それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

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とりあえず、そろそろまた広げたいなぁと言うお話。


パイプの広がり方

このS09地区P基地という基地は基本的に繋がりを大切にする、無論、繋がりを作ることで指揮官自身の対人経験を積ませるというのもあれば、いざという時の彼女の避難先として副官達は考えてあれこれとパイプを広げている。

 

そして、一度持った繋がりは大切にする、時にはスチェッキンの移動式屋台や、基地間交流などで親睦を深めたりなんてのは良くしているのは有名だ。なのだが常に情報を仕入れていると言うわけではないのでどうしたって伝達に遅れが出るというものであり、今回の話も指揮官からしてみれば

 

「え、それ本当?」

 

「はい、偶々仕入れた情報によるとR06地区の指揮官が任務中に負傷、現在、グリフィンの本社がある病院にて入院しているとのことです」

 

「ふむ、アヤツはそれなりの手練れのハズ、よもや鉄血の奇襲でも受けたのか?」

 

浮かぶとすればそれくらいであるので、副官がそう聞いてみればG17はそれがですねと何やら含みがある前置きをしてから

 

「なんでも、負傷させた相手が話によるとE.L.I.D、みたいなのです」

 

「E.L.I.Dじゃと!?それは確かなのか?」

 

「ほぼ間違いないかと、それで検査のためにそれなりの期間入院とのことです」

 

E.L.I.D、低濃度のコーラップスと呼ばれるモノに感染した存在、この世界においての正規軍が相手取っているのがソイツらであり、段階ごとに分かれているのだがその最初の段階でも戦術人形では刃が立たなかったりする存在。

 

更に問題なのはこのE.L.I.Dよって負傷させられた場合、その対象も感染する可能性がある、副官はそこを心配している、もしそうだとすればと深刻な顔になりそうになるが

 

「それで、シーラさんは大丈夫なの?」

 

「現時点で感染などの情報は流れてきてませんね」

 

それを聞き、ほっと息を吐く二人、見ず知らずならまだしも見知った、しかも繋がりが出来ている所の指揮官であり、ユノ指揮官も気に入っている女性がもしそうなってしまったらと考えたら本気で心臓が痛くなるものである。

 

だが、それでも入院しているということには変わらないのでと指揮官は少し考えた後

 

「ねぇ、おばあちゃん」

 

「執務中じゃっと言いたいがお主の考えていることは何となしに分かる、見舞いじゃろ?」

 

「うん、それにほら色々と変わったからそれを報告したいし、今日にでも行きたいけど大丈夫かな?」

 

今日、それを聞いてうーむと電脳内で予定を確認していく、確か今日はコレっと言った用事も重要な案件の書類も来ないはずだったなと確認してから

 

「構わぬぞ、そうじゃな、PPKに同行を、それと送り迎えはグリズリーに頼んでおこう」

 

「分かった、じゃあ準備してすぐに行ってくるね」

 

「では、自分は失礼しますね」

 

それだけを告げてから指揮官は席を立ちお見舞いに行く準備と自室に向かい、G17も再度情報の収集のために執務室を後にした、それを確認してから副官は手元の通信で今の二人に用件を話し向こうにも準備を進めてもらう。

 

通信を済ませた副官は残りの書類を片付けようと手を伸ばした時、扉がノックされ返事を返せば入ってきたのはスチェッキン、何かあったのかと聞けば

 

「うーん、それなりに重要かな」

 

「それなりに?まぁ、よい、言ってみよ」

 

「商売先を増やしたい、今二箇所に目をつけててね、それともしかしたらライブ先も増えるかもしれないって話」

 

ふむ?と続きを促せば、スチェッキンは事前に用意しておいた書類を取り出して副官に手渡す、受け取った副官はそれに目を通せば書かれていたのは二箇所の地区と最近繋がりが出来た他PMC【武器庫】への交流と題された内容。

 

先ず地区、一箇所は【T01地区】出来たのはおよそ一年前でそこの指揮官はかなりのやり手、腕輪付きと呼ばれる小隊が居り練度もかなりのものらしい。それともう一箇所は【S12地区】Sと言うことで比較的近所、スチェッキン曰くそこの指揮官が割と面白い人らしいとのこと。

 

最後に武器庫、そこには何を思ったのかスリーピースを一度向かわせてライブを行いたいとのこと、どうしてじゃと聞けば

 

「いやぁ、向こうは娯楽が少ないらしくてね、もしかしたらスリーピースの固定ファンが増やせるかもなぁって思って」

 

「お主最近あれじゃろ、割りかし商売をメインに楽しんでおらぬか?」

 

「嫌だなぁ、私は今も昔もこの基地と指揮官のためだよ、どこも戦力としては申し分ないし、いざという時に助けになってくれる所、それに指揮官の対人経験という点においてもこういった繋がりはもう少し増やしておくべきだと思うよ?」

 

スチェッキンの真面目な顔からの言葉に副官は思案するように顎に手を当てる、確かに彼女の言い分は確かである、それに向こうが自信満々にそう告げるということは口の堅さも恐らくはあるのだろう。

 

暫しの沈黙、今までの副官と比べるとコレはかなり悩んでるねぇとスチェッキンも真面目な表情を崩さずに見守る、それから更に数分と経ってから副官が顔を上げて

 

「……分かった、話を通しておこう、売るものは?」

 

「とりあえず定番かな、いきなりダイナゲートとかは色々危ない橋だろうしね。雑貨や武器のアタッチメント、野菜とかの天然物とかだよ。ああ、勿論スリーピースグッズも売るよ?」

 

「別にそこは気にしておらぬが、考えているならば良い、では日程とかはそっちとお主が合わせてくれて構わない、指揮官にはわしから伝えておこう」

 

はいはーい、とスチェッキンは礼を一つしてから執務室を出ていく。彼女はこれから商品の選別、日程の調整などでまた忙しく動くことになるだろう。

 

副官も副官で通信をまた開いて今度はFMG-9とヴァニラ、それとG17にその2つの地区の基地についての情報を集めさせる、心配はないがとりあえずとしての行動、何かあってからでは遅いと身に沁みているからの事前に打てる手である。

 

それを終えて、漸く一息吐く、が無論まだ仕事はある、と言うよりスチェッキンの来訪で本来進めようとしていた書類がまだ残ってしまっているのだ。

 

「……はぁ、まぁ指揮官の分はアヤツがさっさと終わらせておるからよいがな、さっさとやってしまうか」

 

ボヤくような呟きが執務室に響いてから、その後は副官のペンを走らせる音と判子を押す音、それと紙を捲る音だけが部屋を支配していた。




まるで今後のコラボ回だと思うだろ?とりあえずぶん投げただけでなにかあるわけじゃないんだぜコレ?(無計画)

まぁ早い話、ネタが浮かびきらなかったのよ、ええ……

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