それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:鮪薙

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最近の一家で食べる時の夕飯はPPKが作ったり指揮官が作ったり


悩める指揮官

うーん、と少女の悩む声が聞こえるのは資料室、もとい図書室の一角。そこはレシピなどを纏められた場所であり少女、ユノ指揮官が読んでいるのも当然ながらレシピ本である。

 

だがそれ以外にも野菜に付いてのあれこれが書かれている本も近くに広げられており、それらを読み比べながらまた悩むという行動を繰り返していた。

 

「うーん……」

 

「あの、指揮官?」

 

「ん?あ、M4、どうしたの?」

 

「私はただ童話を借りにきただけなのですが指揮官が悩んでいたのでどうしたのかと思って」

 

そう言われるとあ~と呼んでたレシピ本にしおりを挟んでからパタンと閉じて、彼女は此処で悩んでいる理由を語り始める。

 

曰く、彼女が悩んでいるのはP7とステアーについて、それがどう料理と繋がるのかと言えば、毎日のように夕食を共にしているのだがその際に出てくる食材にあった。

 

「二人ね、トマトとピーマンが苦手みたいなの」

 

(お母さんみたい……)

 

M4、間髪入れずにそんな感想を抱く、次いでに今のユノ指揮官の表情は本当に母親のような表情になっている気がするのもそんな感想を抱く要因になっているのだろう。

 

「勿論、残したりとかはしないんだけどすごく辛そうに食べるからさ、どうにか美味しく食べてくれないかなぁって思って此処で色々読んでるんだよね」

 

(お母さん……!!)

 

M4、思わず涙ぐみそうになるのを堪え彼女の力になろうと考えるがふと思う、自分そこまで料理得意じゃないなと、つまるところこの悩みに対してなにかいい案が出せる立場ではないなと、そこでふと思った。

 

「シャフトちゃんは好き嫌いとかは?」

 

「ううん、あの娘だけはない、私みたいに何でも食べて、美味しいって笑ってくれるんだ」

 

シャフト的には当初は料理が出てくるだけで泣きそうなので残すとか好き嫌いとかトンデモナイという考えなのだが今では皆と楽しく食べることが幸せになりつつあるらしい。

 

それを聞き、良かったと微笑むM4だが、彼女の悩みには力になれない、しかし何もしないというのもあれなので誰かに聞いてみたのかとユノ指揮官に問いてみれば

 

「あ、そうか聞けば良いのか、ありがとうM4!」

 

「いえ、力になれたなら嬉しいです」

 

ポンッと両手を叩いてその発想はなかったという反応をする彼女にM4はこういう時は視野が狭まってしまいやすいですから仕方ないですよと笑いかける。

 

そうと決まれば彼女の行動は早いものでせっせと読んでた本などを元の位置に戻してからM4にお礼を告げてパタパタと図書室を後にする、それを見送ったM4は

 

「ふふ、本当にお母さんしてるんですね……お母さんか、ペルシカさんに今度通信してみようかな」

 

後にコレを行ったところ泣かれたというのは余談だろう。図書室を後にしたユノ指揮官、が途中ではて誰に聞けばいいのだろうと思い付き、うーむと邪魔にならないように廊下の端に移動してから腕を組んで考える。

 

料理と言うのならば各ジャンルの得意な人形に聞いてみるのもありだろう、別々に作ることになる可能性は否定できないが可愛い娘達のためなので別段苦ではない。

 

だがもしかしたら野菜そのものに調理方法次第では苦手と言われる部分をどうにか出来てしまうのではと考え、そうなれば野菜に一番詳しい人形に聞くのが良いよねと一つ頷いてから行動を開始、向かった先は

 

「ピーマンの苦味とトマトの酸味を抑える方法、ですか?」

 

「うん、聞いたらそれが苦手ってP7とステアーが言ってたからさ。なにか方法ないかなって、そしたら料理も思いつくかもしれないし」

 

我らがアイドルグループにして農業の代表、野菜のことなら彼女に聞くのが一番早いとまで言われそうなP38、彼女はユノ指揮官からの質問にふむと自身の電脳から情報を引きずり出す、確かに個々で作っているのはオーソドックスなピーマンとトマト。

 

特別甘いわけでも苦味を抑えているわけでもない基本的な品種、なのでまぁ苦手な子は苦手になるだろうなぁと思いつつ

 

「でしたら、ピーマンだと繊維に対して縦に切り、それから油通しというものをすると良いかもしれません、それによって苦味を抑えることが出来ますよ」

 

「油通し?あ、確か97式が中華料理する時にしてたかも、じゃあトマトは?」

 

「トマトの酸味も加熱することで軽減が可能です、更に言えば加熱することでうまみ成分と呼ばれる物が凝縮、普通に食べるよりも食べやすくなりますよ」

 

なるほどと手に持ったメモ帳にP38が教えてくれたことを書いていく、そこから今晩の献立でも考えついたのか真剣な目でそのメモ帳にあれこれ書き足していく。

 

チラッとP38が気になり覗いてみれば、調理方法まで書かれており、この一瞬で此処までと逆に感心させられた。

 

「うん、コレでよし。ありがとP38、もしかしたらコレでうまくいくかもしれない」

 

「いえいえ、また何かあったら聞いてください、私で答えられることなら力になりますよ」

 

「リーダー!そろそろヘリの整備の時間ですよ!」

 

PP-90の声に腕時計を見てあっと、では失礼しますねと少し慌てながらベンチから立ってヘリが待機してある格納庫へと足早に去っていく。

 

ユノ指揮官は去っていく背中にお礼を伝えてから、今日の献立の材料が食堂にあるかを確認しに向かい、その日の夜、夕食の少し前からエプロン姿の彼女が食堂の台所で

 

「お母さん、今日のご飯何?」

 

「ふふっ、秘密~」

 

「あら、珍しいですわね、では楽しみに待ってましょうか」

 

本来であれば家族だけの部屋でと思うのだが残念ながらまだそこまでの部屋はないので食堂で食べることにしている、話によると部屋をぶち抜くか、新たに作るかで少し揉めてるらしい。

 

因みに当たり前なのだが他にも利用する人形は居るし、何だったらその光景を持て和んでいる、一部は浄化されているとまぁそんな事は置いておき、数分後、全員の前に料理が並ぶのだが

 

「……お、お母さん?」

 

「トマト……」

 

「大丈夫、今回は二人の嫌いを治したいなって思って作った料理だから食べてみて」

 

だが一度根付いたそれは彼女二人の箸を中々動かさない、がその隣で美味しそうに、本当に美味しそうにリス食いの勢いで食べているシャフトを見つめる。

 

「本当によく食べますわねシャフト」

 

「美味しいから、沢山食べれます」

 

最初に箸が動いたのはP7、末っ子が好き嫌いなくお母さんの料理を美味しいと食べれるのに自分ができないとか認められるかとばかりにピーマンがメインの野菜炒め一口。

 

それを見たステアーも、覚悟を決めてトマトのチーズ焼きを齧り、二人してモグモグと口を動かす、そして

 

「「……美味しい」」

 

二人の言葉にグッと拳を握ったユノ指揮官、それからは普段どおり、いや、もしかしたら普段よりも賑やかな食卓となったらしい。




なんかこう、お母さんしてるユノっちが書きたくなったって書きましたまる、今もう成長してるからエプロン姿とか結構似合いすぎてると思うんよね!!
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