それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!! 作:鮪薙
FMG-9がアリババとして向こうの諜報部がどれほど成長したかなと潜っていたときのこと、彼女の予想を大きく反して成長をしており、これには一言
「いや参った、『単独』じゃあこれは時間かかり過ぎるし、その間に逆探もされてバレますねこれ、しかも、ふぅん、メンタル掌握に……えっへっへ」
「何急に笑いだしてるのよ……」
「いやぁ、目を掛けた子たちがこうして成長をしてるのを実感できるのは非常に嬉しいものだなぁと、なるほど弟子を取るというのはこういう感触なのかぁ」
そこまでは非常に穏やかで成長を喜ぶ(勝手だが師匠の)表情を浮かべ流れる情報とそれと同時に本来であれば見えないはずの攻性防壁の数々を眺めて、ふぅむと唸ってから、あ~と声を漏らす。
何をどうしても潜り切る前にバレるなこれと、だがそれはあくまで『アリババ』一人だったらという前置きが加わる、なので彼女はあっさりとカードを切ることにした。
「メジェド、ちょっと手伝ってくださいな」
「ん?なんでまた、別に向こうの防壁は十分なんでしょ?」
「ええ、十分ですよ『私一人』ならね。でも場合によっては複数が同時にって場合もあります、その時の対応も最後に見せてもらってからまぁ抜いたもん全部お返ししてあげようかなと」
「あんたやっぱり現役時代の性格悪いわ」
性格悪くなきゃハッカーなんてやってませーんとおちゃらけた感じのセリフにヴァニラもなるほどそれはそうだと笑いながら自身の準備を始め、今度はコンビにて向こうの電脳と情報に探りを入れ始める。
まぁ結果だけ言えば彼女達の目的は完了、抜いて脅しに使ってた材料を全てを返し、それと賞賛の言葉、ついでに今度はIOP内部の情報も置いていき、少しだけ情報を覗けば
「……マジで?いよいよ鉄血の内部崩壊が加速してませんこれ?」
「あ~、とりあえず指揮官さんに伝えておくわ」
こりゃあ、また本社が騒がしくなるなぁと愚痴るヴァニラとこの基地が騒がしくなることがないってのがもう笑える話ですよね~とFMG-9は後片付けをしてからよいしょっと立ち上がったタイミングでPCのモニターに黒猫が映りにゃ~と言う電子音と同時に新たな情報を転がし、それを読んだ所で一言
「アーキテクトに少し知らせてきますねこれ」
このやり取りがあったのがその日の朝、そしてそれをアーキテクトが聞いたのは朝食を終えてじゃあ今日も元気に開発しましょ!と気合を入れた時だった、珍しいというわけでもないFMG-9が開発室に来て、どうしたのかと聞けば返ってきたのは今朝の手に入れた情報の数々、それを聞いて一言
「へぇ、ドリーマーも……でも多分、このドリーマー捨て駒の一つだと思う、後に別の彼女が戦場に出てくる可能性は考慮しておいて」
「やっぱりそうでしたか、実を言えば現段階で既に一件、ドリーマーらしきハイエンドを他の地区の戦場で見たという話が出てます、あり得るのですか?」
「他のハイエンドはどうかは言えないけど、ドリーマーとかアルケミストとかなら有り得なくない、奴らは自分すら利用するからね」
これは改めて指揮官に知らせておかないとなと決めたが、まだ報告することはあった。真面目に思考を巡らせるアーキテクトにFMG-9は資料を一つ渡す、彼女はそれを受け取りなんぞやと思いながら読み進めて、ニヤリと口が弧に歪んだ、それは何というか良きライバルを見つけた、そんな顔だった。
「面白いことしてんじゃん、いいよ、そっちがその気なら私だって本気出しちゃうんだから☆」
(あ、これ絶対に碌なもん作んねぇな)
にっしっしと未だかつて無い程に悪い顔を晒しながら彼女手製のPCを操作するアーキテクトを見てそう思いつつそっとしておくかとFMG-9は部屋を後にする、それから数日間この部屋からは何かを作る音が(夜間は除いて)ひっきりなしに聞こえることになり、何してるんだろうね~と指揮官も気にしたりはするが、それは後日すぐに答えは出た、と言うのも
「あれ、私今日はそっちじゃなくていいの?」
