それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

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この基地ってなんだろうな


夏の夜だし、ちょっとした怪談

覚えているだろうか、この基地には週に何度か少女の幽霊が現れるということを、当初は正体不明でしかし害もなく、そもそもこちらからはどうすることも出来ないということで放置していた存在なのだが此処数日、めっきりと見かけなくなったのだ。

 

それに最初に気付いたのは、UMP45、いつかと同じ様に深夜の基地内の警邏をしている途中

 

「そう言えばさ、あの幽霊の話を聞かなくなったわね」

 

「え?ああ、確かにそうだね、別の所に行っちゃったのかな」

 

いや、それはないだろうと妹的存在のUMP9の言葉に思いつつ、見かけなくなった理由になりそうなことを考えてみる。

 

此処最近で少女の幽霊に関するようなこと、そんなのどれが関連してるかなんて分からないのでどれも有り得てしまいそうだなと思ったところで

 

「あっ、これか」

 

「え、なにか気付いたの45姉?」

 

「一つだけね、確かほらヴァニラの娘さんの話があったじゃない、それでお墓を作ってあげてキチンと手を合わせたらって話」

 

「あ~、じゃああの幽霊はミーシャちゃんだったのか~」

 

納得したように笑顔で頷くUMP9、確かにUMP45の推測通りだとすればここ最近になって見なくなったのも納得がいく、なのでそこで話を終えてまた真面目に警邏をしましょうかね~と意識を変えようとしたその瞬間

 

パタパタパタといつか聞いた『誰かが走り回る音』が彼女の耳に届いてしまった、思わず真顔になるUMP45、それから貼り付けたような笑顔で固まるUMP9の方を向いて

 

「……9ってさ、持ってるわよね」

 

「え、コレ私のせい?」

 

「イヤだってタイミング完璧じゃない、これは9が持ってきたとしか思えないわ」

 

「でも最初に話題出したの45姉だよね?それってつまりそっちが引っ張ってきたって考えのほうが正しくないかな?」

 

お、何だ今日の妹は全肯定モードじゃないぞという感じに視線を送れば向こうは向こうで相変わらず貼り付けたような笑顔のまま、だが本当に薄目で視線を返してくる、視線と視線が打つかり、何となく火花が見え始めるのではないかという瞬間

 

彼女たちは走り出した、銃を構え、纏う雰囲気は任務中のそれ、ともかく自分たちが出せる速度で足音を追えば彼女たちの目に写ったのは

 

「二度目、コレはもう偶然じゃないわよね」

 

「45姉ごめん、私実はコレで4回目、もう必然レベルだよ」

 

そこには少女が居た、あの日、あの時と同じ小学生低学年くらいの少女がこちらに気付かずに笑いながら廊下を走り、そしていつかと同じ様に壁の中に『消えていく』

 

《ひゃああああぁぁぁああぁぁああ!!!!????くぁwせdrftgyふじこ!!!!!!??????》

 

《おいなんだ、今WA2000から声に鳴らない声というか悲鳴が聞こえたぞ!?》

 

《わーちゃん、わーちゃんどうしたの!?》

 

その日、深夜の基地が少し騒がしくなった……そして翌日、UMP姉妹の二人は情報部のMDRの元に訪ねていた。

 

「ってことなんだけどさ、この地区でそんな話出てない?」

 

「少女の幽霊、うーん、そりゃあ探れば出てくるだろうけど……ピンポイントのものをとなると時間がかかるぞ?」

 

「まぁダメ元だから気負わないでいいけどね~」

 

MDR、彼女は情報部の中でもスレなどと行ったネットサーフィンでの物を得意として、大体が眉唾も良いところの話が大体だが中には信憑性の高いものも含めれることもあり、それを何件も集め組み合わせればそれは答えに辿り着くことだってある。

 

彼女らはソレに賭けてみた、もしかしたらもしかするかもという淡い期待とも言える、だが今回は

 

「あった、コレなんか近いんじゃない?」

 

「おお、まさか来るなんて、どれどれ~」

 

「日付は、随分昔ね。内容はよくある感じだけど……って古いなんてものじゃないわよコレ、地区とかの表示ですら無いし」

 

見つけたのは一件の事件、下校途中の少女が誘拐され数カ月後、犯人の家の地下室にて遺体となって発見されたという話、日付はなんと第三次世界大戦前、なので○○地区とかの表記ではなく、国の名前と住所

 

しかしMDRは、そこから現在の地理に当てはめるという方法でこの事件がS地区でのことだと断定、それからもっと詳細を求めて細かい数値を入れてみて

 

「嘘だろおい」

 

「何か分かったの?」

 

UMP45の質問にMDRは言葉で答える代わりにパソコンのモニターを指差す、なので二人で見てみれば映っていたのは一枚の地図、見ればS09地区と書かれており、近所の出来事だったのかと言おうとして点滅している赤い点の位置を見て言葉を失った。

 

そこは何度見ても見間違うはずのない場所、それは当然だろう、だってその場所は

 

「この、基地?」

 

「MDR、冗談はよしなさいよ」

 

「じょ、冗談じゃないってば、何度も確認してそれでもここだったんだ」

 

先程までのウキウキ気分から一点、全員が黙り込み、何かを考え始め、そしてほぼ同時に

 

「「「地下室」」」

 

「だよな、そこしかもう心当たりないぞ」

 

「確か、この基地が出来た当初から地下は手を付けなくても広くて助かったって話だよね……」

 

「どうする、私は行くよ」

 

聞けば返ってくる言葉は此処まで来て引き下がれるわけ無いじゃんと言う旨の言葉、それを聞いてやっぱりそうよねと笑い彼女らは自分たちの考えが正しいかどうかを確認する為に地下にフル装備でやってきた。

 

何が起きるか分からない、もしかしたら変なのが居るかも知れない、そんな考えのもとフル装備できて、UMP姉妹が先頭に立ち後方をMDRがカバーする形で探索していく、傍から見たらかなり奇妙な光景なのだが本人たちはかなり本気である。

 

数分後、特に何も発見できない。やはり間違いだったかという空気が漂い始めたとき、足音が響いた。無論この三人のものではない、基地の誰かというものでもないし、UMP45にはこの足音には聞き覚えがあった。

 

「彼女が居る、進むわよ」

 

音を頼りに探索を再開をして更に数分としない内に、そこに辿り着いた。そこは壁、だが軽く叩いてみて気付いた。

 

「(木の板、しかも空洞、まさか誰も気付かないとは思わなかったわ)二人共、行くわよ」

 

「お、おう」

 

「オーケーだよ」

 

二人が準備完了だと言うのをしっかりと確認、ゆっくりと足を壁に偽装された木の板の部分に合せてから力の限りぶち破った瞬間

 

やっとみつけてくれた

 

絶叫が木霊した、後にこの壁と空間はG3と一〇〇式達がしっかりと供養してから封じたのだが、少女の霊は今日も元気に夜の基地を徘徊しては

 

「まだでだぁぁぁぁぁぁぁ!!!???」

 

着実に、被害者を出してる模様である。




ミーシャちゃんかと思った?残念もっと恐ろしいなにかでした!!(笑えないよ!!!)

因みに私は怪談は駄目な人間ですはい

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