それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

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酷い渾名よねぇ、今はもう大人しいっていうのに。


サキュバスバニーと呼ばれた女

Five-sevenと呼ばれる戦術人形が居る、この基地おいての大体の認識は両刀疑惑のヤベーやつだったりユノに要らぬことを吹き込むエロウサギ、などなどともかくそんな認識になっている彼女。

 

そんな彼女は今、スチェッキンが運転するトラックの助手席に座っていた、一体何故と思われそうだが事の始まりは今朝方の現在D08基地にて妊婦組の出産騒ぎの応援で向かい今は経過観察のために留まっている医務長PPSh-41から彼女に入れた通信だった。

 

「ふぅん、それで私に?」

 

《ええ、それと45にも来てもらえませんか、貴女の弟子なら問題なく対処できるでしょうし》

 

「弟子って、あの娘には基礎しか教えてなくて後は独学で腕を上げてるだけよ、でもまぁ分かったわ、今日中が良い?」

 

《そうですね、できるだけ早めのほうが、出産後なので人形といえど身体はガタガタですからね、特に人形の出産ですし実際に触ってみて分かる異常もあるでしょうから》

 

はいはいっと通信を切ってからぐっと一つ伸びをしてから、今しがた頼まれた内容を再確認する。と言っても難しいことを頼まれたわけではない、ただ出産後のDの地区の面々にマッサージを施して欲しいという話である。

 

そこで疑問に思うのがFive-sevenにそれが出来るのかということと、それは頭に意味深が付くのではないかという疑惑、だがPPSh-41から態々頼みに来たのでその両方はまぁありえない、と云うのも実を言えばこの基地の彼女は此処に来る前にマッサージ師として実際に働き、それなりの評判を得ていた人形である。

 

「さて、確かスチェッキンが向こうにカフェ開くなら少しは話を聞きたいとか言ってたからついて行こうかしらね、ああ、久しぶりで少し、ええ、少しだけ……ふふっ」

 

だが忘れてはならない、この基地に送られてくるという時点で彼女も割りかしそういう裏があったりするということを、というのが今回彼女が今この場に居る理由なのだがスチェッキンとしては物凄く不安である、この動くR18がマッサージとかこつけて何かをやらかしはしないかと。

 

一応PPSh-41からは話は聞いている、なので全く信頼していないというわけでもないし、UMP45のマッサージも何度か受けているユノ曰くすこぶる調子が良くなると好評なのでその師匠である彼女の腕を疑うというわけではない、ただ何と言うか不安が拭いきれないのである。

 

「頼むから、向こうに失礼なことしないでくれよ……」

 

「あら、流石に仕事に邪なことは挟まないわよ」

 

本当だろうなぁ?隣でパラパラとメモを読んでいるFive-sevenに怪訝な視線を送るも彼女は何処吹く風、なのでコレ以上疑っても仕方がないかとスチェッキンが視線を前に戻した時、Five-sevenの口角が少しだけ上がったのを見逃してしまった。

 

という事でなんやかんやでD08基地の一室、別の車で来ていたP基地のUMP45は既に他の者のマッサージに入っており、Five-sevenもこれから始めようという場面、彼女の前には今回は二人の患者であるD08基地の【FAL】と【Five-seven】が既に事情説明などを終えてベッドにうつ伏せで待機している。

 

「じゃあ、始めるわね、体の力は抜いてちょうだいね」

 

はっきり言えば最初は警戒されていた、無論、彼女がなにか害をなしてくるとかではなく変なことをされないかという部分でだが。やれやれ信頼無いわねぇとFive-sevenは若干諦めたように肩を竦めてから【先ずは】普通のマッサージを始める、始めてから分かったのだが確かにPPSh-41の言う通り出産後というのもありマッサージ師としての彼女が思わず血が騒ぐほどの身体にコレは手を抜いてられないわねと呟くほど。

 

なのでマッサージ自体は受けた二人に言わせると極上のものだったと、それほどまでに彼女の腕は確かであり寧ろなぜマッサージ師を止めたのかとすら思うほどだった……彼女のスイッチが入ってしまうまでは。

 

