それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:鮪薙

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まぁこんなご時世ですし?


真っ黒いけど必要な繋がり

スチェッキンさんの移動式屋台、始めこそ小さな露店といった感じで、だがそれでもスチェッキン本人の活気の良い呼び声、少ないながらも確かな品質の商品、時には出来たての料理なども販売される、そうやって地道に地道に街に口コミなどを増やして、今や、グリフィンの社内報にも載る程の知名度を誇るようになった。

 

そして、そこから彼女は資材の配送なども行い始め、基地間にもS09地区のスチェッキンと言う存在を刷り込みしていっているのだが、今回のお話には関係ないので割愛しよう。ともかく様々な所に出向いている彼女だがやはりと言うべきか一番気に入り、そして屋台を開くことが多いのは始まりとも言える、指揮官もよく行く雑貨屋があるこの街である。

 

「よぉし、今日も張り切って商売していこうか」

 

「この街で開くのは、少し久しぶりか?」

 

相方のトンプソンの言葉の通り、ここ最近は結構遠方の稼ぎに行ってた時期もあり先週はこの街で開くことが出来なかったのだ、なのでかれこれ一週間ぶりのスチェッキンさんの移動式屋台である、なので今回はそれのお詫びも兼ねて商品は普段より豪華に、更にはMG5によるバウムクーヘンの販売も同時に行われることに。

 

なので今現状でまだ開店前で商品が並んでいない屋台の周りにはバウムクーヘンの焼く匂いにつられた住民がチラホラと見受けられるようになり、そしてそれが彼女の屋台からだと分かると

 

「お、今週は来てたのか」

 

「あらあら、じゃあ今日のお買い物はここで済まそうかしらね」

 

等などの待ってましたという声が聞こえればスチェッキンもフフンと嬉しそうに笑い、同じく笑顔になっているトンプソンと共に屋台を展開、商品を並べていき、さぁて始めようかというタイミングで急に前方が騒がしくなった。

 

これから屋台が始まるから、と言う感じではない、まるで何かを避けるような怯えるような騒がしさにトンプソンは帽子を深く被り、運転席に置いてある愛銃を取り出せる位置に動き、スチェッキンは笑みを絶やさないでその元凶が現れるのを待つ。そして現れたのは柄の悪そうな若い男の集団

 

(見たこと無いな、新参かな?)

 

「おうおう、嬢ちゃん、誰に断って店開こうってんだ?」

 

よくある謳い文句、それを聞いたスチェッキンは吹き出すのを堪えたのは流石とも言えるだろう、コイツラは要はシャバ代を払えと要求してきているようなものなのだから。

 

無論、払うつもりはない、否……『既に払っている』

 

「悪いけど、許可はとってるし何だったら払う物も払ってるんだよねぇ」

 

「冗談はよせよ、んなもん貰った記憶は」

 

「ああ、貰っとるよ」

 

声が響いた、決して大声ではなかった筈のその声は直接向けられたチンピラは顔を青ざめているのは当たり前なのだが、ただ聞いてただけのスチェッキンとトンプソンも緊張感を纏わせる、因みに屋台の中でバウムクーヘンを焼いているMG5は特に反応していない。

 

声の主は移動式屋台の常連客である老人、普段は好好翁とも言える雰囲気を醸し出し、本当に極稀に手伝いに来る指揮官にも優しく接し、勝手にお小遣いをあげようとしてトンプソンに止められることもある彼、なのだが今そこにいるのは

 

(これが、この街の暗部の首領……何時見ても威圧感凄いね)

 

(ちっ、久しぶりの生きのいい若いのが現れたからってはしゃいでるんじゃねぇぞ、叔父貴)

 

「な、なな、なんだよジジイ!」

 

「ほう、威勢良く吠えるではないか……ああよい、優しく『教育』してやれ」

 

「お、おい、何だよ何時から居たんだよ!?」

 

