それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!! 作:焔薙
では早速……と言う訳にも行かない、今回の基地間交流には今の彼女の現状及びノアに付いてのことの説明もある為にガンスミスとこの基地のナガンに話しただけでハイお終いというわけには行かない。
もっと話すべき重要な人物がいるのだ、そして今彼女たちはその人物が居る部屋の中で件の人物と対面していた、その人物とは
「お久しぶりですね、あのカウンセリング以降ですかね?」
「そうですね、あの時は本当にありがとうございました、おかげで今の私があります」
「そんな大げさな、ボクはあのときの貴女をあのままにしておけなかっただけですよ、ほら、あの時もきっぱり言ったでしょ?あなたのことが大嫌いだって」
「(うーん、まだ読み解けないなぁ)私も正直に言えばまだ貴方のことが苦手です、でも、この地区を共に守る仲間ですから、こうして改めて挨拶をしに来ました」
と指揮官同士がそんなやり取りをしてる中、他の二人はと言うとP38はガンスミスとこの後のことを整理、ユノに教える整備、彼女に渡したPPKの整備時の注意点、自分の現状とまた教えを教授されたいと言うことを話してみれば
「それは喜んでなんだが、あのダンボール、もしかして……」
「あ、はい、スリーピースの皆で作ってる野菜と果物、それと今回は今朝採れたての卵とお米もあります、出来としては中々だとは自負していますので皆さんでどうぞ」
「傍から聞いてるだけじゃがお主らやはりアイドルというものを大きく勘違いしておるのではないのか?」
因みにガンスミスとしては自分の知らぬ間に弟子がもう二人増えているという事実に軽く引き笑いをしたとかしなかったとか、では次にノアなのだがこちらはこちらでこの基地の前任の指揮官である彼女と前にユノに護身術を教えた元暗殺者のお爺さんと出された茶菓子を美味美味と食べながら
「つまり、君たちは生き別れた挙げ句互いに記憶はなくて、人体実験され、最近になって再開した双子の姉妹、と言う訳か」
「まぁそんな感じだ、実感も何もねぇしあの能天気バカを姉とも思っちゃいねぇがな、ペルシカだっけ?あいつの書いた書類上だとアタシが妹なんだってよ……この煎餅だっけ?コレ美味いな」
「どんどん食べると良いヨ、所でそっちの指揮官ちゃんはまだ訓練はしてるのかナ?」
「してるな、少し前までは護身術を極めるって感じだったけど、最近じゃあ何だっけ、中国武術をガンガン習ってるな」
なんでまたと言う二人のごもっともな疑問にノアはまぁちょっとなと暈して答えればまた何か有ったのかと勘繰る、が実際はノアもだがただ単にあの時見たアニメに思いっ切り影響を受けただけとは流石の彼女も言えないだけである、なので二人は本当の理由は知らないから今のユノの姿を見て
「まぁ、彼処まで大きくなったんならそういった事を嗜むのも大事か」
「そうダネ、銃があるとは言え格闘が出来るというもの大事な事だヨ」
良い心構えだと感心する二人が事実を知るのは少し先の未来かもしれない、ともかく指揮官との挨拶も済ませたユノ達は今度こそガンスミスから整備の授業を受けるべく彼の仕事場に、着いて早々に始まったのだがノアとしては暇の一言である。
別段彼女は銃のメンテナンスは必要としない、その都度、武器は再生成するのでメンテナンスのしようがないという話である、なのでどうしてっかなぁと並んでいる銃を眺めていると
「暇をしてるようじゃの」
「んあ?あぁ、婆ちゃん……じゃねぇんだっけか、何の用だよ」
「いや何、お主が一人で暇そうだったから声を掛けただけじゃよ、して先程彼女から聞いたがラジオにメッセージを送ってくれたらしいな」
「おう、イチイバルって名前で送ったぞ、あ、そうだあん時のお礼言ってねぇじゃん、あれから20mmバルカン砲を使うんだがあれ良いな、殲滅しやすくて助かってる!」
笑顔であれを使っていると言われるがナガンからすれば見た目ユノと同じような少女がバルカン砲を使う様子が想像できずに何を言っておるのじゃと言う表情を晒す、だがノアはそんな事を気にするという娘では無いが為に作戦時にあれを使ってるだコレを使ってるだ、何だったら空中から云々と言う事をベラベラと気分良く喋っていく。
「でな、今度は手持ちの砲撃できるやつを探してんだが何かねぇか!?」
「待て、待て待て、お主は何と戦うのじゃ?何を想定しておるのじゃ?」
「何って、鉄血とか野盗とか?」
「オーバーキルって言葉知っておるか?」
知ってるが悪党に必要な慈悲なのだろうか、思わず首を傾げるノアに何故だか軽く心配になるナガン、まるで漫才のようなやり取りをしているのをガンスミスは聞き流しつつ、真剣に教わったことを実践し自身の愛銃のメンテナンスを行うユノとその隣ではP38が
「まさかこの基地のメンテナンスを手伝えるとは、いい経験になります」
「いやいや、寧ろ少し押し付けちゃって申し訳ないとすら思ってるよ」
「うーん、この部品はこう、でしたっけ?」
「お、そうそう、ユノちゃんは飲み込みが早いな」
実際、彼女の飲み込みは異常な速度ではある、現状で9割を電脳と同調しているので結果として得たその能力なのだがユノとしてみればとても役立っている。
こうして複雑な銃のメンテナンスもホイホイと覚えられるし、護身術や中国武術も覚える分には役立つ、無論体に覚えさせなければならなくてはいけないのだがそれはハイエンドモデル化している身体能力を使えば問題なくなる。
と少し話が逸れたがとにかくガンスミスから見るとそれはもう優秀な生徒という感じであるので教える彼の熱もどんどん高まっていく。
「あれ、かなり長くなりそうじゃねぇか?」
「長くなるじゃろうな、あやつは銃に関すると本当にブレーキが外れるからなぁ」
まぁ良いけどよとノアが諦めのため息を吐く、まぁだがガンスミスも彼女等が基地を空けて来ているということは理解しているので二人が予想していた以上には長くはならず後は手製の教科書のようなものを手渡すで留まる。
そこで終わり、になるかと思ったがP38としては今回の教授でもかなり収穫だった、なのでもう少し何か出来ることはないかと、要はもう少しお礼をしたいのだがと言う旨を話してみればガンスミスが少し悩んだ素振りを見せた後、とある提案をしてきた、それを聞いたP38はコレでもかと目を輝かせて
「是非、是非お願いします!!」
「お~、ねぇノア、私達も見ていこうよ!」
「アタシらも!?いや、まぁ、良いけどよ、少し気になるし」
そんなイベントもあった基地間交流は無事に幕を閉じた、後にだが今回のそのイベントを聞いたスリーピースの面々は
「リーダーずるい!」
代表して発言したPP-90の言葉が全てであり流石のリーダーも申し訳ないと謝る姿があったとか。
悩んで此処まで書いてしまった、大丈夫だっただろうか……(不安
因みにP38が受けたとある提案は、向こうを待ってね!という訳で通りすがる傭兵様、突然のコラボでしたが許可を下さり、本当にありがとうございました!