うつ伏せ、それはつまりD08基地特有のその豊満なバストは潰れながらも主張し、上半身は脱いでいるので肌がよく見えるのだがマッサージ後半の最中、ふと彼女の眼に赤い何かが映る、小さなまるで印のようなもの、それを理解した時、彼女はペロッと舌で唇を舐めて事前にタカマチ指揮官に話を通しておいたもう一つの目的をはたさんと行動を開始した。

 

先ずは油断しきっている二人のその、この際だから言ってしまえばキスマークの部分にそっと指を這わせれば向こうもんっと言う声を上げてから

 

「どうかしたのかしら?」

 

「いえ、この部分にキスマークがあったのが気になってね……て言うことはほら」

 

「ッんん!!???」

 

ただ指を這わせただけのはず、ただそれだけの動きだと言うのにFALは身体を一瞬だけ跳ねさせた、その反応に隣のD08基地のFive-sevenは瞬時に嫌な予感にP基地のFive-sevenを見つめ、見つめられた彼女はニコリとそれはもう清々しい笑顔を見せてから

 

「安心して頂戴、あなた達の旦那様にはあなた達の弱点を詳細を記して渡すって条件できちんと許可はとってるし、決して私の手では達しないように加減はしてあげるから……でも」

 

その反応は楽しませてちょうだいね?淫魔の顔というのはきっとこういう表情を言うのだろう、今この時点で彼女はマッサージ師としての仮面と同時にもう一つの仮面を被った、それはマッサージ師と同時期に行っていたこと、彼女はその昔、とある組織のハニトラ要員であり、しかも男女問わずに手絡めにしていったという存在、なのでこうして背中を取られた彼女たちに抗えるすべはなく……

 

「ま、待ちなさあんっ!?」

 

「う、そでしょ、私が耐えられなっ!?」

 

「もう、コレもマッサージ、マッサージなのよ?これからを考えれば全体的に解してあげないと、だから身を委ねてほしいわ」

 

「委ねたらもっと酷いことになりそうなのだけど!」

 

失礼ね、約束は守るわよ。それはもう恐ろしく慣れた手付きで自慢のその胸を、背面を、時にはキスマークについて夜の営みを根掘り葉掘り聞きながら彼女たちをギリギリに攻め立てつつきちんとマッサージを施していく、そうしてたっぷり一時間とちょっとが経過した後

 

「……私言わなかったかな、迷惑は掛けるなって」

 

「掛けてないわよ、マッサージはきちんと施して体の調子は本当に良くなってでしょ?」

 

そこにはベッドの上で少し息を上げ顔を赤らめている向こうのFALとFive-seven、そして妙に満足げな表情のP基地のFive-seven、そして遅いなぁと様子を見に来たスチェッキンが軽く青筋を立てていた。

 

「え、ええ、悔しいけど腕は確かだと思わされたわ」

 

「ちょ、ちょっと腰立たないんだけど……」

 

向こうのFALの言葉においこらテメェと言う視線を送るも達してないからセーフとなんとも酷い反論にスチェッキン、遂にキレる。

 

「ほぉ、そういう事言う、ふぅん、じゃあ指揮官に話し通しておくからね」

 

「まぁ待ちなさい、少し交渉しましょう、ね?」

 

結局、仕事はきちんと終えたということで今回は見逃され、帰ろうかという場面でP基地のFive-sevenは謝罪ついでにタカマチ指揮官に近づき、今回のマッサージの記録(と言う名の弱点メモ)を割りかし堂々と手渡し

 

「これ、知ってる部分もあると思うけど二人の、ね。ふふ、有効に使って頂戴ね」

 

Five-seven、彼女が今の基地に送られてきたのはその所属組織からユノを取り込めと指示されたから、だが出会って数秒で彼女のその内外の綺麗さに見惚れあっさり裏切り、今その組織はと彼女に聞くと曖昧な、だがどうとでも取れる笑顔を浮かべるだけである。

 

一応のフォローをすればUMP45に教えたり、今回のマッサージが大好評だった所を見れば分かるように腕は確かである、ただちょっとだけ昔の血が騒ぎやすいと言うだけの女性である。




Q マッサージ場面の詳細は?

A 許してくれとは言わない、場面は浮かんだのだがなんかこういざスレスレという部分にしようとしたら上手く文章にできなかった私の実力不足や……

最後に、因みに彼女がマッサージ師を止めたのは止めたじゃなくてちょっと女性客を『もてなし過ぎて』クビになった模様。

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