それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!! 作:鮪薙
ユノ指揮官のクローンに生き残りが居てここ最近になり急に活動を始めた、それを聞いた副官達はだからといって大規模な活動ができないでいる、先ず第一に今現在そのクローンが何処に居るのか不明、そして第二として
「ユノっちのクローン、利便上そうだな……シュピーゲルと呼ぼうか、今現段階でのその娘の目撃情報は、何件くらいだっけ?」
「私とG17で集めたのだけでは3件、どれもS地区なのですが3だったり5だったりとこの付近ではありません」
「掲示板でもそれとなく覗いたり聞いてみて組み合わせてみたけど、噂の域だね、同時に目撃されたってことがないから複数じゃないとは思うんだけど」
「じゃが分からぬだろうて……アーキテクト、その辺り本当に資料はないのか?」
この生き残りの数がわからないのだ、もしかしたら病院に来た一人だけかも知れないし他にも活動してて偶々その一人が引っかかっただけなのかも知れない、情報があまりになさすぎるのだ。
聞かれたアーキテクトも資料を捲りそれらしい記述を探しては見るも
「無いね、ただどれくらいクローンが作られてたかってのは分かるから、そこから残されていた数は推測できる」
「幾つ……何人じゃ」
「……10人前後、ただその子らをどうしたかの記述はさっきも言ったけど一切ない。ドリーマーが言うには秘密裏に処理したんじゃないかって話だけど、その処理にしたって何時行われたかもわからない、もし私達が暴走する直前だとすれば」
「まるっと残されている可能性もある、か」
分からないことが多すぎる、それがその場全員の気持ちだった。そんな空気の中、アーキテクトは一つ思っていたことがありそれを副官に聞くことにした、もしシュピーゲルと接触できたとすればどうするつもりだと、彼女の中にはこの基地で保護するのかという考えもあったのだが帰ってきた答えは
「発見でき次第、わしが処理する」
「え、い、いやいや、待ってなんで!?」
理解できなかった、話を聞く限りでは恐らくはユノ指揮官よりも過酷な環境で生き、ぬくもりも何も知らない少女、それを目の前の副官は何の迷いもなく、そして覚悟が決まっているという声で処理すると断言したのだ。
アーキテクトには分からなかった、周りの彼女たちもどうして納得したよな顔をしているのかと、そんな顔をしているアーキテクトに副官は静かに語り始める。
「あやつは謂わば指揮官が、わしらと出会えなかった存在じゃ、光も、ぬくもりも、幸せも知らず、この世界の裏側、腐った部分しか知らぬ存在……」
だがそれだけならそれで良かった、酷い言い方になるがそれしか知らないのならばもしかしたらこちらからなにかするつもりは一切なかったのだから。
しかし、同じクローンであるユノ指揮官が自分と同じ地獄から抜け出し、こうして平穏に過ごしているということを何かしらで知ってしまったと副官は考えていた、だからこそこのタイミングで態々自分の痕跡を残すような行動をしたのだろうと。
「恐らく、目的は指揮官。この基地で成り代わろうとかは考えてないじゃろう、あるのは明確な殺意、ただそれだけじゃ、恨む、憎しみ、そういった物と言った方が良いかもな」
静まり返る部屋、この話題はそこで終了し、今後何かしらの動きがあったら報告をすぐに上げるようにということと、指揮官には変わらず伏せておくということを決めて解散
アーキテクトは、まだ分からなかった。どうしてそんな簡単に諦められるのかと、だって、だって……とFMG-9が偶々防犯カメラに写っていたシュピーゲルの写真を見つめて
「ユノっち、じゃん……」
少女の、まだ人という物を理解しきれていない声だけが誰も居なくなった部屋に響いた。だがその写真の少女の目にはひだまりも、優しさも感じられない、あるのはこの世界に絶望しきった瞳だけだった。
「……」
ここは廃墟のビルの一室、ボロボロのマントに身を包みその内側の服装も狩人のそれに近いが状態は良いとは言えず、フードから見えた肌も血色が良いとは言えるものではない。
座り込み何かを待つ、それほど時間が経たずにその人物の耳元の通信機が着信を告げればスイッチを入れて前方に投影ホログラムが映し出され、そこに居たのは全体的に小柄なハイエンドモデル【
「コレで良かったのか」
《ああ、これで向こうもお前の存在に気付いたことだろうからな、後は待っていればお前の目的は果たせるぞ【
「ハッハハ、長かった……来ないかとすら思った、感謝するよエリザ様ククッ、カッハッハハハハハ!!」
笑う、笑う、狂ったように、その動きでマントのフードが取れればそこから現れたのはくすんだショートカットの茶髪、汚れが目立つ肌、金色の瞳、こうして違いなどは目立つがそこにいるのは確かにユノ指揮官と瓜二つの少女。
違いを上げるならば彼女は副官の推測通り優しさというものに触れずに生きてきたと言うこと、そして何らかの経緯で鉄血の上級AI【エリザ】に拾われ、己の目的のためにその体全てを弄り回し今日に至る存在。
目的は唯一つ、何も知らず、ただ幸運だけで生き延び、そして今平穏を甘受しているあのクローンを殺す、彼女が適合したことによって処理されかけたクローンシリーズの最後の生き残りとして、恨み言も吐けずに自我すら持つことすらできずに死んでいった妹たちのために
「ゲホッゴホッ……ハァ……ハァ……、おい、何時動ける、いつ殺せる、教えろ」
《それは知らない、向こうも優秀な人形が多い、故に簡単には近付けないだろう》
モニター越しだと言うはずなのに寒気すら感じる殺気を向けられながらジャッジは淡々と事実を述べる、それを聞けばチッとあからさまな舌打ちをするが
《だが、チャンスが全く無いというわけじゃない》
「何でも良い、一瞬でも近づければそれで殺せる、殺してやる」
《あの地区の街で人間どもが何やら賑やかに何かを行うらしい、もしかしたらそれで接触できるかもしれんな》
再びスペクターの表情に狂気の笑みが浮かび上がる、彼女にはひだまりはない、あるのは純粋たる憎悪だけ……
おかしい、最初のイメージでは初期の頃の絶唱アニメの赤い奏者のキャラをイメージして書いてたのに全く別なの来たぞおい……
スペクターの身長とかはリバイブ投与前のユノっちをイメージしてもらえれば、髪と目も違うけど大体そんな感じ。
でも中身は人間の部分は殆どない、言うなら侵食が完全に進んだ状態である。