それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:鮪薙

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止めなさいよ周り


ある意味姉妹喧嘩

此処は訓練所、いつも通りにCZ75、スコーピオン、KILNの三人組が組手やらをしているこの空間、だが今日は違った。

 

その三人組は今は端の方で訓練所の中央を固唾を飲んで見守っていた、いや彼女らだけではない。普段であればユノに護身術などを教えている一〇〇式やコンテンダー、ウィンチェスターもそこには居り、更に追加と言わんばかりに

 

「ハァ、ハァ、もう始まっちゃいましたか?」

 

「いえ、まだよ……」

 

救急箱を手に医療スタッフだと分かるようになのかSOCOMと似たナース姿のリベロールも現れる、何やら唯ならぬ雰囲気に包まれる訓練所、それを引き起こしているのは他でもない中央にて対峙している二人

 

「おう、やめるなら今のうちだぞ」

 

「そっちこそ、言っておくけど退く気なんてないからね」

 

「言うじゃねぇかこの能天気バカが」

 

今の会話から分かる通り、対峙しているのはユノとノア、彼女らが行おうとしているのは組手、無論ノアは自身の能力は無しだが逆に言えば、それだけであり彼女自身の有り余る身体能力はそのまま使われる。

 

対してユノは確かに治療後は飛躍的な身体能力の向上を見せており、一部人形でも油断すると組手で負けを見るほどにはハイエンド化も進んでいる、が歴戦とも言える人形たちには点で勝てないし、勝てる人形にも安定した勝率ではない。

 

そんな彼女が何故にノアと組手をすることになったのか、それは少し前に遡る。その日も半ば日課としている格闘技を習っている時だった、最近では先程にも書いたが一〇〇式達も驚くほどの成長を見せ、流石に前線で戦い続けている彼女らにはまだまだ勝てないが、このまま磨けば或いはと言う感じにまでになっており、そこで問題になったのは

 

「うーん、私達が組手を続けても良いのですが」

 

「駄目なの?」

 

「駄目ではないわ、でもあくまで私達は人形、本当であれば同じ人間と出来るのが良いのよ」

 

「……私も半分くらいは人じゃないよ?」

 

「冗談でもそれを口にするのは止めなさいね?」

 

あっはい、とバツの悪そうに引っ込むユノ、彼女的には場を和ごまそうという冗談だったのだがよろしく無かったようだ、ともかく組手に丁度いい人間を求めることになるのだがこの基地ではそれは物凄く難易度が高い。

 

ヴァニラ、は前に訓練場で運動をした所、出来なくないが本当に嗜む程度であり今の指揮官の相手には力不足、ではカリーナはと言えば

 

「あ、私その格闘はその……」

 

出来ないとは言ってない、だが彼女は護身術だとかの枠を超えて暗殺術、もしくはCQCとかの類であり確実に殺すことを目的としてしまっているので流石にコレをユノに覚えさせるのはという感情があり辞退されている。

 

困った、そんな所に現れたのが

 

「へぇ、こんな所あったのか」

 

「あ、ノアちゃん!運動しに来たの?」

 

ん、まぁなと答えた所で視線を感じそっちを見ると一〇〇式達がポンッと手を叩いていた、居たではないか指揮官と組手が出来そうな相手がと。

 

という事で彼女たちは事情を説明してみれば、はぁ?という感じの顔をしてから

 

「アタシがこの能天気バカの組手の相手だぁ?」

 

「ああ、確かにノアちゃんとなら良いかもね」

 

「んなわけあるか、アタシがどのくらい外で戦ってたと思ってんだ、テメェなんか相手にすらならねぇっての」

 

「……へぇ、やってもないのにそんな事断言するんだ~」

 

声の質が彼女のしては珍しい挑発が混ざっているのを感じたノアがユノを見ればニヤニヤと言う感じの顔を向けている彼女。

 

だがユノにしてみても、全くの根拠なしにコレを言ったのではない、確かにノアは強いとは思っているが此処までの戦闘方法を見たが故に彼女の中に一つの仮説があって、それ故にこうやって挑発したのだ。

