それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:鮪薙

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彼女も彼女で苦労人よな、多分


建築士の相方

中庭の入り口、そこの壁により掛かるように立っている影一つ、真っ白い長い髪、もはや見慣れたと言わんばかりの牛飼い姿だがこれでも鉄血のハイエンドモデルである【ゲーガー】である。

 

その彼女の視線の先にはいつぞやノアが拾って保護してきたゾウガメ【ノロスケ】相手に感嘆の声を上げながら餌を上げているアーキテクトの姿、自分も人のことを言えないのだが

 

「本当に、敵対してたとは思えんほどに染まったな……」

 

「お主も人のことは言えんじゃろうて」

 

むっと振り向けば副官の姿にゲーガーはそれもそうだなと返してからまたアーキテクトに視界を向けるれば追加の餌と甲羅を洗う道具を持ってきたノアと共に世話をしている姿、それにフフッとどことなく嬉しそうに笑っていると

 

「ふむ、思えばお主と落ち着いて話した記憶がないの」

 

「どうした突然」

 

「言葉の通りじゃよ、どうじゃそこの休憩室、もしくはカフェで一服しながら話でもせぬか?コレでも副官として、それとわし個人としてお主とは話してみたいと思っていたのじゃよ」

 

急な提案だなとはその時ゲーガーは思うも彼女の言葉に確かにそうだなと思うところもあった、この基地に配属となってから確かに副官とは話をしなかったというわけではないがそれでも腰を据え会話する、と言うのは無かったような気がしたからだ。

 

更に言えば本人も休日にやるべきことは終えて暇を持て余していたというものある、なので一つ頷いてから彼女らが向かったのはスプリングフィールドのカフェ、入店してから奥の方の小さなテーブル席に座ったのだが

 

(ゲーガーと副官って珍しいなおい)

 

(珍しいと言うよりも初めて、ね)

 

正直に言えばM16と416がこうしてカフェでお茶してるのも十分珍しいのですがとはマスターの言葉、ともかく周りの人形達もこの組み合わせには少し驚いた様子を見せるも、だからといって空気を変えるということはしないで各々お茶を楽しむことに戻る。

 

そんな空気を感じてか、はたまた感じた上でスルーした二人は注文を取りに来たサトハチに

 

「コーヒー、それとマフィンを、お主は?」

 

「私もコーヒー、それと……このチーズケーキを頼む」

 

「はい、ではご確認しますね、コーヒー2つ、マフィン、チーズケーキ、これで間違いございませんね?」

 

うむと二人が頷いたのを確認してからサトハチはマスターの元へと注文を届けに向かう、品が来るまでの間、彼女らは、正確にはゲーガーは今日はどういう風の吹き回しか、というのを聞いてみれば

 

「さっきも言ったがお主とは話をしてみたいと思っただけじゃよ、してどうじゃこの基地で過ごしてみて、F小隊のところよりは自然はないがまぁ落ち着くところではあるじゃろうて」

 

「そうだな、過ごしやすい基地だとは思う、ただ思うのだが何かある度に肝を冷やすような事態になるのだけはどうにか出来ないか?」

 

冗談とも、割りかし本気とも取れるような声のゲーガーにコレばかりはどうしようもないからのぉと苦笑いをしたタイミングで注文したものが来たので一時中断、それぞれコーヒーとマフィン、またはチーズケーキを一口。

 

マフィンは言わずもがな、チーズケーキも絶品でありその味には思わずゲーガーの口元が緩むのが分かるほどだった。

 

「やはり、ここの食事は良いものだな」

 

「全くじゃ、材料の一つにはお主のところの鶏の卵が使われておるじゃろ?」

 

「ああ、まだまだ数は少ないからこの基地のカフェでしか使えないが、いずれは食堂にも回してやりたいな」

 

それから二人は様々な雑談を繰り広げていく、正式に配属となってからの事、自分が此処まで柔らかくなれたことに驚いたりしたということ、何よりも

 

「思ったのだがな、私はどうやらあのバカとの張り合いを楽しんでいたらしい」

 