老人がそれだけ声を掛ければ、チンピラ集団は黒服の集団に囲まれそのまま何処かへと連れ去られていく、その途中チンピラ達は声を荒げたりするが全くの無意味であり、スチェッキンはありゃもう駄目だろうなぁと思っていると

 

「いやいや、このご時世にあれだけイキれる若いのを消すのは勿体無い」

 

「あ~あ、間違いなく鉄砲玉コースだなコレ」

 

「カッカッカッ、儂の街でしでかそうと考えるのが悪いのじゃよ」

 

トンプソンの呆れ声に老人は笑いながらそう告げる、そう彼はこの街の所謂マフィアと呼ばれる集団のボス、生きる伝説とまで言われる存在でありこの街のことは大方彼らが仕切っているも同然なほどに力を持っている、あのグリフィンを差し置いてこの街を、だ。

 

兎も角、少々トラブルはあったがスチェッキンさんの移動式屋台は無事開店、老人もバウムクーヘンを購入していく。その後は特に何かアクシデントが合ったというわけでもなく、寧ろ一週間ぶりの屋台だと言うのにいつもいい商品ありがとうなどのお礼を言われたりしてスチェッキンが珍しく気恥ずかしそうにしたりと言う光景が見れたりしたくらいか。

 

ともかくスチェッキンさんの移動式屋台は無事完売、MG5も沢山バウムクーヘンが焼けて非常に満足そうに機材を清掃している中、スチェッキンとトンプソンは先程の老人と会話をしていた。

 

「にしても叔父貴、新参にあんなでかい顔されるなんて影響力落ちてるんじゃないのかい?」

 

「いいや、あれは来て二三日ってところ、この街の情報を録に仕入れもせずに動いた輩だろうて……それにしても本当に丸くなったなトンプソン、スチェッキン?」

 

スゥッと鋭くなった視線と嫌でも昔を思い出させる声を聞き二人は身が引き締まる思いをする、実を言えば彼女らはこの組織の一員だった、スチェッキンは正確には違うのだがトンプソンはどっぷりであり、先程から彼を叔父貴と呼ぶくらいには親しかったりもする。

 

丸くなったなと言う言葉通り、スチェッキンは文字通り『何でも』売っていた商人であり時には売った物に毒物を仕込み相手組織を根本的に根絶したこともある、トンプソンはトンプソンで組織時代は今のヤークトフント小隊に負けず劣らずな働きを見せていた、流石にイングラムのような行動はしていないが。

 

「丸くもなるさ、ウチの指揮官はこんな私達を何も思わずに受け入れてくれるような娘だからね」

 

「あの少女か、この間見た時は随分と大きくなっておったな」

 

「驚いたか?私も驚いた、けどあれが正常な姿なんだってよ」

 

それからも昔話を少ししたりこの街の情報だったり、裏の動きだったりを雑談紛いに行い、じゃあそろそろ基地に戻るかというタイミングで老人が何かを思い出したかのような声を上げる

 

「近い内にだがこの街で『ニホン』と言う国で行われていた『エンニチ』と言う催し物を考えておる、指揮官ちゃんも是非とも来てくれと話しておいてくれ……それとな『葬儀屋』がこの近辺に来ているらしいぞ」

 

それだけを告げて老人は去っていく、二人は彼が残りした最後の言葉『葬儀屋』という単語に

 

「葬儀屋、ね。まさか何処かからの差金って感じじゃないけど、どうするスチェッキン」

 

「帰ったらすぐに副官とアリババ達に報告しよう、引き込むよ」

 

葬儀屋、それが誰を指し示しているのかそれは二人にしかわからない、だが決して悪いことではないだろう

 

「所で、指揮官は雨が未だ苦手らしいが?」

 

「相性悪そうだねコレ……」

 

その証拠に互いに笑っている姿がそこにあるのだから




軽く触ったけどスチェッキンさんとトンプソンはまぁそういう所からの人形だよ、どうして指揮官の基地に来たかはまだ考えてないけど

最後の葬儀屋は、まぁほら、次のイベでポイント貯めればもらえる彼女だよ
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