それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

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AR小隊がバスケするだけ


バスケしよう!!

キュッキュッという靴の音、ダムダムというボールを打ち付ける音が支配する此処は訓練所の近くに増設されてた運動場。そこで今行われているのはAR小隊によるバスケ、RO635が審判についてM16とSOP、M4とAR-15に分かれて行われているそれ、現状の得点だけを見ればM16チームがマッチポイントと言う状況

 

更に言えば今もなおM4チームは攻め込まれているという悪い状況が重なっていたりする、コレは別にM4達が弱いというわけではない、寧ろ彼女たちも強い分類にはなるのだがM16とSOPが単純にその上を行っている、そしてM4もそれを理解してる上でこの状況をどうにかしたいと考えているのだが。

 

(ボールが、取れない!!)

 

「ヘイヘイヘーイ、私を前に考え事かい、M4~」

 

ダムダムダムとドリブルをしながら煽ってくる自身の姉に若干イラっとしながらも一瞬だけAR-15の方に視線を飛ばす、彼女も彼女でSOPを徹底マークをして付いている、がそこは小隊一の機動性を誇るとも言われているSOPMODⅡ、少しでも気を抜いた時には一気に突破されフリーになる、先程からそれで二点程失点している二人、今回はそれはさせないとばかりにAR-15は必要以上にプレッシャーをSOPに掛けていく、なので

 

「ぶー!動きにくいんだけど!!」

 

「そうしてるからねっと、ふふ、今回は簡単に抜かせないわよ」

 

(よし、後は16姉さんからボールを奪うだけ……)

 

意識を集中させる、義体の性能差はそこまで無いはず、ならば必ず突ける隙きが存在するはずとボールの動きを、M16の顔を、眼を、手の動きを、身体の動きを全てに集中していく。

 

だがM4が彼女の顔を見た時、確かに見てしまった。M16はそんなM4を見て『笑っていた』まるでそれは自分の考えなんてお見通しだと言わんばかりの笑み、M4はそれを見て数瞬、本当に瞬きの暇もないくらいの思考を回した時、M16が動いたと同時にドリブルしていたボールを大きく動かして

 

「SOP、遊びは終わりにするぞ!」

 

「隙きありィィィ!!!」

 

「あちょっ!?M4、ごめん抜かれた!!!本当にでたらめな身体の動かし方をするわねあの娘……」

 

M16の腕の動きからフリーになったSOPにボールを渡す筈、だがこの距離ならばカットは容易いと行動を移すがその隣をM16は突破した、しかもその手にはドリブルされているボールの姿。

 

そこで気付いた、ノセられたと、だが気付いた時にはすべてが遅い、M16を止めようにもM4もそしてAR-15も距離がある、そして

 

「しまっ!?」

 

「ハッハッハ、オリャアアア!!!」

 

「ヒャッホー!ダンクだ!」

 

「試合終了!」

 

結果、今回のバスケはM16チームに軍配が上がり、それぞれが反省会ないしさっきの試合の話をしていると彼女らを呼ぶ声が聞こえその方向を見てみれば、どうやら運動をしに来たらしいジャージ姿のユノ指揮官がそこに居た。

 

「指揮官?あれ、お一人ですか?」

 

「うん、AR小隊が運動場に居るって聞いてたからね。それで何してたの?」

 

バスケットボールを見てもスポーツの名前が出てこない所から知識すら無さそうだなとM16は判断して、彼女に今しがた自分たちがしていたスポーツの説明を始め、ユノ指揮官もそれなりに興味があったのか真剣な表情で彼女からの話を聞き、んじゃま実際にさわってみるかと彼女にボールを渡してみれば

 

「おぉ、ふむふむ、ふふっ」

 

「ん、どうした指揮官、突然笑いだすなんて」

 

「いやぁ、少し前の私だったら重いとか思ってたんだろうなぁって考えたら本当に色々と正常に戻ってんだなって改めて実感して」

 

「あ~、確かにそうね、これって意外と重量感じるし」

 

そう言いながらAR-15がバスケットボールを人差し指の先でグルグルとスピンさせる、その顔は微妙に誇らしげなので恐らくは彼女に見て貰うためにやってることだろう、そして実際に

 

「おおお!!え、なにそれどうやるの!」

 

「い、いきなりは出来ないと思いますよ指揮官」

 

「フッフッフ、見て見て、私も出来るんだよそれ!」

 

お、いきなり話が脱線しだしたなと笑うM16、M4もそれは思うが彼女が楽しそうだから良いのではと微笑み、それから自分挑戦してみようかなと予備のバスケットボールを取り出して、ヨイショと回すも

 

「……」

 

ボールは無情にも床を転がる、無論、ボールが床に落ちた際の音は辺りに響くのでAR-15達の視線も集まれば、M4は黙ったままそっと落ちたボールを拾い上げて

 

「何か?」

 

「あ、いえ、何でもないです」

 

「さ、さぁて、指揮官、シュートに挑戦してみよう、な!」

 

たった一言に含まれた多大な威圧感に、これ以上ボール回しとかに触れてはいけないとあのSOPもそしてユノ指揮官もそれは理解できたのでそこでボール回しは中断となり、次はシュートをしてみることになった。

 

一通り教わってから、先ずは普通にとフリースローラインからのシュートに挑戦してみることに、しっかりと左手でボールを支えて、右手で構えいざっというタイミングで彼女は射撃訓練とかで何度も体験したあの感覚に囚われる。

 

(およ、これでもアシストって働くんだ)

 

修正が行われたフォームと力加減で放たれたボールは綺麗なアーチを描いてゴールに吸い込まれるように入っていった。

 

おぉとなる場、まさか一発目で入るとは思ってなかったとばかりにSOPはユノ指揮官を称賛するが他四人は今の一瞬で

 

「なぁ、今の射撃アシストと同じ修正のされ方だったよな?」

 

「姉さんもそう思いますか?でもあれって銃の射撃時だけでは?」

 

「……まさか、身体が正常に戻ったからアシストの働き方が少し強くなったとかじゃないわよね」

 

「だとすれば、アーキテクトから報告なり上がりそうですが……」

 

そんな話は聞いていない、だがそれでユノ指揮官に何かしらの悪影響があれば今すぐにでも問い詰めに行くのだが特に何かと言うのは見受けられない。

 

考えすぎか、はたまた今は偶々なのかと判断に迷った彼女らは次にスリーポイントシュートの挑戦を促してみる。

 

「フフン、今の私ならこの距離でも入る気がするね!」

 

ヨイショとさっきと同じ様に構え、集中し放つと意識を向ければ、先ほどと同じ様にアシストが働き、そうとなれば

 

「入っちまったな」

 

「完全にアシストが働いてるわね……」

 

イエイ!とVサインを見せるユノ指揮官にM4達は笑顔で手を振り返してから、とりあえず今回の話は副官に上げることに決め、その後は小隊全員でミニゲームをしてみたのだが

 

「……ぜぇ、ぜぇ」

 

流石に、そこまでの体力はまだ着いてなかった様子で肩で息するユノ指揮官にすまんと謝るM16の姿があったらしい。




なんかこの小隊ってバスケが似合う気がするんですよねってお話、因みにアシスト云々はそのうち語る。

多分、語ると思う。

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