それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:鮪薙

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要は完治しましたというお話


フルテンションリトルコマンダー!

指揮官は上機嫌だった、いつも上機嫌ではと言われそうだがその日の指揮官はそれ以上に上機嫌だった、言うなればそう、ハイメガマックステンション指揮官と言った感じだろう。

 

彼女がそこまで上機嫌な理由は今朝方の医務室にてPPSh-41が彼女の傷の具合の診察を終え、ふむとカルテに何やら書き込んでから

 

「少々長めにとってしまいましたがもう大丈夫のようですね」

 

「え、じゃあ!」

 

「はい、本日より運動の許可を下ろします。傷口も完全に閉じてますので開くことはないと思います」

 

それを聞いた彼女は喜びを爆発させた、両手を上げてやったー!とそれはもう今まで我慢してましたと言うほどの歓喜を体全体と声で表した、無論、PPSh-41にニッコリと怒られた。

 

兎も角、漸く完治宣言が出た彼女を止めれる者は居ない、そもそもにして最初は一ヶ月と言われてたものが気付けば今日まで延びていたのだ、医務長が大丈夫といったのならば止める必要ないだろうとすら周りは思っている……が

 

「ん~?なんか騒がしい?」

 

何やらざわざわとした空気を感じ取った指揮官、なので副官へと通信を繋げば、直ぐに出てくれたのだがその内容が

 

「えっと、つまりD04基地って所が結婚式の招待状と紅茶とその茶葉を届けるために戦車でやってきたってこと?」

 

《書面を素直に読めば、な。友好関係、出来れば同盟、とまで書かれておる》

 

知らない基地だ、それが第一印象、だがそこに待ったをかけたのがついのこの間こってり絞られたFMG-9、どうやらその基地の面々について情報を持ってたらしく

 

《突然失礼、副官それ、501って書かれてません?》

 

《おお、書かれておるぞ、なんじゃ知っとるのか?》

 

《知り合いとかじゃあ無いですけどね、第501統合戦闘航空団、かなりの軍事力を持ってるようでそれを操る人員も手練、繋がりは持ってても損はないかと》

 

此処でじゃあと頷くのは簡単だが、問題は自分も、そして副官も直接その人物を見ていないという点、指揮官としては皆が大丈夫だと言ったからではなく実際に見て、話して、それで決めたいと思っているし、副官は副官で

 

(アポ確認のための電話の際の人物は声の限りでは好印象、そしてFMG-9が推すということは少なくとも悪い相手ではない、が今までならば頷けたが今後は慎重にならねばならないのじゃよなぁ……)

 

指揮官がハイエンドモデル【支配者(ルーラー)】の素体だという事実、それに伴い彼女自身がクローンであるという事実、これらはあまり他の基地に知られてはならない。別段友好関係の深い場所に知られるだけならば問題はないのだがそれがまかり間違って他に広まってしまった場合が怖いのだ。

 

良くも悪くもこの基地は、そして指揮官は有名だ。それが実はハイエンドモデルでした、もしくはクローンでしたということが明るみに出てしまうと何が起きるかは分からない、今まで以上に指揮官を誘拐しようとするものが現れるかもしれない、今現在友好関係になっている街の住人と関係が悪化する可能性も無いわけではない、しかし向こうはこうやって招待状を、更には貴重なはずの天然茶葉も大量に送ってきた以上無下には出来ず、さてどうするかと悩んでいると

 

「とりあえずさ、式には行こうよ。それで今後どうするか決めよう」

 

《それしか無いか、ならばこちらから向かうのはお主、わし、PPKの三人にしておこう》

 

「本当なら三人もと思ったけど、シャフトに無理はさせられないしね」

 

《一応、こっちでも網は張っておきますし『ネクロノミコン』を使ってでも対処をしておきます》

 

こうしてトントンと物事を決めていき、それからもらった紅茶を誰に淹れてもらおうかとなった時にどうやら茶葉を貰ったということを聞きつけたL85A1から自分がという通信が入り指揮官は食堂へと向かえば、そこには副官とPPKも居た。

 

待ち始めて暫く、人数分のティーカップが乗ったトレイを持ちL85A1が現れる、その顔は物凄く充実したと言った感じであり、その様子に指揮官がそんなに良い茶葉だったの?と聞けば

 

「良いなんてものじゃありませんわ指揮官、とても上質で、香りもよく、これは余程の執念が生んだ最高の茶葉ですわ」

 

「L85がそこまで言うと期待値は高いですわね」

 

「うむ、早速いただこう」

 

今回彼女が選んだのはダージリン、特徴的な上品で芳醇な香りを楽しんでからゆっくりと口に含めば豊かな風味が一杯に広がる、紅茶は初めてではないしL85A1やウェルロッド、リー・エンフィールドが淹れるのを何度か飲んだことがある指揮官だがこれはそのどれよりも

 

「……美味しい」

 

「ええ、何というか、余計な言葉が要らないですわね。美味しいですわ」

 

「これほどのものを、確か一キログラムほど茶葉は貰っておったな」

 

大盤振る舞い過ぎると驚く副官、その後も会話をしながらティータイムを楽しんでから、残りの茶葉はカフェへと送られ暫くはこの基地の紅茶好きが楽しむのだがそれはまぁ、いつか話そう。

 

ティータイムの後は指揮官は今まで出来なかった運動、もしくは護身術などの練習を再開、流石に一日目なので軽く流す程度に抑えてはいるがそれでも彼女は満足した様子であった。

 

「って言うわけで漸く完全復活したんだよ」

 

「良かったですわね、ですが飛ばしすぎないようにして下さいませ、そうでなくともユノは無理しやすいのですから」

 

夜、夕食もお風呂も終えた指揮官は同じく終えたPPKと自室にて会話に花を咲かせていた、会話の内容だけを見るとやはり夫婦と言うよりもものすごく仲の良い姉妹といった感じに見えてしまうのはお約束というものだろう。

 

「ではもう明日からまた朝のジョギングなどを?」

 

「うん、激しい運動もしていいってペーシャちゃんは言ってたからまた組み手とかも再開する。まだまだ弱いからね~」

 

指揮官の言葉にふぅんと納得の反応をするPPK、そこで思い出す、怪我の安静のためにと最近ご無沙汰だったなと、それと同時に自分は此処まで我慢できない人形だったけと、しかし天秤は物凄くあっさり

 

「所でユノ、激しい運動もしていいとペーシャは言ってましたのよね?」

 

「ん?うん、そうだけンッ!?」

 

食べてしまう方に傾いた、PPKは流れるように指揮官の唇を奪いそのまま舌を入れ濃厚なものを交わす、数十秒、数分と交わされた深い接吻の後ゆっくりと離れたPPKが見たのは出来上がった指揮官の顔

 

「ハァ……ハァ……ピーピーケー?」

 

「どうしましたユノ、ふふっ、もしかして入っちゃいましたか?」

 

「うぅ、久しぶりだもん……それに、何時もそうしてくるから……」

 

ああ、もうダメだ。PPKの理性はそこで投げ捨てられ目の前の愛しい愛しい妻の恥ずかしそうに顔を赤らめながらも切なそうな表情と瞳を独占するべく彼女は再度唇を交わしそのままベッドに押し倒す。

 

最後に言えるのは翌日、ジョギングの時間は無かったということだろう。




え、最後?ほら、折角許可降りたんだし?(純粋な瞳)

サラッと名前出しました第501統合戦闘航空団は『英国の珍兵器』様の作品『501FGドルフロ戦闘詳報』からの登場です!随分前に渡されてた茶葉のお話を漸く書けました、遅くなってすみません……
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