それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

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もう誰も旦那呼びには疑問に思わないという存在


ヴァルター一家の大黒柱

時間にしてまだギリギリ日が昇る少し前、ここはユノとクリミナの愛の巣、もとい彼女らの自室。そのベッドがモゾモゾと動き起き上がったのは今回の主役にしてもう誰もユノの『旦那』と言われても何も疑問に思われなくなった【PPK】この基地の彼女に関しては【クリミナ】と呼ばれる方が段々と多くなった彼女である。

 

本日は平日、なので彼女らの朝は早くこの時間帯から行動を始める、まずは隣で未だ可愛らしい寝息で眠っている最愛の伴侶ユノをそっと揺さぶり起こす

 

「ユノ、起きてくださいまし。もう朝ですよ」

 

「んにゃ……もう朝?」

 

随分と可愛らしい鳴き声みたいなものをあげながら寝ぼけ眼を擦りながら起きた彼女、ユノの姿だが一糸まとわぬ姿、詰まる所どうやら昨夜もヤッてたらしい、だと言うのにこの時間に起きれるのは彼女らがしっかりしているのか、はたまた回復速度が段違いなのかは不明、しかしお陰でこうして起きれるので二人は何も思わずに朝のキスを交わしてから朝のシャワーを浴びてから着替えて

 

「今日は、任務に出るんだっけ?じゃあお弁当作らないとね」

 

「いつも助かってますわ、ですが無理なさらないで下さいね?」

 

「いいんだよ、私がクリミナに頑張ってほしいから作ってるんだもん」

 

にへへ~と笑うユノに思わず抱き着くクリミナ、朝からおっぱじめるつもりはないのだが彼女らはこういうスキンシップは割と多く、特に此処最近では増加の傾向が見えているがまぁそこはよくある夫婦の行動ということであまり周りは気にしてはいない。

 

二人は食堂に向かうのだが途中で起きてきた娘組も合流、こうして朝は家族全員揃ってから取るということがヴァルター一家の決まりごとになっている、そろそろヴァルター一家のための部屋を用意するべきではと言う声は前も書いたが既に上がっている、がやはりどういう形にするかが決めあぐねており、夫婦も意見を考えるのだが納得行くデザインが浮かばず今日まで過ごしている、一応二人の部屋と娘組の部屋の距離はそんなに離れた位置ではなく、また三人が来ても一緒に寝れるだけのベッドの大きさもあるので不自由は感じていない。

 

さらに言えばヴァルター一家だけでの食事でも確かに良いのだが基地のみんなとも一緒という方が何かと楽しいと全員が思っているのでもう暫くはこの形での食事となるだろう。クリミナもこの形の食事に関しては文句はないし、態々一つの部屋にしなくても自分たちの自室でも夕食を全員で食べれなくはないので無理に部屋を作る必要はないのではないかなぁとか思ってたりする。

 

「では、行ってまいりますね」

 

「うん、気をつけてね!」

 

「それはユノにも言えることですわ、あの【ナデシコ】でしたっけ、あれとの接続の指揮を今日も行うようですが……」

 

「い、いや、流石に2日連続で倒れるまではやらないよ?いや、本当にやらないから安心してって、それにアーちゃんが負担を軽減するように改良してくれてるし平気だって!」

 

イエイとサムズアップをする妻に本気で不安になる旦那、だがあまり話し込める時間もないので本当に不安な気持ちを抑えるためにユノを一度抱きしめてから今日の任務へと向かうのだが、その道中のヘリ

 

「本当に大丈夫ですわよね……いや、信頼してないわけではないのですよ?」

 

「そんなに不安にならなくてもいいにゃ、今日は副官だってそこに居るなら先ず止めるにゃ」

 

これから確かに少々暇になりやすい警備任務とは言えオロオロとするクリミナに活を入れるついでに大丈夫だと言い聞かせるこの部隊のまとめ役になりつつあるIDW、そして部隊長なのに最近では抜けてるのではとか思われつつあるスプリングフィールドが先程の二人のやり取りから何かを思ったのか神妙な面持ちで

 

「わ、私もあれくらい積極的になるべきなのでしょうか?」

 

「急にそれやると多分ヴァニラがヘタれますよ?」

 

「言えてるなそりゃ……」

 

え、そんなまさかと言う部隊長の言葉にオメェらは少し自分らを見つめ直すことをおすすめするにゃと無慈悲に切り捨てるIDWの言葉に一同は肯定も否定もせずに只々曖昧な笑みを浮かべる、それがある意味答えなのだがスプリングフィールドは何ですかそんな顔してと困惑するばかりである、これでも戦場に出れば一人の兵士として凛とするのだが今この場にそれをイメージできる要素は欠片もない。

 

結局、今回の任務も特に大きなことはなかった、と言うよりも【ナデシコ】からの監視も入った以上、鉄血は事前に察知できるので彼女らの監視対象は人間、テロリストとか人形密売組織だったりとか人類人権団体の過激派だったりとかだが

 

「そもそも此処は人間が近寄るのも一苦労にゃ」

 

「拠点、にするにも手頃な建物はありませんし、更に言えば監視ラインの最前線、早々に来れません」

 

ということも重なりかなり平和なものである、こうして今日の業務を終えれば何時もであればユノと共に自室のお風呂に入るのだが今日は丁度同じタイミングで業務を終えたルピナス達も来たということで

 

「ふぅ、大浴場もやっぱり良いねぇ」

 

「ですわね、ほら、ルピナス達も」

 

「にゃ~、気持ちいい……」

 

「気持ちいい、です」

 

「はふぅ」

 

一家それぞれがゆる~い顔をしながら浴場に浸かる、それから娘組の今日あったことを聞いてあげ、良かったところではきちんと褒めれば更にコレがあったとか、コレを行ったとか、あれを手伝ったとかが出てきて、たっぷりと入浴を楽しんだ後はそれぞれが自室に戻って

 

「今日も一日お疲れ様クリミナ、あ、お弁当どうだった?」

 

「ユノもお疲れさまでした。今日もとても美味しかったですわよ」

 

クリミナがお褒めの言葉を彼女にかければ、また朝のように嬉しそうに笑いお弁当を洗う、クリミナはその間、その後姿を見つめるのだがナノマシン投与後の彼女は当然ながら以前のような少女感だけではなくどこか大人びたものもあり立派になったという感動しつつ見つめていると弁当箱を洗い終えた彼女が振り向いて

 

「クリミナ~、そんなに見られるとやっぱり恥ずかしいんだけど?」

 

「あらあら、最近は視線に敏感になりましたか?」

 

「うーん、どうだろ、あっ、でもこの間本社のヘリアンさんのところに向かった時に胸を見られてる気がしないでもなかったかも」

 

胸、D地区のドリーマーのイタズラによって普通の少女よりも育ったそれ、確かに男性の目を引くには十分であり、こればかりはユノが悪いということではないのだが

 

「面白くありませんわね、今まで貴女を好き勝手行ってた連中がそんな眼でユノを見てるなんて」

 

「いや、まぁ私は気にしてないんだけどね……もう、クリミナって最近あまり抑えなくンンッ!」

 

「あら、抑えてほしいですの?」

 

「……意地悪」

 

もはやお決まりのことだとばかりに重なる二人、彼女らの夜はまだ続くらしい




コレ言うほどクリミナ主役じゃねぇな?

あ、昨日の話で出た設備の名前は【ナデシコ】になりました、別にユノっちが「バカばっか」とかは言いません。

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