 

「私が、オメェに負けるだとか、寝言ってのは寝ながら言うもんだぞ?」

 

「寝言じゃない、此処らへんでお姉ちゃんの威厳を見せないとなぁって、ねぇ?」

 

「おもしれぇ、やってやるよ」

 

こうして冒頭に戻る、つまりこれは確かに組手ではあるだろう、しかし同時にこれはユノの姉としての威厳を賭けた戦いでもあるのだ。

 

そしてもしユノの考え通りならば、まだ正気は十二分はあるはずと思いつつ、だがそれでも不安な部分もあった、自分が彼女の動きに反応できるだろうかという部分だ。

 

(多分、早いよねノアちゃん)

 

自分が使えるのは受けに徹底した返し技、カウンターとも言う技だけ、一応打って出るのも教わってはいるが自分がそのつもりがないということでそこまで習っていないのだ。

 

故に、ここからは単純明快、ノアの攻撃にユノが捌き切れなければ負け、逆に捌き切れれば返して勝ち、勝負は一瞬、そして

 

「だぁぁぁぁ!!!」

 

「っ!?」

 

叫びとともにノアが動き出し、ユノが認識した時にはすでに目の前であり、しかも右拳が手加減なしの速度で迫っていた。

 

(確かに勢いはある、速さも、だけど……『読み通り』!)

 

迫りくる拳に右掌を添えてそっと動かして反らす、視線は決して閉じず、ノアを見つめ次に備える、対してノアは捌かれたことに驚きつつもだったらとばかりに左、右、蹴り、と続けざまに攻め立てる、が

 

(あったんねぇ!?)

 

(大丈夫、落ち着いて、そう、どれも確かに怖いくらいに速いし勢いが強い、でもノアちゃんは『慣れてない』今まで銃火器での戦闘ばっかりだったから当然だけど近接の心得が全く無い)

 

だからこそ、軌道が、狙いが読める、それほどに彼女の攻撃はとても単純な大振りばかり、そんなものは今の今まで人形たちと組手をしていたユノには当たらない、当たらないし何だったら

 

「えいっ!!」

 

「ぬおっグア!?」

 

少しだけ余計な力が籠もった一撃をユノは的確にいなしてその力をそのまま利用してノアを投げれば、彼女は驚きながら受け身も取れずにダァン!!!と床に叩きつけられる音が響く。

 

何が起きたんだとばかりに視界を動かせば

 

「へっへーん、どうよ」

 

腕を組み自分を見下ろしているのにイラッとしない爽やかな笑みを浮かべたユノの姿、そこで自分が投げられたと気付けば、ガバッと過ぎに起き上がり

 

「まだ一本だろうが、まぐれ投げで調子づくなよ!」

 

「んじゃ、もう一本投げてあげるよ!!」

 

あ、コレでまた投げられるかなぁと周りが思った、が彼女、ノアの適応力とも言うべきか、応用力と言うべきか、ともかく今のやり取りで自分がなぜ投げられたのかを即座に理解、なので

 

「うわっととっ!?」

 

「オラオラァ、さっきと違ってもう余裕ねぇみてぇだな!?」

 

「な、に、をっ!!!」

 

「んぎゃ!?」

 

その日、ユノはノアを数十回と投げるが、ノアもユノを数十発打撃を命中させ、遂に騒ぎを聞きつけた副官とクリミナに止められるまで二人は組手を続け、結果として

 

「いひゃい」

 

「いってて、テメェ本気で投げやがって」

 

「そっちだって途中から本気で殴ってきたじゃん……」

 

「この大馬鹿者共が、組手というのに加減を忘れてどうするのじゃ!!」

 

「もう、周りも止めてくださいまし」

 

暫く、ノアとユノの組み合わせで組手をやらすのは禁止となった模様。




戦闘描写?んなのないよ(開き直り)いや、本当はその辺りも勉強しないとなぁとは思ってるんですけどねはい。すみません。

因みに今後の勝率は段々とユノっちの負け越しになる模様、ノアちゃんこれでもハイエンドモデルだからね、仕方ないね。
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