それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:鮪薙

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割りかし勘がいいから尚の事些細なことに気付きやすい


彼女も寂しく想う時だってある。

最近、何か可笑しい気がするとユノは思い始める。普段と変わらない感じの喧騒ではある、皆も普通だ、楽しくそして真面目に仕事をこなしては業務後の自由時間も各々が好きに取っている風景も変わらない。

 

だがユノはその日常の中にほんの少しの違和感を感じ取った、指揮官として長らくこの基地に過ごし基地の面々を見つめ続けた彼女だからこそ拾えた微妙な、本当に微妙で気にしなくても可笑しくない違和感。

 

(何か、少しだけ忙しくない……?)

 

確かに普段通りなのは普段通りなのだが、全体的に慌ただしい感じが混ざっている気がしたのだ、だがそれが何なのかは分からない、ただ漠然とそう思っただけなのでもしかしたら自分の気のせいなのかもしれないと言うのも大いに有り得る。

 

と思っていたのだが、どうやらコレが気の所為ではないなと言う出来事があった、それは

 

「え~と、あとはこれとあれと」

 

エルフェルトである、基本的に趣味の衣装作りや警邏と題した未来の旦那様探し以外では大人しい感じの彼女がワタワタとメモを手にあれこれと買い出しに出掛けるのを数度見かけたのだ、最初は衣装作りの材料かなと思っていたユノだがちらっと買い出しから帰ってきた彼女の手元を見たのだが、その中身はお菓子材料、これだけならばまぁお菓子作りでもするのかなで済んだ、だが次に彼女の言葉でこの基地が今、自分に何かを隠して事を進めていると確信することになる。

 

指揮官って確か次で18ですよね……

 

(私……?18ってなんだろ、何かの数字だとは思うんだけど)

 

考えても考えてもその数字が意味することが分からない、なので彼女は思い切った、丁度良く食堂の台所から出てきたエルフェルトに

 

「エルフェルト、少し良いかな?」

 

「え、はい、大丈夫ですよ、如何なされました?」

 

「うん、実はさ、最近基地の皆が少しこう忙しない気がして、なにかしてるのかなぁって」

 

この時、エルフェルトから目を逸らさずに嘘は許さないよという感じの気持ちを視線を似せて見つめながら質問する、いつの間にそんな事覚えたのですか指揮官と思わず泳ぎそうになる目と流れそうになった冷や汗を留めて、できるだけいつもの笑顔を心掛けてながら

 

「き、きっと人形が増えたからそう思うだけですよ」

 

「……そうか、確かにそうかもね、うん、ごめんね変なこと聞いてさ、じゃあね!」

 

ふぅと息を吐いたエルフェルト、何とか隠し通せたかと安堵の息だったのだがユノにはバッチリバレていた、確かにエルフェルトは『人形』としての顔は普段通りの笑顔を貼り付けていたのだが忘れてはいけない彼女は人形が人間に見えるという特異体質の持ち主、そして結果として得ることになった人形の人間としての顔で嘘かどうかを見抜く力を。

 

言ってしまえばユノの眼から見たあの時のエルフェルトは目が泳ぎに泳いでいたのだ、なのでとりあえず納得するふりをしてその場から去り、その後もルピナス達や、G36、何だったら副官にも聞いてみるが

 

『な、何も隠してないわ、ええ!』

 

『お嬢様の気の所為ですよ、それにもし隠し事してたとしても、些細なことでございます』

 

『隠し事じゃと?まぁ、それなりにはあるがそれがどうかしたか?』

 

(間違いない、何か隠してる……でもあの様子だと皆で隠してる?)

 

そう考えた時、思わず不安と寂しさが胸の中で広がり始めた、ノアのことを知った時のそれと近い感情、もしかしたらまた彼女たちが自分のために泥を被ろうとして居るのではないかと、指揮官という立場でありながら、何か出来ることがないのかという自分の無力さに対する怒りも少しだけ混ざる。

 

そんな少しでも油断すれば気落ちしているのが悟られそうな心、だがそんなことになればきっと彼女たちを悲しませてしまうと思考を切り替えるには切り替えたのだがやはり頭の中ではそれで一杯になり、夕食後の自室、クリミナに打ち明ける

 

「みんな、隠し事してるのは分かってる、でも教えてくれない……いや、隠し事だから当たり前だけどさ」

 

「やはり、ユノから完璧に隠し通すのは難しいですわね」

 

「クリミナも、知ってるの?」

 

ユノの言葉を聞いた時、クリミナは声に様々な負の感情が乗せられていることが分かった、思わず内心ではだから下手に隠すのは止そうと言いましたのにとため息を吐いてから、彼女の頭を優しく撫で

 

「不安に、してしまいましたね。そうですね、確かに今あたくし達は少し準備を行っていますわ」

 

「……また、暗部の?」

 

「いいえ、この基地で行うちょっとしたお祭り事のようなものですわ」

 

お祭り事のようなもの?とオウム返しをしてくるユノに、もう一度、彼女を安心させるように頷いてまた撫でる。

 

彼女はとても優しい、だからこそ自分たちが隠し事してたとしても怒ることはせずに、頼られない自分の弱さに怒り、だが同時に寂しがり屋でもあり、孤独感を感じてしまった。

 

なので今クリミナがそう伝えても瞳にはまだ不安と寂しさが滲み出ていた、しかし詳しい内容はまだ話せない、はてどうやって愛しい伴侶の心を癒せるだろうかと考えて……悪魔が囁いてあっさり勝った。

 

「ごめんなさいユノ、寂しい思いをさせてしまいましたね……」

 

「え、あ、ううん、私が勝手にそう思い込んで、え、ちょ、クリミンッ……」

 

唇が重なった、それはとても深く、水気を帯びた音を部屋に響かす。正直言えばユノも彼女のこの行動に慣れ始めており最近ではあまり驚きもしなくなったが、逆に言えばクリミナに染められつつもあるので、少し長めの接吻だけでユノの身体は一度ビクッと跳ねた。

 

「ンハッ、ふふ、まさかキスだけでとは思いませんでしたわ」

 

「ひゃって、フゥ、ふぅ、そうしたの、クリミナ、あ、ま、ひゃん!」

 

どうやら今日の彼女は寂しい想いをさせてしまった伴侶をとことんその気持を消すくらいに攻め立てるらしい、押し倒したクリミナはユノの服を脱がしつつも少し激しめに彼女を攻め、ユノはユノでそうなってしまうとクリミナに全てを委ねて、だが同時に彼女を求めるように抱きつく。

 

まだまだ暑いという夏の夜だが彼女たちの部屋からは艶めいた声が絶えることはなく、だがずっとという訳でもないので数時間もすれば、ユノはクリミナに抱く着いたまま本当に幸せそうな寝顔を晒し、そんな愛しい彼女の寝顔を見ながら

 

「ご安心をユノ、その日は絶対に貴女の美しい思い出になる事が起きますからね」

 

そう囁いてクリミナも眠るのであった。




まぁ、一周年の時の前準備回ってやつです、はい。

最後のはあれよ、今日で365話目だから許されるかなって、ほら、最近描写してなかったじゃん?だからよ(などと供述しており云々

因みにユノっちはクリミナに限り全てが弱点です、ええ。
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