それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

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出来ないこともありますけどね……


出来ることならやれますよ!

スプリングフィールドがマスターを務めているP基地のカフェ、最近では利用者も大幅に増えたここでは流石に彼女だけでは捌けないことも多々あるとして最近ではスタッフの募集が行われるようになったここ。

 

スリーピースの面々や、漢陽88式などが率先して手伝っていることで安定し始めたカフェにて今日の主役はせっせと働いていた。

 

「はい、おまたせしました特性ピザですよ~!」

 

「おぉ、凄く美味しそう」

 

「ユノに誘われきましたが本当に美味しそうですわね」

 

「勿論美味しいですよ、腕によりをかけて作ってますからね」

 

ユノとクリミナの言葉に自身気な笑みを浮かべているのは背中、もしかしたら腰まで届くかもしれないフワッと広がった髪が特徴的なSG人形【S.A.T.8】、皆からは普通にサトハチと呼ばれる彼女である。

 

彼女が作る特製ピザはカフェで手伝いに入った頃に先ずはカフェの面々に食堂にてお昼休憩に焼いたのを匂いにつられて現れたユノが見つけ、コレは美味しいと太鼓判を押されればマスターであるスプリングフィールドが一度カフェで焼いてみませんかとなり、それがまた大好評、今では人気メニューの一つとなっている。

 

「サトハチさん、次はコレをお願いします」

 

「はいはーい、じゃあ味わって食べてね指揮官、クリミナ」

 

マスターに呼ばれユノ達に一言告げてからカウンターに戻りトレイいっぱいにドリンクやケーキなど乗せられたそれを両手で器用に持ってお客へと配膳していく、途中人とすれ違ったりもするはずなのだが彼女は一切バランスを崩すこともなく余裕そうな、そして楽しげな笑みと鼻歌で合間をすり抜けていき

 

「はい、おまたせしました、特性マフィンとカフェオレでーす」

 

「待ってましたわ~」

 

彼女が加わったお陰で更に回転率が上がったとマスターは喜び、それは他のスタッフも同じように感じていた、だが一人だけ、その光景を見つめる影一つ、スリーピースのリーダーP38だけはサトハチのその動きを見て、ふと気付いたことがあった。

 

身のこなし、確かに彼女は配膳の際の重心の移動、的確にすり抜けられる部分の把握、接客業としてのお客との会話、どれをとっても文句の付け所がない、寧ろそこにP38はあることに気づく理由となった。

 

(彼女、稼働年数幾らでしょうか、それとも民間からの?)

 

動きが接客業だけのものではないということに、幾つかの職種の動きが合わさり今の彼女の動きになっていると。だからなんだという部分なのだがそこは今日まで様々なことを会得し、役立ててきた少女、何となしに気になるのだ。

 

そしてその中に自分がまだ触ったことがないものがあれば是非ともご教授してほしいとすら思っている、こう見えて彼女は知識に貪欲なのである。因みにだが彼女の予測は大当たりでありサトハチという人形はこの基地に配属される前まではまるでバイト戦士のような働きをしており、今回のようなカフェやBARのウェイター、時には

 

「うんしょっと、この窓って何か特殊な工程ありますか?」

 

「いえ、普通で大丈夫ですよ、それにしても驚きました、ビルの清掃員もやってたのですか?」

 

「少し前にちょっとだけですけどね、こうやって窓を拭いてたりもしましたよ~」

 

言葉の通り、ビルの清掃員をしていたというのだが実際はグリフィン本社だと知るのは少し後である、またある時には救護室に現れて保護されている動物たちをWA2000共協力して救護室に取り付けられたペットたちの体を洗ったりする部屋にて

 

「よぉしよし、気持ちいねぇ~」

 

「びっくりするくらいに手慣れてるわね、前に何してたの?」

 

「小動物とか大好きでですね、それでペットのトリーミングやカットのアルバイトをしてたのですよ、あ、後でこの子カットしてあげてもいいですか?」

 

普段であればもう少し暴れたりする子犬や子猫も彼女の手にかかれば本当に大人しく気持ちよさそうに現れる姿に心から感心するWA2000、無論、その間もコツなどを聞いてメモをとるのを忘れない

 

その後は何匹かのペットのカットをレクチャーしながら行い救護室を後にする、因みに小動物が好きとは言っているがもっと言えば小動物的キャラな存在が好きであり、そうとなれば動物に限らず

 

「今日も元気で良いですね~!さぁ、遊びましょうか!」

 

「かかれー!今日こそサトハチ先生を打ち倒すのだ!!」

 

「え、なんで?」

 

「このクレア様のスピードにああああああ~」

 

「クレアが捕まっちゃったよ!」

 

この基地の小動物的キャラ筆頭とも言えるアニス達のこともそれはもう気に入り定期的に遊んであげるほどである、なお、子どもたちと遊ぶという経験は保育士や孤児院のアルバイトからの経験でありこちらは結構長い期間務めていたらしい。

 

「アニス達、あまりサトハチを困らせちゃ駄目だよ~」

 

「ありがとうございますサトハチ、あたくし達も遊んであげるのですがやはり毎日というわけにも行かなくて……」

 

「問題ないですよ、私もこういう娘達だ大好きですから、ほらほら、ルピナスもステアーもシャフトもおいで、大丈夫、私は伊達にSG人形ではないですから!」

 

エヘンと彼女が胸を張れば呼ばれた3人も混ざり更に賑わいを見せる中庭、今日までのこうした働きによって彼女のこの基地での評価は上がっていき、スリーピースと同じように様々なことが出来る人形の一人として頼られるようになる。

 

のだが、そんな彼女にも少ないながらの弱点はある、此処までマルチで活躍できるのならばとP38が一度スリーピースに勧誘したのだが、サトハチは申し訳無さそうに手を振り、ただ一言

 

「あの、私ちょっと致命的に音痴で」

 

「うーん、程度によりますが治せなくはないと思いますし一度見せてもらえませんか?」

 

「え、あ~、そうですね、一度だけ」

 

という訳でレッスンルーム、そこにスリーピースの面々と中央にはサトハチが立ち彼女が歌える曲をセッティングしてから、何やら酷く緊張している彼女に声を掛けて大丈夫だというのを確認してから流し、イントロが終わり歌い始め……

 

端的に、そしてストレートに言えばアイドル活動するには少々矯正しきれないほどの音痴だった、聞けば保育士でも孤児院のアルバイトでも歌を歌うということだけは出来ないほどだったと聞けば彼女たちも申し訳ないと無理させて申し訳ないと謝るのであった。

 

だが逆に言えばそれ以外は戦闘もこなせる超人バイト戦士SG人形なのは変わりないのでスリーピースと並んでこの基地の様々な事に協力している姿が見られるようになったとさ。




他の基地はわからないけどこの基地のサトハチちゃんは音痴だよ、なんでって?可愛いじゃん?

という訳ですまない、サトハチちゃんは一発ツモだったんだすまない。あとこの投稿は前日の予約投稿であり多分この日の私はデモンエクスマキナやってると思いますはい。

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