それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!! 作:焔薙
最初に感じたのは規則正しい電子音だった、彼女【スペクター】は未だボンヤリする意識の中、ゆっくりと瞳を開ける。
映ったのは全く知らない天井、だが分かるのは何処か立派な建物の中だろうということ、それから自身の体の感覚が持ってくれば寝てる場所は初めて触れる程フカフカなベッドの上
(アタシ、死んだんじゃねぇのか?)
と思ったところでぎりぎり思い出せる最後の記憶でたしか自分は誰かに助けられたなと思い出す、そして助けてくれた人物は意識が無くなる寸前の私にこうも伝えてくれたと
『貴女はコレで自由になれたから』
記憶の中でその言葉を言った人形は優しく微笑みながらそう確かに伝えてくれた、じゃあとゆっくりと身体を起こし周りを見ればどうやら何処かの基地の医務室らしいと思ったのだがよくよく周りを更に見れば何というかラボといったほうが正しかも知れないと思い始める設備がチラホラと見えた。
(何処だ、ここ)
「ふぅん、思ったよりも早く目覚めたわね」
「ちっ、つくづく運が悪いみてぇだなアタシは……!?」
少ししてからラボの奥から現れた人物に彼女はコルトガバメントを生成しようと手を向けるが何も起きない、まるで内部から封じ込められているような感じをし、やられたとその人物を睨みつけて……違和感を感じた。
なにか違うぞこの『ドリーマー』と、具体的には胸が
「その様子だと向こうの私に良いように使われてたみたいね~、自分で自分をこういうのもアレだけどいい性格してるわね本当に」
一人納得するドリーマーに怪訝な視線を送るスペクター、それからとりあえず保留にしておくかとして今度は自身の体を確認していく、コーラップス及び逆コーラップス技術による生成などは行えない以外はすこぶる調子がいい、そこでいや待てよとまた疑問を覚える、自分の体もなにか凄まじい違和感を感じると
自分はこんなにも肉付きのいい体をしていただろうかと、肌の血色も何か見たことないほどにいい色をしているのも不思議な話だと、それからこんなに視線が高かったかなアタシと上半身を動かそうとして、一番の違和感を感じた。
妙に重いと、それから何気なく自分の視線を下に、つまり胸を見ることになるのだが、そこで思考が止まった。
「あ、気付いたかしら、まぁあのままだとただ治療しても長くは保たなかったのよ、だからチョチョイっと処置を施したってわけ」
「……それと、これ、何か関係があんのか?」
「体の成長は総合的に見れば貴女の戦闘時間の延長やGの吸収率も上がって更に動きやすくなるわね、胸?んなの私の趣味よ」
そこにはメロンがあった、ハハなんの冗談だよと触ってみたりもんでみたりしたが結局はコレが現実の産物だと思い知らされるだけだった、漸くそれを理解できたスペクター、彼女は目を瞑り、顔を引き攣らせながら何故か妙に自慢げなドリーマーの方を向いて
「こっの、変態ハイエンドモデルがぁぁぁぁぁぁ!!!!」
その叫びによってP基地のPPSh-41が飛び込んでくるが状況を理解して即座に彼女に少し同情したとか何とか、それが数十分前の出来事、そして今はと言うと、食堂に居た。
「では、彼女はP基地にて保護、今後暫くはここに定期診察という形でスペクターは来るということになりますね」
「お願いするわ、本当ならこの基地に置いておきたかったけど……」
「そればかりは本社からの辞令ですので、詳しいことは知りませんがまぁ大方、彼女の戦闘能力を見て此処で遊ばせるよりも前線に欲しいと言った感じでしょうけど」
そうよねぇとドリーマーが呟いてから食堂の一角を見つめ、見つめてから惨状を見て苦笑いを浮かべてから書類を纏めているPPSh-41に
「次来るまでにテーブルマナーとか教えといてくれるかしら?」
「G36に伝えておきます」
あれからまずはお風呂だとこの基地の人形たちに引き摺られ、綺麗サッパリになり服は気に入ってるという理由でハンターからのを合せたのを貰い、急激に成長したことで色々足りないだろうと417達が食事を用意して彼女は食べているのだが。
色々とワイルドというかガサツな食べ方だった、確かに彼女の今までを考えればテーブルマナーや食事の仕方などは知らない、なので当たり前といえばそうなのだが現状で彼女はフォークをグーで握りどんな料理でも掻き込むように食べ進め、結果としてテーブルには料理が辺りに食い散らかされ、彼女自身も口周りどころか頬にまで届く勢いでソースなどが付着しては
「ああ、ほらまた口が汚れてる、誰も取らないから落ち着いて食べなって」
「(ガツガツ、アグアグ、モグモグ)ンガッ、あ?これウメェな!」
「なんだろう、小動物に餌付けしてる気分になるねコレ」
因みに最初はかなり警戒してた、が食べ始めた瞬間に堕ちた。元々碌な物を食べたことがなかったというのも手伝ってスペクターはとりあえずの信頼を置くようにはなったらしく会話などはするようになっていた。
それを見ていたPPSh-41はふぅと安堵の息を吐く、この後を考えればもし此処で警戒心やら敵対心を出された場合はどうしようかと頭を悩ますことになっていたのだから
「いやぁ、凄い食べっぷりだな」
「食欲があるのは良いことですよ、それよりもすみませんタカマチ指揮官、このような事案を持ち込んでしまい」
「大丈夫さ、それに子供がああやって笑顔を見せてくれるだけでも十分だよ」
そう言ってもらえると助かりますと頭を下げつつ、またスペクターの方を見れば
「……な、なぁもっとくれるか?」
「はいはい、まだまだあるから遠慮しないで」
その日、スペクターは十何人前を平らげた模様、その光景を見ていたD08基地の面々とPPSh-41はほぼ同じことを思った、この子やっぱり根っこはユノだと。
その後は軽く診察を受け、今後の説明をし、お世話になったD08基地の面々に
「せ、世話になった。な、なんかあったら来てやる、貸しを作りっぱなしは、嫌だし……」
顔を赤くし、そう告げてから彼女らはヘリに乗り込んで目的地へと飛ぶ、因みにF小隊の面々は既に自分らの基地に戻っていて後日通信でスペクターが礼を言えば自分らは当たり前の事をしただけ、それよりも貴女が無事で本当に良かったとF45に言われ顔を赤くしてた模様。
あとの事はこのまますんなり進む……とはPPSh-41は思ってなかったりした、と言うのもスペクターが保護されるのは自分の基地、つまりS09地区P基地であり、そこの指揮官は
「あ、スペクターちゃん!!良かった本当に無事だったんだね、あれ、でも大きくなった?それに胸も゛ッ!?」
「一辺に喋ってんじゃねぇよ底無し能天気バカ!」
「バ、バカァ!?」
今此処に、スペクターとユノの対話が始まる。
対話(子供の喧嘩)
じゃあ現状のスペクターちゃんのスリーサイズと身長いっくよー!
身長
153cm
BWH
100/57/85
趣味です
スペクターちゃんの詳細の資料は少し待ってください……すまぬ、スマヌス