それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:鮪薙

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流石にPPSh-41ワンオペは危険過ぎるというお話


医療部の増員

この基地の医者と言えばPPSh-41、彼女を指すことになる。逆を言えば彼女しか居ないとも取れる、つまりこの基地の医者は彼女のワンオペ状態なのだ。

 

だが今まで問題にならなかったのは指揮官もカリーナもヴァニラと言った人間組が殆どと言っていいほどに風邪も怪我もしなかったからというのがある、なので彼女のもっぱらの仕事は動物たちの診断か、医療品の在庫チェックと言った雑務程度に収まっていたのだ。

 

しかし此処最近になって指揮官関連で忙しくなり、そこに更にD地区の妊娠の担当も始め、診断やカウンセリング、更にはレポートを纏めたりと急に激務になり始めた彼女、一応キチンと休みを取り、睡眠も取っているので本人は言ってはいるがやはり思ってしまうのは

 

「これ、ペーシャちゃんにタスク回し過ぎだよね……」

 

「回し過ぎと言うか、これは確かに医者の仕事ではあるが、あやつに何かあった際に誰も対処できなくなる危険性が生まれてはおるな」

 

そう、彼女一人ということはもし万が一PPSh-41が倒れるようなことがあればこの基地の医療体制は崩壊するしか無いのだ、幾らファーストキュアーやファーストリカバリーが居るとはいっても、あくまで応急処置と補助がメイン、そこに誰かの処置がなければ結局は意味がないのだ。

 

マズイ、これは非常にマズイとなる二人が考えた結果、ならば人を増やしてしまおうと考える。だが人間、というわけにも行かないのがこの基地、信頼できる人間というのを探し出すのだけでも相当時間が掛かってしまう、だがそれでも一応は募集をかけるべきかと本部に打診をした所……なんと直ぐに返答が来て、しかも内容は

 

「病院勤務の戦術人形を回す、じゃと?」

 

「ペーシャちゃんみたいな子が来るってこと?でも、その病院から引き抜いて大丈夫なの、ほら、それで病院を維持してるとかだったら……」

 

「一応、大丈夫ではあるようじゃな。しかもここはペーシャの前の病院じゃぞ?」

 

資料を見れば何とびっくりPPSh-41が以前勤務していた病院から来るとの事で、どうやら向こうでは人間、人形問わずに医療を広めて活躍してもらおうという試みを行っているらしく今回もその一体らしい、が勤務年数だけを見れば

 

「同じだよね」

 

「まさか同期とか言わぬよな?まぁよい、指揮官これで良いか?」

 

「うん、折角向こうからどうぞって言われてるならお迎えしよう、早くペーシャちゃんの負担も軽くしてあげたいしね」

 

では了承と返しておこうかと書類にサインをしてカリーナを通して再度、本部に書類を送り返す。流石に即日とは行くわけもなく、準備などで数日は掛かると返ってくるが来てくれるだけでも有り難いのでこちらとしては何の問題にもならないし、その間にPPSh-41にも伝達しておこうと指揮官と副官が彼女の所に訪れてその旨を話せば

 

「そんな、別に無理はしてなかったのですが……」

 

「そうだけどさ、もしもってのがあるじゃん?」

 

「うむ、備えあればなんとやらじゃ、それにお主寝ているとはいっても夜遅くまでカルテなどを纏めておるじゃろうて、その負担を少しでも軽くせねばいくら人形といえど倒れるぞ?」

 

医者が倒れるなど洒落にもならんのじゃと言葉ではそんな感じだが声は物凄く心配されていることが分かればPPSh-41もあまり強くは出れないし、確かに少々無理をしていたという自覚もあるので、小さく息を吐いてから

 

「そう、ですね。感謝します、今後も考えれば一人増えるだけでもかなり助かりますし」

 

「今後?」

 

「まぁ、二人だけじゃ済まないって言う話ですよ」

 

その一言で副官は察したらしく、だが指揮官は気付けない様子で小首を傾げればPPSh-41はその時になれば分かりますよと告げて、新たに来る医療部に配属される人形へのマニュアルなどの作成を始めた。

 

そうして数日後には例の戦術人形が無事に到着したのだが、PPSh-41は医務室にやってきた彼女に対して軽く頭を抱えていた、というのも

 

「ハロー、ペーシャってどうしたのよ頭抱えて」

 

「貴女が来たのですか、ソーコム」

 

「やはり知り合いじゃったか、同じ病院からの同期という所でもしやとは思ってはおったがのう」

 

来たのは【Gr Mk23】通称【SOCOMピストル】とも呼ばれる彼女、因みに既に仕事ができるようにと彼女にしては物凄く大人しい感じのナース服に身を包んでいる、なぜかと聞いてみれば

 

「院長からね、これから異動になる基地には貴女が居るって聞いたからこの服を持ってきたのよ、またペアで頑張りましょ?」

 

「『また』?もしかして二人は前の病院でも組んで働いてたの?」

 

「ええ、まぁ。私とソーコムは確かに組んで働いてましたよ、私が主に診断を、彼女がカウンセリングや雑務を、まぁ場合によりけりで二人して色々担当はしてましたけどね」

 

「あの病院一のオールラウンダー、ペーシャはそう言われてるくらいに外科、内科とかを問わずに診断も手術も出来てたからね、だから貴女が基地に異動になったと聞いた時は寂しいのもあったけど納得もしたわね」

 

SOCOMが彼女をそうやって褒めれば、PPSh-41は軽く笑い、それからギィっと椅子の背もたれに体重を預けてから懐かしむように目を閉じて

 

「よく言いますよ、貴女だって私と同じくらいに様々なことが出来たじゃないですか、それにカウンセリングに関しては私以上で、正直羨ましかったです」

 

「ペーシャって時たまストレートに言っちゃうからね~、そこからどうすればいいかを順序立てて説明するから患者さんに寄っては苦手だって言われてることもあったわよね」

 

「あれ、割りとショックなんですよ」

 

二人の思い出話に指揮官と副官は彼女を招いて正解だったなと言った感じに頷き、じゃあ今日からよろしくお願いねと告げてから二人は業務に戻る。

 

それを見送ってから、PPSh-41は少しだけ真面目な雰囲気を出してSOCOMを見る、向こうも真剣な眼差しでPPSh-41を見つめ返せば

 

「話は聞いてると思いますがこの基地では現在、D地区の人形の妊娠に関しても担当しています」

 

「貴女から送られた資料は読んだわ、それにしても随分と夢が広がる話題と同時に、少しばかり不安ね」

 

「ですが我々は彼女達をサポートし、無事に子と対面させなきゃいけませんよ。なのでサポート、お願いしますねソーコム」

 

「任せなさいペーシャ、大丈夫よ、わたくしと貴女が組んで駄目だったことがあったかしら?」

 

自身に満ち溢れながらもそれは決して慢心ではない、医療にその感情は持ち込んではいけないことであり、それでいてその言葉が言えるSOCOMにPPSh-41はかつての安心感を覚えるのであった。




Gr Mk23
基本スキンは物凄く大人しい普通のナース服、通称【医務長の助手】
PPSh-41と同じ病院に勤務していたが今回、異動となった戦術人形、彼女も同じ様に何でもこなせるオールラウンダーだが手術などではPPSh-41に一つ劣り、代わりにカウンセリング能力は彼女より高かったりする。

という訳で増やしました。流石にそろそろPPSh-41一人じゃ辛くなることも増えるだろうしネ!
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