それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

297 / 794
彼女は決して狂信者と言うだけでは無い、それだけは真実をハッキリと伝えたかった


G3さんの穏やかな一日

Gr G3の部屋は基本的に普通の部屋の間取りであり、何か特徴的なものを飾っているというわけでもない。彼女は少々指揮官に信仰が深いというだけでそれ以外はかなり普通なお姉さんという人なのだ、今日はそんな彼女の一日を覗いていこう。

 

そんな彼女の朝は非常に早い、早朝の時間帯に彼女はベッドから起き上がり身なりを簡単に整えてから方角を決めてそっと片膝を突いて両手を組んでから目を閉じて祈りを捧げる、自身が崇拝する指揮官()へと、数分とたっぷり行いゆっくりと目を開ける。

 

今日も一日穏やかでありますように、無論この穏やかであるようには大部分は指揮官のことだというのは言うまでもないと思われる。そうして朝のお祈りが済めばG3は着替えて部屋を後にし朝食のために食堂へと向かう。

 

「あ、おはようG3!!」

 

「おはようございます、指揮官、本日もお元気そうですね」

 

そりゃあそれが取り柄だからねと答えてからPPKを待たせているらしく朝食を乗せたトレイ(少なくとも三人前)を持ったまま席へと向かったのを確認してからG3も自身の朝食を取りに向かう。

 

と言っても彼女はそこまで食べる人形ではないので本当に一般的な量の朝食を食べながら今日の予定を頭の中で組み立てていく、本日は平日であり仕事があるのでその前に行うことをトントンと決めてから

 

(まぁ、今日も何時もと変わらないですね)

 

では済ませていきますかと思いながら朝食を味わっていく、因みに今日の料理当番は毎度お馴染みネゲブである、サポートにM590が付いてこの基地の人数に対応しているがまぁ余談である。

 

朝食を味わい終えたG3は食器等を片付けて、二人に一言告げてから食堂を出て行き迷いのない足取りで向かったのはあの結婚式が行われた教会、気付けばここは彼女のテリトリーと言う扱いになっており管理等も彼女が担当になっているのだがG3から特に異論が出たりとかはしていない

 

(この教会の管理を任されたというのは身に余る名誉です、この場は必ず私が管理を徹底し環境保全に務めなければ)

 

と言うよりG3が指揮官の挙式が行われたこの教会の管理を不満に思うことなど彼女に限ってありえるわけもなく、寧ろ燃えていた、それはもうこれ以上にないほどに。

 

なのでこの教会はこの基地の何処よりも神聖は雰囲気を醸し出し、徹底した保全によって教会には傷一つ付いていないは当たり前であり、その外装に汚れらしい汚れすら見当たらないと言えばG3がどれほど力を入れているかは分かるだろう。

 

そんな神聖なる教会なのだが一つだけ周りが気を付けなければならないことがある、教会に汚さない?それは当たり前でありいわゆる暗黙の了解に近いので違う、では何か、答えは

 

「……この立て看板絶対に必要なのでしょうか」

 

ですが立てないと怒られますしと彼女が立てた看板には現在お祈り中という文字、そうG3が『教会』で『祈りを捧げいる』時は決して中を覗いてはいけないというのが答えだ。もし覗いたとすれば何時ぞやのPP-90の様に引き込まれる、それも彼女だけではなくRO635、M1014等も被害にあったこともあり遂にお祈り中に限り近付くなという意味も込めて看板が出されるようになった。

 

これにはG3は少し不満に思いながらも副官命令というのもあって渋々従っている、本心としては別に引き込まれてくれても構わないと思っている、が同時にそれが広がってしまうと指揮官()が困ってしまうと考えれば確かにこの看板は必要かもしれないと納得する。

 

(ああ、やはりこの教会で行う祈りが一番、指揮官()を感じ、そして祈りが届いているように感じます)

 

実際届いてたりする、この時、指揮官がふと教会の方向を振り向いたのをPPKが見て後でG3に聞いた所それはもう心から嬉しそうな声でお祈りをしてましたと告げられ、その時PPKはいよいよこの方は行くべき領域に言ってしまったかもしれませんわねと戦慄する、ともかくこうして教会での祈りを終えた彼女のこの後は日によって変わり本日は街の警邏の任務へと赴いた。

 

街での彼女の評判は非常に良く困ってる人を見つければ率先して助け、人柄もよく、愛想も非常に良いと文句なしの評価を受けている、が同時に幾つかの噂が彼女にはついて回っていたりする。

 

曰くカルト宗教の教祖がこの街で演説を行っている時にG3が横切り暫しその演説に睨みを効かせていたと思えば教祖が人が変わったかのように良心的になり、同時に崇める対象が女神に変わった。

 

曰くこの街で巣食い、少々手に負えなくなり始めていたチンピラグループに単身で向かい、それらを無力化したのだがその日から彼らが何かを信仰し始めた。

 

曰く彼女が祈りを捧げている時はどういう訳か犯罪者が自首し始める。等など真偽の程は不明だが様々な物が飛び交っている、因みに

 

「お、G3様、こんちにはッス!」

 

「……ああ、あなた達でしたか。今日も性が出ますね」

 

「そりゃあ勿論、指揮官()がこの街に来られた時に汚れてちゃ失礼ですからね!」

 

「良い心がけです、その調子で『裏』もお願いしますね」

 

上2つに限れば噂は事実である、カルトの方は今や指揮官()を秘密裏に崇める慈善団体であり、このチンピラグループもその傘下に加わり日や街の清掃や浄化に勤しんでいる。

 

彼らがこうなってしまったのは両者とも偶々G3が祈りを捧げている時を見てしまったから、チンピラグループは特に打ちのめされた後と比較的若く感受性が強かったことも災いして深い所まで刻まれてしまったらしい。

 

勿論だがこの慈善団体は指揮官は勿論、副官達にも存在は伏せている、と言うより彼女からすれば勝手にできた存在なので正直に言えば認知していないというのが正しいのだが。

 

「では私は他を回り……もう時間でしたか」

 

「あの、俺達もご一緒しても?」

 

「勝手に」

 

そろそろ他のところに向かおうかという所でG3が腕時計を見れば祈りを捧げる時間、なので何時も通りに片膝を突いて両手を組む、チンピラグループも許可を貰えば同じ様に祈りを捧げ始めて裏路地のこの一角では奇妙な光景が出来上がってしまった。

 

その日は特に何もなかった、まぁG3がこうして出てくる時は決まって何もない、彼女としては面倒事もなくそしてその事を指揮官()に告げれば嬉しそうな反応を見れるので寧ろ喜ばしいことであり、報告を終えた彼女は後は夕食や入浴などを済ませ、最後に

 

(本日も穏やかな一日であったことを報告し、感謝を……)

 

祈りを捧げ、床に就くのであった。これがG3の一日、平穏を好み、指揮官を少々深く信仰しているだけの戦術人形のお話。




……こいつ基地から出しちゃ駄目なんじゃねぇかな(手遅れ)まま、実害は出てないし街の住人も気付いてないから無害だよ、無害!

じゃあ俺、教会で祈り捧げてくるから(虚ろな瞳

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。