それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:鮪薙

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夫婦になっても初々しくデートする奴らが居るらしい。


二人の道は何処までも

「え、PPKと出掛けたいですか?」

 

出張みらくるふぁくとり~の翌日、定期診断で医務室を訪れていた指揮官からそんな事を聞かされたのはPPSh-41、対して指揮官は駄目かなと物凄く遠慮気味ながらも凄く行きたい雰囲気を出すという器用な真似をしていた。

 

ふむと考える、今日までに行っている定期診断では彼女の腹部の傷は予想よりも早く塞がりを見せており、今出している激しい運動などの禁止令は念の為という部分が大きい、それに今回はPPKとの所謂デートなのでそんな事態にもならないだろうしと総合し、カルテを書いていた手を止めて指揮官と向き合い

 

「傷口もかなり塞がってますからね……分かりました、許可しますよ」

 

「え、本当に!?」

 

「但し、腹部などに大きく負担をかける運動は一応避けてくださいね。あ、それとボディアーマーの着用と護身用の銃も忘れずに」

 

そんな感じに忠告をしてみるが出掛けられるということでテンションが上がり浮かれきっている指揮官からは生返事だけ返ってきて本当に伝わっているかPPSh-41は少し心配になるがまぁ出掛けるとなれば副官もPPKも同じことを言うだろうしと思いしつこくは言わないことにした。

 

(それに、あの口ぶりですと久しぶりに二人っきりでの出掛けでしょうから浮かれるのも無理はないですよね)

 

「あ、じゃあ私、もう行くね!」

 

「はい、楽しんできてくださいね」

 

よほど嬉しいのか何時もより二倍増しでキラッキラな笑顔で医務室を後にした彼女をPPSh-41は幸せ夫婦ですね~とカルテを纏めてつつ思い、それから次の仕事に移るのであった。

 

それから数日後の休日の街、G36の運転するハンヴィーから降りてきたのは軍服ではなく白のスニーカーにチェックのミニスカートに青のパーカー、その上に黒のブレザーみたいなものを着た少し頑張ってお洒落してみましたという装いの指揮官と普段どおりのPPK。

 

「では、私はこの辺りにて待機しておりますので存分に楽しんできてくださいませお嬢様、PPK」

 

「うん、行ってくるね」

 

「行ってまいりますわ」

 

ペコリと綺麗な礼をするG36にそう告げて彼女達は街中へ徒歩を進める、デート、とは名を打っているがだからといって何処かに入るというわけでもなく何時も通り彼女達は興味が惹かれるまま街を散策する。

 

それだけで彼女達は満たされ、楽しいのだ、だが今回は少しだけ目的がハッキリとあったりする、それはPPKにも事前に告知してあることなのでその目的地へと向かえばそこは

 

「思えば、PPKと結婚してからさ。この雑貨屋に寄った記憶がなかったんだよね……」

 

「かなりお世話になっていると聞いておりますし、それは些かよろしくないのでは?」

 

だよねとトーンが下がった声にPPKは大丈夫ですわよと励ましてから彼女を促し、指揮官が扉を開ければカランカランと聞き慣れたベルの音と何時も通りの優しい笑みを浮かべた店主の老婆が彼女達を迎える。

 

「おや、指揮官ちゃんじゃない……それにそっちの子はあれだね、噂の旦那様だろ?」

 

「うえ、あれ、なんで知ってるの?」

 

「副官さんだよ、ちょくちょく来ては色々話してくれてるのよ、本当に仲のいいオシドリ夫婦だってね」

 

「なんだか、普通に想像できる光景ですわね」

 

こうして直接見ても本当に仲睦まじい感じで嬉しいよ私はと店主がまるで結婚した孫娘とその旦那を見るような優しい瞳と声でそう告げれば、少々気恥ずかしくなるPPKとおばあちゃんそんな事一言も言ってなかったじゃんと指揮官は軽く零しながらでも祝福してくれることは素直に感謝を告げる。

 

「それで今日はデートかい?」

 

「うん、こうして結婚してから二人っきりって中々無かったから、でも特に何処に行くとかは決めてないんだけどね」

 

「あたくしはユノとならばどこでも楽しいですわ、それにこの雑貨屋もいろいろ品揃えがあり面白いですよ」

 

「呵々、見てて此処まで幸せになる夫婦も久し振りだし、旦那の方は嬉しい事言ってくれるねぇ、そうだね……指揮官ちゃん、この街の丘のてっぺんに行ったことあるかい?凄く景色がいいから一度行ってみると良いよ」

 

そんな所あったんだと指揮官が思いつつ次はそこに向かおうかとPPKと話してから、雑貨屋を物色してP7達へのお土産を購入、店主の老婆とそれなりの時間雑談してからまた来ると告げて二人は教えてもらった丘を目指す。

 

そこは街から少しだけ外れた場所にあった、それなりの高さは合ったが坂自体は緩やかであり指揮官でも苦もなく登ることが出来たてっぺん、そこには一本だけ木が生えており丁度よい木陰を提供していた、だがそれよりも彼女達が感動したのは

 

「おぉ~、街がよく見えるよPPK!」

 

「それに風もとても穏やかで、気持ちがいいですわね」

 

店主が言った通り、景色もよく、良い風が吹く、それらを体験して指揮官は一言ポツリと

 

「……皆でピクニックとかで此処に来たら楽しそうだね」

 

「ふふ、そうですわね。きっとP7とかは大はしゃぎですわ」

 

「それを言ったらステアーもシャフトもだよ。あっ、そうだ、PPKこっちきて!」

 

突如呼ばれてどうしたのかと思いつつ木陰の彼女に近づけば指揮官は正座に座り直してポンポンと自身の太ももを叩く、流石にそこまでされれば彼女が何をしたいかは理解できるのでPPKは一つ微笑んでから、では失礼しますねと横になる。

 

そうして寝てみて思ったのは自分が彼女を見上げる形になるのは少し新鮮だなという感情、基本的に自分が指揮官を見下ろす形が多いのでそんな感情を抱いてしまう。

 

「今、私の顔を見上げるのは新鮮とか思ってるでしょ?」

 

「あらあら、心を読まれてしまいましたわ。でもこうしてユノの膝枕も顔も独占できるのは良いものですわね」

 

「えへへ……ねぇPPK」

 

「はい、なんでしょうか?」

 

和気藹々な会話をしてたと思えば指揮官がPPKを呼び、それから街の方へと視線を向ける。PPKも釣られて顔を動かしてみれば先程と変わらない光景、どうしたのだろうかと思っていると

 

「これからもさ、ずっと一緒に生きていこうね」

 

「ふふ、何を言い出すかと思えば……当然ですわ、何があろうとあたくしはユノ、貴女と共にいつまでも、何処だろうと一緒ですわよ」

 

その言葉に互いが確認するようにはゆっくり唇を重ね、はにかむ二人をフワッと優しい風が吹く、指揮官とPPK二人の道は何処までも共に続くだろう。




最終回みたいな引きだけど最終回じゃ)無いです。

やっぱり百合は最高やなって!!
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