それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

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サメと猫とニワトリと犬と『ごりあてさん』が今の所のラインナップ


着ぐるみと言う名のパワードスーツ

D地区にお礼しに行くと決めた翌日、流石のスチェッキンも直ぐに商品などを用意できる訳もないがそこまでかからずに用意すると彼女は消えた。

 

スリーピース達も今回のライブの為の曲の練習などに少し時間が欲しいと言うことであり今もレッスンルームで合わせているだろう、因みに断片的に入った情報では『star!』と言う曲を今は練習しているらしい。

 

「アーキテクトですか?」

 

「うん、少しお話があって探してるんだけど何処にも居なくてさ、知らないかな?」

 

そんなバタバタとしている基地の中、指揮官はそう言えばアーキテクトにも声を掛けないとなと探していたのだが今日に限って何処にも居ない。

 

ラボも見ていったのだがそこにも居らず、何処に居るんだろうと丁度近くを通りかかった92式に聞いてみれば、思い出すように目を閉じて少し考えてから

 

「ああ、そう言えばプールの方向に行くのを見ましたよ、何やら大きな荷物を持ってましたが……何か実験でもするのかもしれませんね」

 

「プール?ありがと、行ってみるね!」

 

92式にお礼を言ってからプールへと足を運び、到着してみるが周りを見渡してもアーキテクトらしき姿は見当たらない。

 

はて?小首をかしげる、もしかして入れ違いでもうプールからは出ていってしまったのかなと思っている時に彼女の視界の隅に何かが写った。それはサメだった、比喩でも何でもなくサメだった、かなりデフォルメされているサメだった、一度はサメだねと視界から外しかけた指揮官だったが思わず二度見して改めて視界に入れてきちんと観察すると口から顔が見えており、その人物は

 

「アー、ちゃん?」

 

「ん?お、ユノっちじゃん、どったの?」

 

「え、ええっと、まぁアーちゃんを探してたんだよね」

 

探してた、そう言われればなにか話があるのだとわかるサメの着ぐるみのアーキテクトは彼女の前まで行って、ヨイショと器用に座り込む、どうやったんだろうかと疑問に思ってしまうがそれは一旦置いておき

 

「実はね、今度D08地区に行くんだ、ほら、ナノマシンのことで向こうのドリーマーさんにお礼とかしてないからさ」

 

「向こうのアイツに?別にいいんじゃないの~」

 

「そういう訳にはいかないよ、特にその、私とPPKがその……ほら、まぁその時はあっちにもかなり迷惑を掛けちゃってるし」

 

濁しに濁してはいるがあのヤッてしまった時はアーキテクト、ペルシカは勿論、ドリーマー達も徹夜徹夜続きでナノマシンを作ってくれたと聞き、この指揮官はかなり申し訳ないと思っている。

 

なので今回のお礼ではその時の謝罪も混ざっている、そう言われればアーキテクトも納得はする、確かにそういう事も大事だなと、なのだが

 

(ユノっちとドリーマーを無防備に会わせて平気かな~?アイツのことだから体内の豊乳ナノマシンを再稼動させるくらいやってのけそうだし)

 

唯でさえ、指揮官の身体はそのナノマシンによって大きくなっている、今はまだバランスがそれなりに良いと言えるが次大きくなったらどうなるかわからない、ならばと考えたアーキテクトは

 

「ユノっち、その遠征に私も行くよ、向こうのハイエンドモデル達にアロハモード、もといオシャレアーちゃんをお披露目してやりたいからね~」

 

「そう?じゃあゲーガ-にも声掛けたほうが良いかな?」

 

「いや、ゲーちゃんは良いでしょ、多分ニワトリの世話とかで忙しいだろうし」

 

それもそうかと何故か納得する指揮官、更に言えばいざという時の防衛戦力としても彼女は残しておいた方が良いという部分もある、兎も角アーキテクトもD地区に向かうことになりそこで指揮官からの用事は終わったのだが次に気になるのはアーキテクトの今の姿。

 

そもそも着ぐるみでプールに来てどうしようというのかと言う疑問を素直にぶつけてみれば

 

「ああこれ?実はコレね、着ぐるみに見えるけどサメ型のパワードスーツなんだよ」

 

「はい?」

 

「だから、パワードスーツ。これはサメの姿ということで何とこのまま泳いだり潜水したり出来るのだ!」

 

座った状態からまた器用に立ち上がり両ヒレを腰に当ててドヤ顔をするアーキテクト、話によるとこのパワードスーツは水中での行動を想定して作成されたものであり、まるでサメそのものの様に泳いだり潜水が可能という、なのだがこの世界の海は崩壊液により汚染が酷い状態であり、とてもじゃないが泳げる環境ではない。

 

「確かに今の海は酷い有様、だけど何れは崩壊液すら完全に防げるようなのに改良して、あの海を調査する事が可能になったら面白そうじゃない?」

 

「いや、どうかなぁ。でもプールで使う分には面白そうだとは思うよ。あれ、ねぇアーちゃん、もしかして他の着ぐるみだと思ってたのってさ、全部パワードスーツとか言わない?」

 

「うん、パワードスーツだよ。うさぎはジャンプ力強化と反重力ユニットを積んでぴょーんと飛んでる感じをイメージしてるし、ゲーちゃんが使うニワトリもあれ、実は羽を羽ばたかせると短時間なら浮くことが出来るようになっているのだ~」

 

指揮官、ゲーガ-がそれを着てバサバサしてる場面を思い浮かべて、軽く吹き出す。更にそれを見たアーキテクトも彼女が何を考えてか分かり同じく笑いだして暫くプールに二人の笑い声が響き渡る。

 

ここで更に機嫌が良くなったアーキテクトは自身が開発している他の着ぐるみパワードスーツを紹介を始める。

 

「あとはそうだなぁ、向こうの代理人に頼まれたもので猫の奴もあるかな、まるで猫のように動けるようにアシストが働くのと感覚が敏感になるね」

 

「向こうの代理人さんって、そういうの好きなの?」

 

「みたいだよ~、なんでも動物とか可愛いものに癒やされてるとか、いやぁ、正直驚きだよ」

 

アーキテクトはそう言うが指揮官としてみれば別世界の喫茶店しているマスターのような存在が居ると知っているのでそういう代理人も居るんだなぁと驚きは薄かったりする。

 

その流れで他にも何かあるのかと聞けば、まだまだあるし、教えてあげたいがと待ったが掛かる。

 

「先にこのサメ型パワードスーツの実験していいかな?」

 

「あ!ご、ごめん、そのためにプールに来たんだもんね、見てていい?」

 

「勿論、よしじゃあ、フェイスカバー展開!!」

 

彼女が叫ぶと同時に顔丸出しだった部分に透明な膜が現れアーキテクト視点だと更に酸素の残量、スーツの状態、水温、水質等などの情報が表示される。

 

それらが正常に動いてるのを確認してから意気揚々と彼女はプールに飛び込み稼働試験を始め、それを見ていた指揮官は曰く

 

「本当に楽しそうに泳いでたけど、途中で煙吹き出した時は少し焦ったよ」

 

原因はアシストが働きすぎて軽いオーバーヒートが起きたことらしい




サメの着ぐるみ着たアーキテクトが可愛すぎるよねって話である。

向こうのハイエンドモデル達にアロハアーキテクトをぶつけるのだがファッションセンスで普通に撃沈させられそうだな?

アーキテクト製品紹介コーナー
『シャークスーツ』
性能は本編参照、巫山戯た見た目だが高性能である。現段階だとまだまだ汚染された海を泳いだりとかは出来ないが将来的には出来るようにしたいと意気込んでいる。


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