それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

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なのでまぁ悪魔とかも受け入れるし信じてしまう。

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今回は『白黒モンブラン』様の作品『Devils front line』とのコラボ返しです!デビルメイクライが好きなら楽しめる作品ぞ!


不思議には慣れてる陽だまり

エンジンを響かせて去っていくバンを見送るユノと副管、あれに乗っているのはかれこれ一週間前に保護した男性二人、名を【ギルヴァ】と【ブレイク】ユノは別れ際にギルヴァからもらった群青色に輝く花を不思議そうに見つめ、副官はその一週間前の出来事を思い出しては

 

「……この基地というべきなのか、お主と言うべきなのか、不思議なことや者によく会うのぉ」

 

「そうかな?」

 

その出会いとは一週間前、その日もナデシコからの監視任務をこなしている時に起こった。電脳と9割同調を果たした彼女はもはや苦もなくS地区の監視を行っていると自身の地区、S09地区のエリアに鉄血の部隊の反応、しかもルートは……

 

「こちらナデシコ、第一部隊に通達、S09地区ポイントF4にて鉄血の部隊、規模は中規模を確認、ルートからポイントG6への侵略と思われるため出撃準備を!」

 

《部隊長のナガンじゃ、ダミーはフルで良いな》

 

「うん、万全でお願い」

 

《了解じゃ、さぁお主ら、久方ぶりに大規模戦闘になりそうじゃぞ!出撃準備を即座に整えよ!》

 

と、ウィンダムで意気揚々と出撃したのだが、現地に到着し戦闘開始という場面でそれは起きた、これには実際に見たはずのFALですら

 

「あれは、何の悪い冗談かしらって思ったわよ」

 

何かが勢いよく落ちてきたのだ、それによって広がる土煙に鉄血も、彼女たち第一部隊も物陰に隠れ凌いでからチラと覗き込み、FALは言葉を失った。

 

それはこの世のものとは思えない存在だった、身体は炎のように輝いた少なくとも彼女の電脳にはヒットしない存在、そしてそれを追ってきたのか男が二人、片方は黒いコートに日本刀を、もう一人は赤いコートにそれ本当に扱えるのかという大剣を、彼らは周りを見て何かを話してから……

 

「次元が違うってこういう事を言うのねって思ったわ、ええ」

 

WA2000が疲れたように呟いた、隣の一〇〇式の目が輝いていたのもその疲れに拍車をかけたのかもしれない、因みに副官はFALと同じような反応を、64式自は軽く頭を抑えているので多分この部隊でテンションを上げることが出来たのは一〇〇式だけだろう。

 

因みにナデシコの内でも割りかし困惑の空気が広がっていた。

 

「見間違いじゃなくて、男性二人が……」

 

「言葉が出ないねコレ、撤退させる?」

 

「……ウィンダム、いや、ヒポグリフをスタンバイさせて、いざとなったらそれで回収しよう」

 

鉄血と戦い、第一部隊には目もくれないという点から敵ではないかとも思いたいが指揮官としてはそっちが終われば次は、なんてパターンも考えられるので一応の手札は用意しておく、まぁその用意は鉄血を殲滅後、気絶して倒れたということで無意味になるのだが

 

帰投後、彼らは医務室に運ばれたのだがそこで医務長PPSh-41からの報告でまた頭を悩ますことになった。

 

「傷がもう塞がっているじゃと?」

 

《はい、運ばれた頃には処置の必要は全く、一応検査しましたが内蔵とかも正常ですね……》

 

「私や、ノアちゃんみたいな存在かな?」

 

考えられるとすればそれだった、だがPPSh-41から返ってきたのは否定の言葉、彼女の方もそれを疑ったのだがそれらしい反応は出なかったらしい、じゃあ何者じゃと副官が言いたくなるが言った所で答えは返ってくるはずもないかと堪えて起きるまで待つことになった、というのが一週間前。

 

そして一週間後、漸く目を覚ました二人から聞いたのは

 

「にしても指揮官、よくあの話を信用しようと思ったな」

 

あの話、目を覚ました二人【ギルヴァ】と【ブレイク】は執務室にて何があったのかを語ってくれたのだが副官は正直に言えば大丈夫かこの二人と思いたくなるような内容だった、それが【悪魔】という人知れずに存在するモノの話、自分たちもその血が流れているという話。

 

到底信じられるとは思われない話だというのは二人も理解しているようでブレイクは『只、悪魔が存在するとだけ理解してくれればオーケーだ。ま…信じるか信じないかそっち次第だがな』と言葉をつけるほどだったがユノは信じた、二人がウソを付くような感じではないと言ったのだがそこで副官は

 

「お主はああ言っていたが、もしや初対面で『見えて』いたのか?」

 

忘れがちだが彼女は人間を人間として見れない、此処最近で目覚ましい改善をされたがそれでもマネキンに表情を付けるのが精一杯だった彼女、だがその時のユノの言葉にはまるできちんと見えていたそれで判断したという感じの声だった、なのでそう聞いたのだが

 

「うーん、見えなくはなかった、ていう感じかな……人として見えるんだけど、偶になんかこう違う存在に見えたから悪魔の話も信じようってなった、うん」

 

上手くは説明できないけどねと笑いながら花を見る、それにねと彼女は信じようと思った理由を続けるのだがそれはこの基地だからの理由だった。

 

「ほら、不思議なことは初めてじゃないし、別世界の喫茶店とか去年のクリスマス、もっと言えばさエルフェルトとノエルさんの二人も別世界の人だったからさ、この世界に悪魔が居るっていうのも」

 

彼女からすれば不思議なこと、不可思議な存在、それはある意味で日常的なものになりつつあった、故にそういうのも居るんだなぁと言うのがユノの本音、それを聞いた副官も苦笑いを浮かべつつ、ギルヴァから貰った群青色に輝くその花を見て

 

「……ああ、納得出来てしまうの。何じゃろうな、それを言われると何が起きても驚かなくなる自信は、ああ、いや驚きはするが納得は早くなりそうじゃな」

 

その言葉にユノも確かにねと笑みを浮かべバンが去っていった方を改めて見て、それから思い出したかのように副官に先程自分が見た事を伝える、それはギルヴァ達を迎えに来たバンの運転席、ブレイクが言ってたのはメイド、だが彼女の眼にははっきりと

 

「あの車の運転手さ、ハイエンドモデルの反応があったんだよね」

 

「……それで、確か赤いコートのあやつは何と言っておったかのう」

 

「メイドさん、それってさ」

 

それ以上は言葉にしなかった、しなかったが思ったのは最近は多いなぁという感想、自分の基地にも居る以上とやかく言えないし、言わないが。

 

こうして彼らとの出会いのお話は幕を閉じる、もし次に出会いうとすれば、のんびりとした平穏な日がいいなと思いながらユノはその花を自室に飾るのであった。




この少女のパイプがどんどん凄いことになってんなぁ(他人事

白黒モンブラン様、コラボありがとうございました!

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