それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:鮪薙

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アーキテクト、遂に外へ


行くぜ、街!!

S09地区の中でも一番栄え賑やかな街、よく指揮官達が遊びに行く雑貨屋や、警邏の任務の時に出向くのもこの街である。

 

そんな街のグリフィンが管理している専用の駐車場、そこに一台のジープが止まり先ず運転席から出てきたのはOTs-12ことティス、それから彼女は後部座席の扉を開き出てきたのは外では相も変わらずに肌の露出を抑えながらも暑さに合わせて薄着になってる指揮官、ならば相方はいつものPPKか副官かと思えば出てきたのは全く違う人物だった。

 

ヘソが見える程の丈の白のタンクトップ、その上からアロハシャツを着て、ズボンは飾りベルトにジーンズのホットパンツを履き、白のスニーカーと脚線美とおヘソが眩しい姿の見慣れない女性が現れる。その女性はジープから降りるやいなや掛けたサングラスを少し下に下ろし、そのキラキラした眼で街を見渡している。

 

「おぉ!これが、ユノっち達がよく来てる街!」

 

では何者かネタバレをしよう、彼女の正体は変装を施したアーキテクトである、と言うのも事の発端は昨日のヘリアンからの通信、何かあったのかと聞けば

 

《本社から通達だ、本日付でハイエンドモデルなのだが監視付きであれば外出を許可するとのことだ》

 

「なんじゃと!?いや、まぁ勝手にさせぬし奴も立場は分かっておるから大丈夫だとは思うが、どういう風の吹き回しじゃ?」

 

《D地区の方でのハイエンドモデルでも外出許可を下ろしておいてこっちで下ろせないはどうかと思ってな、それにそこのハイエンドモデルには技術提供も受けているからな、それくらいならば許可くらいならば下ろせるさ》

 

「なら、アーちゃ、んっん。アーキテクトにも伝えておきます」

 

というやり取りがあり、それからラボの彼女に伝えればそれは大層喜んでから指揮官に向かってニコニコ笑顔で、一緒に街に出てほしいと誘われて今に至る。何故?と聞いてみれば彼女はニッコリと笑ってからそれは最後に答えるとのこと、なんでさ~と指揮官は思ったがこの時のアーキテクトは大体答えないのは分かっているので、とりあえず今は楽しもうかなと思考を切り替えてから

 

「どうかな、アーちゃん!」

 

「いや、毎回毎回、話だけの街の様子だったけど、こうして実際に目で見てみると想像以上だ、ドローンカメラで見てるだけじゃ全然違うんだね!」

 

「確かに、アーキテクトは外に出れても基地の中ですからね、こうやって本格的に外に出るのは初めてでしたか、と言ってもあまり私から離れないで下さいね、まだそこまでの自由は認められてないようですので」

 

「だいじょーぶだいじょーぶ、さぁユノっち行こうぜ!!先ずは屋台で買食いしよう!!」

 

どうやら今回の行程は彼女が今までしたかったことをするというのが目的であるらしい、輝かしい笑顔でアーキテクトは歩き出しその隣を指揮官が歩き、後ろを警戒しつつアーキテクトのテンションに若干呆れつつ着いていく。

 

街の中、大通りに出た彼女達、特にアーキテクトは一つ一つに感動し感嘆の声を上げ、時には挨拶してくれる街の人にハイテンションで返したり、中には

 

「綺麗だねぇお姉さん、どう?俺らとお茶しない?」

 

「おぉ?知ってるぞ、それナンパっていうんでしょ!?でもでもごめんねぇ、今日はそういうのはお断りなんだよ」

 

「えぇ~、そこのお二人も一緒でも良いんだぜ?」

 

「それだったら尚更駄目だねぇ、ほらほら彼女に指輪見えるだろ?つまりそういうことだ、残念だけど諦めてくれたまえ」

 

なんでコイツこんなにあしらい方を知ってるんだと思うくらいにちょくちょくナンパに来る男たちをのらりくらりと躱すアーキテクト、だがうざったいという顔ではなくてそれすらも楽しんでいる様子すらある。

 

ともかく街に初めて出れたアーキテクトにとって本当に一つ一つが新鮮であり、楽しいと感じれると要素なんだなぁと指揮官は思いつつ、彼女の隣に再度ヒョコッと向かい。

 

「楽しそうだね、アーちゃん」

 

「そりゃ勿論、こうやって人との営みの中に私みたいなのも混ざれるってことや、屋台でお金を払って料理を食べれるってこと、街特有の空気、人との会話、鉄血に居るだけじゃ体験できなかったことだらけで、ツマラナイなんて口が裂けても言えないくらいだよ!」

 

そう告げる彼女の目はキラキラとしており、本当に心から楽しんでいるんだなと言うのが見てるだけでも指揮官とティスの二人にも理解でき、それが伝達し二人も自然と笑ってから、三人の街散策は更に続けていれば、ふと突然アーキテクトが何かを思い出したかのような声を上げる。

 

「どうしたの?」

 

「そうだそうだ、すっかり忘れかけてたよ。ユノっちがお世話になってるっていう雑貨屋の店主さんに一度でいいから会ってみたいなぁって」

 

「店主さん?うん、じゃあ案内するよ、ティスちゃんもそれでいい?」

 

「え、まぁ私は付いていくだけですので」

 

じゃあ決まりだと三人はいつもの雑貨屋へ、特に道中何かがあるというわけでもなく、雑貨屋に付き店主の老婆にアーキテクトの事を紹介すれば、驚いたことに老婆は彼女を一つ見てから

 

「お前さん、もしかして人形じゃないかい?」

 

「おぉ?ば、バレたよユノっち……肌の色とかも完璧に隠してるはずなのに」

 

「ど、どうしてわかったの?」

 

「呵々、秘密だよ。まぁ人形でもなんでも私は歓迎するから安心しな、隣の娘も、私は漏らすつもりは全く無いよ」

 

老婆の鋭い目がサイドアームに手を伸ばしかけていたティスを捉え、ティスは驚いたような顔をしてからゆっくりと手を離す、今までの経験と彼女との交友から秘密を漏らすような存在では無いと判断出来ているからでもある。

 

こうして雑貨屋でも買い物を楽しんだ彼女達は、お店を出てからまた屋台で今度は串焼きを買ってそれを食べながら

 

「じゃあ、そろそろ帰ろうか」

 

「うえ、もうそんな時間?うぅ、時間の流れが早すぎるよ~」

 

「ですが、基地に帰る時間を考えればそろそろ撤収しないと副官達にどやされますよ」

 

ティスがそう告げればそれは嫌だなぁとアーキテクトは渋々と言った感じだが納得してから、あ、そうだと指揮官に顔を向けて

 

「最初にさ、ユノっちがなんで私が君を誘ったかって聞いたよね。私さ、漫画とかアニメで見ててさ憧れてたんだ……」

 

二カッと笑うアーキテクト、その時の彼女の顔は普段の楽しいという顔とも違う感じの笑顔で彼女はこう告げた、自分がどうして指揮官と出たのか、どうして楽しかったのか、どうして笑顔のままだったのか、それは唯一つ、コレが理由である。

 

「親友と、こうやって出掛けて馬鹿騒ぎする、そんな日をずっと楽しみにしてたんだ!」

 

今はまだ監視も必要であり、時間も短い、だけどその短い時間でもアーキテクトは親友たる彼女と外に出て遊ぶのが何よりの楽しい事だったとさ。




アーキテクトってこう、友達とかに欲しい存在よね、馬鹿騒ぎしたい。

基本的に夏の間の彼女の変装はコレで固定ですぞ!!
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