それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

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D08地区の基地にお礼しに行くお話だよ!!


あの日のお礼をしに行こう!

D08地区、もはや切っても切れない縁となってる感じがするこの基地に来た指揮官一家とその一行、互いにまず久し振りに再会し抱いた第一印象は

 

「(お、大きい……お腹、赤ちゃんがちゃんと育ってるってことだよね)

 

やはり初めに妊娠が発覚しただけあり417とヴィオラの二人のお腹は本当にもう直ぐにでも生まれるのではないかと言うほどに大きくなっており、それを見た指揮官始め今回来た面々はおぉと感動の声を上げる。

 

他にも妊婦と思われる人形たちがその場に揃っている光景に、あれ、なんか凄い歓迎されてる?と困惑しそうになるが自分の当初の目的を思い出してPPK達とアイコンタクトを飛ばしてから、ドリーマーとその隣りにいるタカマチ指揮官の所まで歩を進めて。

 

「お久しぶりです、タカマチ指揮官……タカマチ指揮官?」

 

「あ、っと。ようこそD08地区へ。いや、すまない、あまりの成長っぷりに驚いてしまった」

 

「本当よねぇ……あ、あれ?なんで?」

 

ドリーマーがそんな素っ頓狂な声を上げる、見れば何やら端末を弄っているのだがそれが上手く作動しないらしい、何度も同じ操作をするが結果は変わらない。

 

いよいよ故障かコレとドリーマーが言い掛けた時、何とも彼女らしい高笑いと共に一つの影がユノ指揮官の前に現れる。

 

「お前がやろうとしてることは全部まるっとお見通しさ!!」

 

「……あ、アーキテクトかアンタ」

 

ビシッとドリーマーに指を突き刺し高らかに宣言したのはいつぞやの変装姿のアーキテクト。だがドリーマーは特に驚いた様子もなく、寧ろその自信満々なアロハシャツ姿のアーキテクトに若干呆れてるまである。

 

その反応にアーキテクトも怪訝な様子でドリーマーを見つめるのだが

 

「あ~、なるほどね。合うはずの周波数を弄ったのか、道理でエラーしか吐かないわけよ」

 

「ちっ、もう気づきやがったか」

 

どうやらアーキテクトがユノ指揮官を守るものを展開していたらしい、その後もドリーマーが何度か周波数を探る操作をしてるが、見つからないらしく、ハァと両手を上げてから

 

「『今回』は諦めるわ~」

 

「今回はかよ、普通に諦めろよお前……」

 

肩を落としてため息を付くアーキテクトにドリーマーは何故か勝ち誇る感じに笑みを浮かべているのを見てユノ指揮官は仲がいいなぁと思いつつ

 

「あの、ドリーマーさん!えっと、今回色々と助けてくれてありがとうございます、お蔭で私、普通に生きていけるようになりました」

 

「それに関してはあたくしからも、本当にありがとうございます」

 

夫婦がそう告げ、そして娘組も言葉にはしないが頭を下げれば、流石のドリーマーも若干照れる様子が見れる、素直な好意には少しばかり弱いらしいがすぐにそれを引っ込めて普段どおりの彼女に戻し、どうってことはないのよ~とドヤ顔で指揮官一家に返すのだがその声は少しだけ嬉しそうな感じが含まれているのがアーキテクトは気付くがニヤリと笑うだけに留める。

 

その後、お礼しに来てスチェッキンの屋台とライブをしたら帰るつもりだったのだがどうやら、向こうは向こうで歓迎会みたいなのを用意してくれているらしいと聞けば、少し迷う、自分やP7達も大丈夫なのだが問題はシャフト、彼女はまだ人混みとかになれている娘ではないのだがと見てみれば

 

「わ、私は、大丈夫です。前に進めないと」

 

「無理しないでね。じゃあ、お邪魔します!」

 

こうして、お礼と謝罪のつもりだった遠征は急遽、S09地区P基地とD08地区基地の小規模な交流に変わり、まずはと向かったのはライブ用に開放された倉庫に向かって、スリーピースとこの基地のアイドルグループ『あいあん★くろす』の合同ライブが、今回が初めての筈なのだが向こうもこっちもネット配信やライブDVDとかを見ていたからなのか、最初は少々手探り感があったが直ぐに修正、気付けば大盛り上がりなライブで無事に幕を閉じる。

 

その興奮覚めやらぬ前にと今度はスチェッキンが屋台の準備を即座に終えて、いつも見る屋台を展開してから

 

「さぁさぁ、ライブが終わって続けざまですまないけどスチェッキンさんの移動式屋台を開店だ!本日は妊娠おめでとう記念、ということで何と全商品の表示価格から驚きの7割引だぁ!!」

 

因みにこれは基地の資金からではなく、スチェッキンの個人資産からの仕入れなので基地には特にダメージはないという徹底っぷり、曰くコレは完全に私からの祝福だよとのこと、こういう時は商人としての利益は放り投げるらしい。

 

しかし、こうなると一家が暇になる。いや、正確には出された料理を黙々と食べているのだがそれ以外にやることがないと言えば無いので、モグモグと美味しなぁとか思っているとP38が何やら興奮した様子でスケアクロウに連れられて何処かに向かったのを見て、PPK達に声を掛けてから着いていけば

 

「グア」

 

「……グア?」

 

そこに居たのは5羽ほどの鳥、その子らがユノ指揮官を見て鳴くので声真似してみれば、向こうは再度クァと鳴き返してきた。その様子を見ていたスケアクロウ達は軽く和みながら彼女に近付いて

 

「カルガモが気になるのかしら?」

 

「カルガモって名前なんだ貴方たち」

 

「いえ、カルガモっていう種類ですね。個々に名前は?」

 

「付いてないわって……」

 

スケアクロウの視線の先にキラキラとした瞳をしたユノ指揮官の姿、言葉にせずとも暗に告げている、名付けていいかと、無言の気迫に彼女はP38に視線を向けるが向こうもまぁ、そのどうでしょうかと言った顔をしているので

 

「良いわよ、まぁ定着するかは分からないけどね」

 

「ありがとう!ん~、じゃあ君は……」

 

その時はきっと少女らしい名前をつけるんだろうなとスケアクロウは思っていた、だが彼女のネーミングセンスを知っているP38は心の中で申し訳ないと告げる、そして数分後、よし決まったと一番先頭に居た一羽を指差して

 

「君は『モンブラン』だ」

 

「……は?」

 

「モンブラン、なんかほら、それっぽくない?」

 

ごめんなさい、分からないわと言おうとするが無垢な笑顔でどうかなと首を傾げる彼女にスケアクロウは言葉に詰まる。

 

「因みにで聞くけど、他は?」

 

「この子が『マロングラッセ』こっちが『栗きんとん』、それでえっと『甘露煮』に『栗ごはん』!」

 

「まだお腹空いてたりするのかしら?」

 

え、なんで?そんな少女の声がその場に響いた、彼女は別にお腹が空いてるとかではない、ペットには何というか似てる感じがする料理の名前を付けたくなるのだ。

 

色々と端折りすぎている気がするがこの後も基地間交流は賑わいを見せ、大成功の内に幕を閉じたとさ。




……いや、言い訳も何もないです。書きたいことが山ほどあるのにいざ書いてみようとしたらコレが中々どうして上手く書けなくて圧縮に圧縮を重ねたらこんな出来に。申し訳ねぇ……(切腹

要はライブしたりスチェッキンの移動式屋台で色々販売したりしたってことさぁ!!

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