それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

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折角だからね!!


名前は大事

その日、朝からアーキテクトからの呼び出しがありラボに来てみれば、とりあえずいきなりだけど眠ってもらうよと問答無用で眠らされ、目覚めてからアーキテクトから実はと説明を受けた。

 

「まさか、適合に使われてたナノマシンに何も処置しなかった場合、適合者の生命活動を停止させる物も混ざってたのは割と本気で焦ったよ……」

 

「急に呼ばれてとりあえずで寝かされた時は驚いたけど、私の身体そんな状況だったんだ……」

 

「うん、でも大丈夫、これで暫くは安心だよ。それに今は新しいのも開発中でそれが出来たらユノっちの問題は全部解決したも同然だから!」

 

彼女にはそのナノマシンが他にも悪さをしていて、だからそれを完全に除去するのを開発中だと説明、無論本当はそうではないのだが態々指揮官に自身がクローンだと伝え心身に負荷をかけるのは良くないと三人で決め、嘘でもないが本当でもないことで話を通すということになった。

 

だが、そこアーキテクト、その新たに開発し投与するナノマシンについて反応が見たいからともう一つ効果が発揮されるんだと前置きし

 

「なんと、このナノマシンはもしかしたらユノっちの身体を年相応まで成長っていうか、こう、元に戻すと言うか、ともかくそんな感じなことが起きるかもしれないんだ」

 

「え、じゃあもしかしたら身長も?」

 

「そうそう、まぁどのくらい変わるかとかはわからないし、何もすぐに伸びたりはしないけど将来的には希望はかなりあるね」

 

因みにアーキテクトはもしかしたらとかで言葉を濁しているがPPSh-41曰く、成長するだろうと言うお墨付きが出ている。曰く彼女の成長が著しく止まっているのは無論養子時代の事もあるが投与されているナノマシン【エアハルテン】が自身の維持のためにその栄養素を持っていってるのではないかという仮定が生まれたからだ。

 

なので【リバイブ】によってそのナノマシンが抱えた栄養素も彼女自身へと変換されるのであればその可能性は十分との事らしい。ただそれでもどの程度成長するかなどは不明らしい。

 

「そうか~、大きくなるのか~、えへへへ~」

 

「楽しみにしててね~……さぁて、ガシガシ作り……んあ?ん、んん~、何だこれ、アイツ何混ぜたんだ?」

 

困惑の声を上げるアーキテクトに不思議に思いながらも指揮官は彼女のラボを後にする、聞きたいのだがこれから彼女は彼女でやることがあるのだ。

 

という訳で指揮官が向かったのは中庭、行けば既にPPK達も揃っていて少々遅れて着いてしまったらしい、ただ向こうは彼女がアーキテクトに呼ばれたことは知っているので特に気にしない様子で

 

「大丈夫なのですかユノ?」

 

「アーキテクトが真剣な声でお母さんを呼んでた、何かあったの?」

 

「ああ、いや、なんかちょっと私の体内に悪さしてるのがあったみたいで、でもそれをアーちゃんが何とかしてくれたんだ」

 

「それ大丈夫なの!?」

 

「ヘーキだよシャフト、それよりP7『達』は?」

 

そう聞くのが早いか、それともその前か、中庭から繋がっている廊下の先からガヤガヤ、いや、これはもう走ってきている音が響き、同時に

 

「だぁぁぁぁ、待て!!ステイ!!!止まれって言ってるじゃん!!!」

 

間違いなくP7の声、そして彼女がそうやって声を荒げ静止を促す相手となればほぼ彼女等しか存在しない、自身のダミーでありながら各々が独自のマインドマップを持ち、だが共通して指揮官とPPKが大好き過ぎて基本的にノーブレーキな四つ子達のエントリーである。

 

「「「「ママぁぁぁぁぁぁ!!!!」」」」

 

「うわっとと、ヨシヨシ、怪我が治るまで遊んであげられなくてごめんね」

 

「はぁ、ハァ、あ、アンタ達、起動早々に本気で走り出すんじゃ、ぜぇ、無いわよ」

 

本体たるP7の言葉もどこ吹く風、ダミー達はかれこれ一ヶ月ぶりの指揮官を堪能すべく、撫でてや抱っこやら彼女に要求していく、それを微笑ましそうに見るPPK、その隣では自分もしてもらいたなぁと考えるステアーとシャフトの二人も居るが残念ながら本体のP7の言葉同様にその視線に彼女達が気付くことはない。

 

暫くはそんな感じに指揮官とワチャワチャしていた彼女達は満足したのか離れた所で、常々考えていたことを彼女達に話すことに、それは折角ダミーとは言えこの基地では唯一人格を深く持っている彼女達に指揮官があげたいと思っていたことだった。

 

「ねぇ、貴方達に名前を付けてあげたいって思うんだけど、どうかな?」

 

「へ、え、良いの?」

 

「名前、名前!!」

 

「欲しい、です!!」

 

「ママから名前!!」

 

満場一致で賛成という反応を示すダミー達にそうかそうかと指揮官は嬉しそうに頷いてからPPKに事前に用意してもらっていたプレゼントを出してもらう。

 

それは色とりどりなリボン、それが五本、先ずは赤を本体のP7の髪に付けてあげれば嬉しそうに、だがダミー達の前だからかそこまではしゃいだ喜び方はせずに若干照れながらお礼を言って何度もリボンを弄る。

 

次にダミーAと呼ばれている、彼女達の中では長女かな?と言うくらいにしっかり者でありながら何かと本体と張り合う彼女にはオレンジ色のリボンを付けてから

 

「貴女は、【アニス】」

 

「アニス、それが私の、名前、ありがとうママ!」

 

次にダミーB、彼女は参謀のような存在であり落ち着いている、だがやっぱり二人が大好きなのは変わらないので静かに抱っこなどを要求してくる可愛い彼女には青のリボン

 

「貴女は【ビビ】」

 

「うん、覚える。ありがとう」

 

次にダミーC、元気ハツラツ少女であり遊ぶのが大好きでこのメンバーの中では珍しくおばあちゃんっ子も混じっている存在、そんな彼女には黄色のリボンを

 

「貴女は【クレア】」

 

「クレア、クレア!うん、ありがとう!!」

 

最後にダミーD、誰よりも甘えん坊で少し泣き虫の寂しがり屋、だけど任務となれば誰よりも本体と同じくらいに動きを発揮する彼女には紫のリボンを

 

「貴女は【ディアナ】」

 

「ディアナ……ディアナ、大事に、大事にするねママ!!」

 

「ふみゃ!?」

 

「あ~、ディアナずるい!!クレアも!!」

 

「ま、まっtふみゅ!!」

 

「アニスも!!」

 

「ビビ、も」

 

「だぁぁぁ待てっての!!お母さん潰れるから、流石に全員は無理、聞けえええええ!!」

 

その日、指揮官は一日中彼女達の相手をしたのだがほぼほぼ抱きつかれて動けなくなったりが大半であった。因みに後半は本体のP7もステアーもシャフトも混ざったのでPPKにも協力してもらいなんとも仲のいい家族の構図を生み出して、AR-15とFiveーseveNが死んだのは余談だろう




名前付けてみたけど作者が鶏頭なので稀によく忘れるかもしれない(クソ)

因みにナノマシンの製作期間ですが多分一年要らねぇなこのドリームチームというのが本音です、皆も早く大きくなった(意味深)ユノっち見たいやろ?

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