それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:鮪薙

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ユノっちの運命は私が変える!!


希望の計画

「皆集まったね」

 

いつもの調子でも、だがあの荒れに荒れていた頃の声でもない真剣な表情のアーキテクトの声が響くラボ、そこに集められたのは副官、PPSh-41、そして普段は映像通信だが今回は事が事なのでと態々出向いてきたというペルシカ。

 

彼女達をアーキテクトが集めた理由は唯一つ、彼女の背後にあるモニターにも映し出されているのは指揮官に投与されたナノマシンの詳細。

 

「ユノっちに投与されたナノマシンについて、答えが出たよ」

 

「それは、本当かい?」

 

ペルシカの疑問はご尤もだろう、あの通話からまだ数日、しかも少し前までは酷く苦戦していたというのにそれが今日、急に判明したと言われたのだ。

 

それに答える代わりに出されたのがとある資料、ご丁寧に紙媒体で纏められたそれには試作型医療用ナノマシン『エアハルテン』と書かれている、そうこれが彼女に投与されたナノマシンの正体。アーキテクトとペルシカは調整及び適合のためのナノマシンだと思っていたそれだがいざ蓋を開けてみれば医療用、そもそもの前提が違っていたのだ。

 

「これ、聞いたことあります。確か鉄血が正規軍と提携のために製造を試みていたナノマシンだったと」

 

「妙に詳細な資料だけど、これは何処から?」

 

読み進めながらペルシカが問いかける、少なくとも自分のデータベースにも、そしてアーキテクトの資料にもそれらしいことが書かれてもいなかったし、隠されていたという感じでもない、だからこそ信用のためにも出処を聞いてみれば

 

「ペルシカなら知ってるよね、D08のドリーマーの事、この資料はアイツが持ってたのだよ……代わりにこっちが持ってた資料を提示したけどね」

 

「……あまり広めるのは良くないって言ったよね?」

 

「でもこうでもしなきゃ前に進めなかった、リスクを恐れて失敗するくらいなら私は手を伸ばす方を選ぶ」

 

ピリッと両者間の空気が張り詰める、ペルシカもアーキテクトの言い分は理解は出来る、だがそれで広まってしまえば最悪だという考えがあった、特にこの基地の指揮官は今は大人しいがそれでも狙われやすいのは変わりないというのに更にその確率が上がってしまう危険性がある。

 

アーキテクトもアーキテクトでペルシカの心情は理解できないわけではない、だがことドリーマーの事に関してならばある種の信頼感があった、アイツはこれを下手に広めたりしないと。

 

「ふぅ、分かった、とりあえずは君の判断に委ねるよ」

 

「ありがと、さてじゃあこのナノマシンがユノっちにどう影響を与えているかの説明を始めよう」

 

曰く、指揮官は適合実験の時にハイエンドモデルの素体として弄られた結果、眼の適合に関してはその極低確率を乗り越え適合に成功はした、がギリギリ成功という形であり正常な生命活動はほぼ不可能に近い状態だったらしい、そのまま手を施さなければ数時間としない内に死ぬくらいには衰弱していた。

 

科学者達は次の素体が成功するとは限らないと判断、この成功素体からデータを取るべく使われたのが当時、試作型医療用ナノマシンとして開発を進められていた『エアハルテン』ハッキリ言えばまだその段階では正常にナノマシンが作用するかも不明だったのだが彼らはこれに賭けた。

 

「だとすると奴らは適合実験だけじゃ飽き足らずナノマシンの実験体にも指揮官を使ったというのか?」

 

「まぁ、そう捉えられるよね。確かにこのまま適合したユノっちを死なすよりかは生きるかもしれない手段を取るついでにこのナノマシンのデータも取れるなら万々歳って感じで、でもその御蔭でユノっちは生き存えた」

 

だがそこで終わればまぁ良かったじゃないかで済むのだがこのナノマシン、実はあくまで投与された者の生命維持が普通に行われるように暫くの間『維持する』だけである、つまり指揮官は今日までナノマシンによって生かされている状態であるということ、そしてナノマシンだって常に体内に残るわけではない、役目を終えれば消滅してしまう、特に医療用となればそれが当たり前だ。