「ほぉ」

 

「無論、F小隊たちとの生活にも文句はなかった、がなんと言うかな……私には静かすぎた気がする、それをこっちに来てアーキテクトの馬鹿騒ぎを聴いてて思ったよ」

 

今も何処かで楽しげに笑いながらバカをしているだろうアーキテクトを思い出したのか軽く笑ってからゲーガーは続ける、鉄血に居た頃から何かとコンビを組その期間が長かったからそんな事をもっているのだろうと。

 

「この基地に来て、あいつと指揮官が仲が良いことに先ずは安堵した、それからそうだな、少しばかり嫉妬、というものも感じたよ」

 

「呵々、お主からそんな感情の話が来るとは思わんかった、して理由は何じゃ」

 

「私とコンビを組んでた時には見せなかった楽しげな笑みを浮かべているのが、だな。まぁ色々と五月蝿かった私の側では楽しくはなかっただろうとは思ったがそれでも彼処まで露骨に笑顔が違うと少し思うところはある」

 

「じゃがその様子だとすぐに消えた感情、と言う所か?そもそもあれと比べるな、あやつは半ば化け物クラスの対人形のコミュニケーション能力保持者じゃからな」

 

副官の言う通り、その嫉妬は割とあっさり消えた、というのもどうやら鉄血に居た頃はイントゥルーダーもといレイラの頼み事を遂行しようと裏であれこれしてて余裕がなかったからだよと本人から告げられれば霧散もするしか無い。

 

なので今は指揮官には嫉妬はない、寧ろハイエンドモデルだろうと他の人形と変わらずに接し、時には仕事を手伝ってくれる指揮官のことを彼女は気に入っている。

 

「それに指揮官のお陰であいつの暴走回数が極端に減ってくれているからな、感謝しか無いさ」

 

「聞く限り鉄血に居た頃のアーキテクトは余程のようじゃな」

 

「余程なんてものじゃない、あいつ火力が必要でしょとかで人の武器に大出力レーザーに勝手に換装したり、まだ試作段階だって言ってるジュピターの砲弾を三式弾みたいな感じに変えようとか言いだしたり、一つ一つを監視しなくちゃいけなかったからな……」

 

「お、お疲れ様じゃ」

 

思わず同情の念を送ってしまう、と同時に感謝すらしたくなった、まかり間違ってジュピターの方が通っていたらあの作戦の難易度が跳ね上がっていた、だがそれらを話すゲーガーの顔は非常に楽しげであり、ゲーガーがアーキテクトを気に入っているというのは見てるだけでも分かるなと副官はコーヒーを飲みながら思い、その後も雑談を重ねていたのだが、此処最近で何か悩みなど無いかと言う質問で

 

「そう言えばだが、アーキテクトの奴がここ最近何かを悩んでいると言うべきか、ともかく唸っていることが多くなった気がする」

 

「唸っている?それはではないか、開発に行き詰まっているとかではなくてか?」

 

「だと良いが、『こんなあっさり侵入なんて』とか言っててな……」

 

いや、副官に聞いても仕方なかったな忘れてくれと会話が打ち切られる、時同じくしてアーキテクトのラボ、そこには主たるアーキテクト、そしてFMG-9とヴァニラ、更には映像越しでオモイカネも居たのだが

 

「はは、エルダーブレインとルーラーは表裏一体とか、アイツラが言ってたのはコレが理由ってことか」

 

「M4からその話をされて思い至ったんだけど……これならあの時、ナデシコの警戒網全てにあいつが引っ掛かんなかった理由になる」

 

「胸糞悪い話ね……今更だけど」

 

「後日纏めて副官には伝えます、ボスにはその後でいいですか?」

 

重々しい雰囲気、そしてメインモニターにはエルダーブレインの表示に書かれていたのは

 

【対象の生体パターンと照合結果、『ユノ・ヴァルター』と98%の確率で合致】




最後にまたそういう場面書くのかコイツは(他人事)(困惑)でもほらちまちまとこんな感じに進めておかないと困るし多少はね?

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