それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

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なんかこのコンビが定着してるなこの基地?


気配り上手な犬と猫

Gr G41は遊ぶことが大好きな戦術人形である、同時に何かを成した後に褒められることも大好きである。

 

褒めてくれる相手は無論、指揮官であるのが好ましい、だがそこは察しの良い娘である彼女は娘という立ち位置の三人が居る手前そういうワガママを言える立場ではないと自制が出来る戦術人形でもある。

 

がそうだとしてもやはり褒めてもらいたいし遊んでもらいたい、根は気配りのできる彼女とて精神年齢は割と遊び盛りな娘である、なので彼女が良くこの欲求を満たしてもらおうと向かう相手は

 

「……まぁた来たのかにゃ?」

 

「はい!!」

 

ここは中庭、いつものように惰眠を貪ろうとして現れたIDWに彼女は突撃をかまし今は彼女に覆いかぶさるようにG41はキラキラした目で質問に答えていた、対してIDWはこの状況でも慌てず騒がず、寧ろかなり気怠そうにやれやれと頭を掻きながらスキルを発動。

 

G41が認識した時にはIDWは彼女から抜け出して定位置のベンチに寝転がり雑誌を取り出していた、また社内報を読むのですか?と思うも見れば表紙が社内報のそれではない、テクテクと側まで近付きIDWの邪魔にならないように覗き込んで詳しく見てみる。

 

「わぁ~、嬉しそうな笑顔の花嫁さんです!」

 

「ウェディング特集らしいにゃ、の割にはこれ演技な感じはしないにゃ~」

 

「ウェディングならご主人様だって負けてません!!」

 

ムフン!と鼻を鳴らして胸を張るG41にIDWもそれについては同意するにゃと答えてから雑誌を読み進めていく、見開きの一ページにはその女性とUMP45が満面の笑みで手を繋ぎ周りの人形達がそれを祝福している光景、それを見てIDWは少し、そう本当に少しだけ『羨ましそうな』表情を浮かべる。

 

もしかしたら自分もこうやって立っていたのかもしれないと、そう考えると写真の中の彼女達が物凄く輝き、自分には眩しい物にゃとパタンと雑誌を閉じてしまう。

 

「あれ、もう読まないのですか?」

 

「なんだにゃ、もしかしてまだ読みたかったのかにゃ?」

 

「何時もならIDWは最後まで読むのになぁと思ったのです!」

 

意外とコイツ人のこと見てるにゃと思いつつG41には、こういう日もあるのにゃと適当に答えてから雑誌を枕に眠ろうとして、ふと急に気分が変わる。何というかこのまま寝ても良いのだが偶にはこの遊び盛りの彼女と戯れるのも悪くはないにゃと、いや違う

 

「(今寝たら、昔を思い出しちゃいそうな気がしたからそれの気晴らしにゃ)喜ぶにゃ、この私が珍しく遊んでやるにゃ」

 

「え、本当ですか!わぁい、じゃあフリスビー投げて下さい!!」

 

何処からか取り出したのか、はたまた中庭の何処かに常備されているのかそれなりの大きさのフリスビーをIDWに手渡してからG41は彼女から距離を取り両手を振るって準備完了だと伝える。

 

それをIDWは確認してからフリスビーの重さ、大きさ等などを軽く観察してから先ず手始めにと軽くヒョイッと投げてみればG41はそれなりの速度でフリスビーに追いすがり飛んでキャッチをしてからIDWに駆け寄ってきて

 

「取れました!!」

 

「おおお、良くやったにゃ。よしよし、じゃあもう一度やってやるにゃ」

 

「良いんですか?やったー!!」

 

まるで犬を褒めるような言葉と頭を撫でてあげれば耳がこれ以上無いくらいに喜びを動きで表し、もし尻尾があればブンブンと千切れんばかりに振るっていただろう、そんな彼女にIDWは面白いやつにゃこいつと思いつつそう告げれば心から嬉しそうにフリスビーをまた手渡して先ほどと同じ様に距離を離した。

 

なのでIDWは先程とは違う力加減でフリスビーを投げてみる、さっきのG41の動きから逆算してギリギリと言った感じの距離と速度で投げられたそれをG41は獲物を追い詰めんとする獰猛な肉食獣のような瞳で駆け出して勢いそのままに飛び込み空中でキャッチ、そのまま受け身を取り、その勢いを殺さずにフリスビーを持ったまま……

 

「おいおいおいおい、止めれ、止まるにゃ!!??ちぃ!」

 

これは間違いなく勢いそのままに自分に飛び込んでくると確信したIDWが静止の声を上げるもテンションが上りきってしまっている彼女の耳には届かないようで、寧ろ呼ばれているんだこれはと勘違いまで引き起こした結果更に加速されるのを見たIDW、このままじゃあ『自分』は良いとしても『この娘』が怪我をすると判断を下すと同時に目の色が急激に金色に染まり始め、彼女の視界から色が失われる。

 

この時点で彼女の視界は極限までスローになっている、通常速度で動けるのは自分だけの空間、IDWはその状態のまま輝かしい笑顔で突撃してくるヤンチャ娘に近付きヒョイッと抱き上げてからヨイショと体制を整えさせた状態で地面に下ろす、そうするとあら不思議、世界が色を戻し始めたと思えば

 

「……あれ?」

 

「全く、あのまま来られてたらどっちも怪我してたにゃ」

 

自分は確かにIDWに向かって駆け出していたはず、だと言うのに自分は今気をつけの形でIDWの眼の前に立っていると言う状況に目をパチクリさせるG41、だが直ぐにIDWがなにかして自分が怪我しないようにしてくれたんだと理解して、予備動作無しでIDWに抱き着く。

 

無論、流石にそこまでは予測できなかったIDWはたたらを踏みつつも耐えようとするが出来ずについ数分前と同じ様にG41に押し倒され、しかも今度は頭をグリグリと押し付けられるので一体どうしたにゃと聞けば

 

「感謝の印です!!」

 

「ああ、まぁそれは嬉しいけどにゃ、全く人の気もしれずに気楽なやつにゃ」

 

「む、気楽じゃないです、さっきだってIDWが何だか少しだけ悲しそうな顔してたので遊んで貰ったのです!」

 

頬を膨らませて抗議の声を上げたG41、その言葉にIDWは目を丸くする、確かに雑誌を読み羨ましいとは思った、だがどうやら彼女の目には悲しそうな顔に映るほどには自分はあの日の未練を引きずっていたらしい。

 

そしてG41はそんな自分を見て気を使ったのかと、そこまで考えていや待てとなる、そもそもこいつ最初に遊んでやると言った時、本当ですか?と言ってきた、つまり

 

「……いや、まぁ、気を使わせたようですまぬにゃ」

 

「大丈夫です、私は遊べて楽しかったですから!!」

 

どんな理由でもG41のその無邪気さに自分は少しでも気晴らしが出来たのでそれに免じて触れないでおく、彼女もそういう気配りは出来る戦術人形である。




G41ちゃんを一日中、遊んだり可愛がりたい……

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