それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!! 作:鮪薙
何時だったか、ノアが現れたことによってお嬢様が増えたとテンションが上ったメイドの話をしたのを覚えているだろうか、そう、あの冷静沈着のG36ですら彼女がこの基地に、そして本人は未だ不本意ながらも妹として現れた事にちょっとブレーキが壊れてしまっているのだ。
そして、忘れてはいけない、このP基地にはもう一人、方向性が大きく違えど指揮官のことを何よりも大切に、それこそ崇める勢いで想っている戦術人形の存在を……そう、今この時間、教会にて祈りを捧げている彼女【G3】だ。
初めこそ彼女はノア、当時はスペクターの存在を聞いた時、その場では冷静だったが後に聞いてみれば
「いえ、割りと怒り心頭でした、
なので、彼女としては本気で消すつもりだったらしい、がいざ作戦が始まれば結果はあの通り、ユノ自らが手を差し伸べたと聞けばG3は大人しく引き下がるしか無い、では今もノアの事は気に入らないのかと言えば
「いいえ、
当初はこうだった、特にユノを崇めるようにノアを崇めるようなことはせず、一般的な距離感として彼女と接していくつもりすらあったらしい、まるでこう書くと今は違う感じに取られてしまうだろう、事実今は違う。
何処でどうブレーキが彼女も壊れたのか、はたまた日にちをおいて冷静になったことで彼女の中で何かが固まったしまったのか、今ではこうして祈りを捧げるのはユノとノアということになっている、どうやら二神みたいな存在になったらしい。
(以前の私はどうやら何かを勘違いしていました、
どことなく不穏な感じの祈りだが本人は至って真面目である、いや真面目だからこそ厄介なのだが、因みにだが外でも祈るのだがその時に少しだけ困った感じに『二方向』をキョロキョロする彼女が見られる、理由はどっちに祈ればという迷いらしい、コレを聞いたIDWはただ一言
「いや、何サラッと端末も何も仕掛けてないのにいる方角がわかるにゃ?」
彼女の凄く真っ当な疑問は聖母のような笑みで黙殺された模様、と余談は置いておいて、今日も日課の教会での祈りを捧げ終わったというタイミングで滅多にこの時間帯では開かれない教会の扉が音を立てて開かれ振り向いてみれば、そこにはノアとクフェアの姿、二人は内装に感嘆の声を上げており、G3はすぐにここを見に来たものだと判断
(なんて、なんて光栄な日なのでしょうか)
「すっげぇ、外からも立派だ思ってたが中も力入りすぎてんだろコレ……」
「確か、お義姉さん達が式を上げたって場所ですよね?」
「はい、ようこそ自慢の教会へ」
声には隠し通せてない歓喜の声色が混ざっていた、この場に
(なんか嬉しそうじゃねぇかコイツ?)
「ここは、G3さんが管理を?」
「そうですね、私が率先して管理、常にこの状況を維持していますね」
「へぇ、まぁ埃一つどころか備品がどれも新品同様な綺麗さだから本気ってのがよく分かるんだが」
ノアが一つ褒めればG3のテンションゲージが2つ壊れる、本当であればそのまま昇天してもいいとすら思い始めているがそれを押し留め、ありがとうございますと感謝を告げお辞儀をする、だがノアからすれば褒めただけでなんか妙に大げさじゃねぇかと気恥ずかしそうに頭を掻く位には悟られ始めているのだがG3は気付け無い。
クフェアもクフェアでG3の様子がおかしいことには気付いているのだが、触れないでいた、何故かと言われると答えに困るのだがそれでもというのならば彼女はこう答えるだろう、触れたら引き込まれると思ったから、と
「にしても、一人で管理ってのは大変じゃねぇのか?きつかったら言えよ、あの能天気バカに直談判してくっからよ」
「いいえ、大変なはずがありません、ここは
その時の目を見てノアは漸く気付いた、あ、コイツもヤベー奴だと本当に一瞬だけだったがそう感じるくらいには眼に狂信者のそれが混ざっていたのを彼女は見逃さなかった、がその対象はあくまでユノにだけだと思い見なかったことにするのだが悲しいかな、自身のその対象だと知るのは遠い未来のお話である。
「そ、そうか……じゃあそろそろ行くか、クフェア行くぞ~」
「え、あ、では失礼しますね。って待ってよノア!」
少しだけ急ぎ足で教会を去るノアの後を挨拶をしてから慌てて追いかけるクフェア、そしてそれを優しい笑みを浮かべて見送ったG3だがその時の彼女の様子から
「もしや、少し悟られましたかね?」
声に少しだけ悲しみが混ざる、悟られたとすれば今後は距離を離されるかもしれないと考えてしまったのだろう、彼女は基本的には優しいお姉さんと言う存在なので露骨じゃないにしても距離を離されると寂しく思ってしまったりする、だが直ぐに立ち直り教会の外を少しだけ掃きますかと動こうとした時、リーンと彼女が持つ通信機から独特な音が響き出てみれば
《ネズミが掛かった》
「おや、異教徒が来るなんて珍しい……因みにそれはどっちで?」
《どっちも、多分雇われじゃないかな》
通信の相手はルピナス、どうやら基地中に仕掛けてあった罠に掛かった哀れな侵入者の報告だったようでここ最近の彼女からは想像もつかないほどに冷たい、そして極端に口数が少ない通信にG3も久しぶりだったが故に驚いたが内容を聞けば眼を鋭くし纏う雰囲気も暗部のそれになる。
「二人も、何が狙いでしょうか……」
《聞けばいいじゃん、あ、でも片方は多分そのうち死ぬ、両足ないし》
「それは困りますね、では私がそっちに、人形は任せます」
《分かった、メモリだけでいいよね》
ええ、構いません。通信を切った後、彼女は示された位置まで向かい侵入者から何時ものように情報を引き出したのだが、彼女曰く
「捨て駒、でしたね」
はぁと小さな溜息だけが漏れた。
これもう(戦術人形の枠で収まるか)分かんねぇな(白目
あ、はい、風邪引いてる状態で書いてるので結構ガバガバです、許して