 

それを聞いた三人の目が鋭くなる、つまりここは推測の通り指揮官にはタイムリミットが掛けられていたのだ、そしてその時間は……

 

「あと、15年。ユノっちの体内のナノマシンは確かに強力だけどそれが限界、しかも厄介なのが強力故にナノマシンの残量が少なくなっても身体がダルくなったりとかの症状が現れないと推測されるんだ」

 

「ある日突然、それこそ電池切れを起こした人形みたいに動かなくなるってことよね」

 

「いえ、恐らくですがナノマシンが完全に無くなってすぐではないと思います、無くなり身体の状態が適合時のそれとなり、そして数時間、その流れがあるとは思われます」

 

とは言ったPPSh-41だが結局はその状況になった時点で手遅れなのは変わらないので意味の無い流れの説明でしたねと謝罪する。

 

しかし、とペルシカは思う、今回のドリーマーからの資料でナノマシンの種類及び正体が分かったのは大きいが試作型というのが引っかかる、一応製造法のようなものも書かれてはいるが同じものを作り投与し直したとしても時間が伸びるだけであると、根本的な解決を考えるならこの時間稼ぎでは駄目だろうと。

 

「して、アーキテクトはこれからどうするつもりじゃ」

 

「そうだね、私もそれは気になる、まさか同じものを作っての時間の先延ばしでどうこうするつもりはないんだろ?」

 

「勿論、今回集まってもらったのはこれを聞いてもらいたかったんだ……私はね、このエアハルテンでなんとか時間を稼いでる間にユノっちの身体をナノマシンに頼らなくても生きられるように身体を作り直すナノマシンを作りたいと思ってる」

 

そう言ってアーキテクトの背後の大モニターに映し出されたのは【リバイブナノマシンプロジェクト】と書かれたタイトルのそれ。

 

曰く、今のユノっちの体は【エアハルテン】によって適合時の衰弱状態から普通の状態にまで引き上げられている、だけど結局は肉体等はナノマシンが補助しているだけなので実は何も変わっていない、PPSh-41が気付けなかったのは単純にナノマシンがそう見せていたからである。

 

だから今度のナノマシンはその衰弱状態から手付かずである彼女の肉体全てを蘇らせるが如く再生させる物を投与しこの制限時間を取っ払ってあげたいという計画である。無論、これが簡単なものではないというのはアーキテクトとて理解しているし、どれほど時間が掛かるかは分からない、だがそうだとしても

 

「私はユノっちに普通に生きてもらいたい、この先もずっと笑ってもらいたい、友達、だからさ。だから、協力して欲しい!私一人じゃ間に合わない、だけど皆と協力すれば絶対に完成すると思うから、お願い!!」

 

「何言ってるのよ、私が協力しないなんて言ったかしら?それに、私もあの娘にお母さんなんて呼ばれたこともあるんだし、助けてあげたいのは変わりないわ」

 

「私もです、まぁ流石にナノマシンは齧った程度の知識しかありませんが協力できることならば何でも」

 

「わしなぞ協力できることあるのか?じゃが指揮官を、ユノを救うためならば出来ることは何でもしよう」

 

その場全員からの言葉を聞きアーキテクトは泣きながら感謝の言葉を何度も繰り返す、この日から彼女達は静かな、だが困難な戦いが始まった。

 

しかし、問題はないだろう、だってその場に居るのは16Labの天災とこの基地の技術力担当でありハイエンドモデルの中でも

 

「天才のアーキテクトちゃんにお任せ!☆」

 

自称だがこう名乗る彼女が手を組むのだから、最近は何処ぞの基地の夢想家に負け始めてる感じはしないでもないが




前書きでエグゼイドが居たり本編でリバイブとか書いたけどハイパームテキになるわけでも剛烈や疾風になったりする訳じゃ)無いです

Q つまり?
A 15年以内に本編でアーキテクトが言ったナノマシンを作るよ、でも一応もう15年位なら【エアハルテン】を再投与で延ばせるよ。

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