの基地の問題点を出すことも出来たしな」

 

「いやいや、こっちもいい経験だった、また機会があれば声を掛けてくれ、無論、それ以外の仕事でも構わない」

 

呵々、その時には頼りにさせてもらおうと副官が笑い、彼らは帰っていった。

 

こうして、この基地での初めての他PMCとの交流は終わりを告げた、恐らくは今後も彼らとの関係は続くだろうと指揮官は思いつつ、今度はもっと沢山、色んな人と会話しようと心に誓うのであった。




……いや、はい、弁明もありません本当に申し訳ございません!!(切腹

色々考えた展開があったのですがどうにも文章にできずそれでもと形を付けてたらこんな結果に……サマシュ様、改めて本当に申し訳ございません

次回?そんなの明日決めるさね

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