「今日のはねぇ、ちょっとユノっちおねえさんに任せるのは危ないから、アーちゃんうさぎだけで紹介することにしたんだよってことで、おはこんばんちは!『みらくるふぁくとり~』のマスコット『アーちゃんうさぎ』だよ、いえーい、ドリーマー見てる~?」
急遽、みらくるふぁくとり~の撮影が始まったからである、しかし指揮官は今回は撮影側でもないし、撮影場所もいつものスタジオではなくて射撃場、そしてアーちゃんうさぎの手には一丁の【リボルバーライフル】と呼ばれる形状のライフルが握られていた。
見てくれはリボルバーの部分が別のなにかの機構に置き換わってる以外は普通なそれ、もちろん中身が普通な訳がないというある種の信頼感があるので黙ってみていることに
「さぁ、今回紹介するのはこのライフル【フェイタルアロー】どんな銃なのかはとりあえず一発見た貰ったほうが早いね~」
そう言って端末を操作して出したのは複合装甲材、かなりの厚さらしいそれにフェイタルアローを構え、狙いを定める。うさぎのきぐるみを来たアーキテクトがかなり真剣な表情でライフルを構えるという中々にシュールな光景だなぁと撮影係のFMG-9が思っていたのだが次の瞬間、言葉を失った。
発砲した、がそれを彼女が認識できたのは的の複合装甲に穴が空いたからだ、発砲音も聞こえず飛んでいく弾丸も捉えられなかった。もし2射目があるとすればスキルを使えばもしかしたらと思えるがこれが実戦の戦場で飛んできたらと考えると軽く戦慄する。
「え、う、撃ったの?」
「よっしゃ、とりあえず成功。驚いた?これがフェイタルアロー、少し特殊な性質を持った粒子をこのリボルバー内で生成後に発射、対象に命中後は貫通しないで内部に留まり、内側から崩壊させる代物さ!」
見れば、複合装甲材は音を立てて崩壊を始めていた。崩れた中身を見てみればまるで内側から食い散らかされた感じに出来上がっており、それを見たFMG-9が思わず引き笑いを見せる。
一方指揮官はそれを見て、凄い銃だこれとこちらも驚いてはいた、そしてアーちゃんうさぎはそんな二人の反応に満足気に頷いてから
「主に装甲がガッチガチの敵に使うのが主な役割だね~、音もそんなにないし煙も上がらない、弾速は今の通りで射程も大体2000Mは硬いかな。ただ欠点として連射はそこまで効かないし弾数も多いわけじゃないってのが上げられるかな」
「これって、粒子は何処で準備するの?」
「それは大丈夫、このリボルバー内で自動生成されるから、ただ通常のメンテナンスは出来なくてそれ専用の機材を、これね。これの中に収納して整備が行われるって形」
と言いつつ側に用意してあったSFチックなショーケースにフェイタルアローをしまえばアームが現れて整備を開始する、それを確認してから
「んじゃまぁ、今回は此処まで!また次回のみらくるふぁくとり~を楽しみにしててよ☆ではではしーゆーあげいん!!」
因みに今回のみらくるふぁくとり~のDVDはD地区にも送られたのだがその際の名義は『捕虜生活満喫中アーちゃんうさぎ』もはやドリーマーに喧嘩売ってると思われても仕方がないことだと思う名義だったとか。
とある基地でとあるハイエンドがレーザーライフルを作ったと聞いてアーキテクトが我慢できなかった。許して
アーキテクト製品紹介コーナー
『フェイタルアロー』
弾数 6
射程 約2000M
連射速度 0.37(発/sec)
粒子チャージ速度 打ち切り型で2秒半
形状はリボルバーライフル、だがリボルバー部分は特殊な性質を持った粒子を生成する機関となっている。粒子の特性は本文通り、つまり戦車なんかに撃った日には内部がミンチよりひでぇやになる。
使ってる粒子が粒子なので銃本体は過剰なまでに頑丈にしてあり、結果として鈍器としても優秀な武器となっている。
またメンテナンスも通常の銃のようにバラしてとかは出来ずに専用のショーケースにてのみ整備が可能、なので少々融通の効かないわがままお嬢様な感じの銃となっている。
因みにこれの作成は機械ではなく補助アームなどは使っているがアーキテクトが一から誤差レベルまで無くすために手作業で作られた模様
アーキテクト曰く「現状じゃ、これ含めて2丁までが限界、神経使うんだよねこれ作るの」とのこと