それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

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『普通ではない』が『普通』


CUBE作戦(仮)SessionEX

ここはグリフィン本部の【ペルシカリア】の研究所、片付けが禄にされていない部屋でコーヒーを飲みながら佇むように立っている影

 

「……」

 

研究所の主であるペルシカは先程連絡を受けて、その人物を待っていた。連絡から数十分と経った所で扉がノックされる

 

「開いてるよ」

 

「失礼しますねーってうわ、凄い部屋」

 

「君、結構失礼だよね」

 

入ってきたのはサイドテールが特徴的の404小隊、隊長【UMP45】、入室早々のその言葉にペルシカは少々傷ついたという感じに呟く、心なしか猫耳も垂れ下がってるように見える

 

対してUMP45は悪びれる様子もなくはははと笑いながら普段は持たない鞄から書類の束を取り出せば、ペルシカの目が変わる

 

気怠げな目ではない、稀といってもいいレベルの真剣な目、これが態々自身の小隊である【AR小隊】ではなく傭兵部隊の【404小隊】に依頼した代物

 

「約束通り、でもごめんね、ちょっと読んじゃったよ」

 

「構わない、でも他言されるなら話は変わるよ」

 

「しないよー、した所で消されるの私達だし?」

 

でもまぁ書かれてること言った所で信じる人なんか居るのこれ?と付け加えながら彼女は書類の束を持ったままその場から動こうとしない

 

不審に思うペルシカだったがすぐに相手の用件に気づけた、やれやれと言った感じにため息をつきつつ

 

「……言い値で構わないよ」

 

「いや、私が要求するのは金銭じゃない」

 

「え?」

 

想定外の返答に固まるペルシカ、彼女達は傭兵部隊である、ならば常に金銭のやり取りでもして稼がなければ直ぐに枯渇してしまうはずのそれを蹴ってでも要求したい事が考え付かない

 

彼女のその反応が面白かったのかUMP45はクスッと軽く笑ってから、弧を描いた口元を開く

 

「私が要求するのは、【彼女】との繋がり、今後404小隊(わたしら)が今回のような秘密作戦の際に指揮をしてもらえるようにちょっと連絡を自由にさせてもらいたいことだよ」

 

戦力はいらないよ、まぁ今回みたいにグリフィンが許可したなら喜んで使うけど。と付け足しながら書類で遊ぶ、一方のペルシカはその提案に深く思考を巡らしている

 

もし繋がりを許可した場合、彼女への負担が大きくなる、それに下手に関わらせれば間違いなく目をつけられるし何より

 

「それはヘリアンの管轄、じゃないかな」

 

「だね、でもそれじゃあ当たり前に蹴られる、それに向こうからはもう報酬はたんまりと貰っちゃってるからさ。でもペルシカなら裏回線とかあるでしょ?」

 

「私に共犯になれと?」

 

「あははー、確かにそうとも取られるね、所でもし彼女に危険がとか心配してるなら尚更この要求呑んでくれないかな?」

 

スッと笑みを浮かべた細目を薄く開けペルシカを見据えれば彼女はこれは脅しだと気付く、もしここで駄目だと言ってもUMP45は【彼女】と連絡を取るだろう、彼女達だって傭兵部隊で秘密作戦を主とする関係、盗聴されにくい通信をするだろうが完璧ではないし、そもそもグリフィン本部を通してない以上、協力したとなれば404ではなく【彼女】に何らかの制裁が加えられる可能性もある

 

だがもしペルシカが後ろ盾として許可をしてあるとすればそれが無くなるしそうしてくれるなら自分たちも今後も協力しよう、つまりそう言いたいのだUMP45は

 

「どう?駄目かなやっぱり」

 

「……ふぅ、分かった、これ持ってって」

 

机の棚を開けてガサゴソと何かを探してからぽいっと投げ渡されたそれを受け取る、見た目は普通の通信機と変わらない

 

「それなら完全に秘匿されてるから通信しても大丈夫、ヘリアンには……出来るだけバレないようにして、こっちで根回しはしてみるけど」

 

「取引成立、ま、そんなに頻繁には頼らないよ私達の勘も鈍っちゃうし、でもまぁあの目は便利だねっととあんまり皆待たせると撃たれそうだし失礼しますっと」

 

「便利、ね。私が言うなと言われそうだけどあんな計画、よくやろうと思ったよ」

 

UMP45が退出した後、ペルシカは受け取った書類に軽く目を通しながら呟く、あんな計画、鉄血が万が一を想定して行われた【対鉄血指揮官製造計画】

 

上位AI【エリザ】が暴走し鉄血製の戦術人形が敵に回った場合を想定され作ることを計画されていた戦術人形の様な戦闘能力はないが彼女達の全てを無力化しコアに反応する【目】を持ちそれによって即時鎮圧をしようという計画

 

適合できるのが【生身の人間】のみの特異的な能力の人工眼の植え付けを副作用すら禄に検証もせずに行い、結果、適合確率も酷いものだったらしく集められた孤児の少年少女数百人が『ほぼ』全員死亡、だが運良く適合したものが一人おり、その人物は後に一度経過観察として街の養子を求めていた家族へと送られる、その後回収されるはずだったが蝶事件で鉄血工造は壊滅

 

価値観は実験の所為で人形寄りになり、目に映る人間が人間に見えず、人形が人間に見えるのが『普通の価値観』として植え付けられてしまったその子供は周りに変だと言われ続け、だが既に固定された価値観が曲げられることもなく生き

 

「普通なら廃人になるか気が狂う、だけどその光景が『普通』なら狂いようも廃人になる要素も無い。私が拾ったのは本当に気まぐれだよヘリアン」

 

バサッと雑に机の上に放り投げられた書類には幼い少女の顔写真、名前も過去の経歴も全てが真っ白にされた少女、無表情のいっそ人形だと言われたほうが信用できる顔の写真にペルシカは何を思い出したのかフフッと笑い

 

「今度は……最中というのを送ってみようかな。羊羹は好評だったみたいだからね」

 

猫耳はピョコピョコと楽しげには動いていた




これにてこの小説でのCUBE作戦(仮)閉幕、明日からの更新はほのぼので日常に戻れるよやったね私(満身創痍

Q つまりどういうこと?

A フレーバーテキスト、これは書いておけばなんか今後役立つかなって(無計画)

Q 上位AIの暴走時に無力化出来ましたか?

A 出来たらこの物語無いけど……

404との繋がりは今後の大規模イベで改変しながら介入できそうなら書こうと思ったのでこうしました

なんかもう設定増々にしすぎてこれもう分かんねぇな(日常ギャグとほのぼので誤魔化し続けろ)

リアルCUBE作戦 ドロ限は投げ捨てたけど完走しました焔薙UC

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