それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

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まぁ訓練時以外では殆どオフにすることはないけど


実はオン・オフできた機能

「え、アシスト無しで?できるの?」

 

そっからかよ、ノアのため息が場を支配するここは射撃訓練所、今日も今日でユノはノアと副官、そしてクリミナに見て貰いながら射撃訓練を行っていたのだがやはりユノはアシストありきで銃を撃っていることにコレ訓練にならねぇだろと思ったノアがアシストを切れよと言ったところ返ってきたのが冒頭の台詞。

 

だがコレは無理もない、正直な話をすればユノに備わっているこのアシストが解除しようのないものだという認識だったのだから、その証拠にクリミナと副官も同じように驚いている。

 

「はぁ、少し前なら知らねぇが今のオメェなら少し意識を変えればアシストは一時的に外せるはずだぞ」

 

「そうだったんだ……えっと」

 

ユノは考える、意識を変えれば、だがどう意識を変えろと少し考えて閃いたのはアシストがある、つまり自分の力ではない、とするならば今は自分の力だけで撃ちたいと言う意識を巡らせてみる、が勿論それは実際に撃ってみなければわからない。

 

なので三人にじゃあ撃ってみるねと声を掛けてから装備を確認して位置に付き一つ一つの行動を反復しながら構えていく。

 

(これで、後は銃爪を引くだけ……よしっ)

 

撃つ、何時もであればそこでアシストが働いて体が、意識が勝手に的の中心に当たるように動いていた、だが今回はそれが全く無い、だけど教わったこととアシスト時の動きをこんな感じだったよねと発砲したのだが

 

「ぬわっ!?」

 

今までであれば問題なく流していた反動に驚く、PPKは決して反動が強いという銃ではないはずなのだがまるで初めて反動を感じましたという反応にノアは大きくため息を吐く、どうやら初めからアシスト増々で撃ってたらしいと。

 

更に言えば彼女は放った弾丸はと言えば

 

「あ、当たった?」

 

「んな訳ねぇだろ、掠ってすらいねぇぞ。オメェ今まで何聴いてたんだ」

 

「えぇ……い、いや、今のはアシストなしで撃つの初めてで戸惑っただけだし、次は当てるし」

 

「おぉ、ならワンマガ撃ってみやがれ」

 

と、自信満々に射撃を再開したのが数分前、そしてそれから時間が経ってからユノはと言うと、呆然としていた。ノアの指示通り彼女はワンマガジン撃ちきった、決して慢心も巫山戯ているというわけでもなかった、コレ以上にないくらいに集中し、クリミナ達に教わったように構え銃爪を引いた、だが結果は

 

「8発中、命中は2、しかも中心から大きく逸れてるなコレ、コレで分かっただろ、オメェが如何にアシストに頼ってたかってのが」

 

「うぅ……」

 

「全弾を中心に当てろたぁ言わねぇがせめて的に当てれるようにならなきゃ持ってる意味ねぇからな?」

 

「で、でもアシストがあれば」

 

「そのアシストだって万能じゃねぇし、何よりもアシストが足を引っ張る状況だってあるって言ってんだよ能天気バカが」

 

一刀両断、その言葉が似合うくらいにバッサリ斬られたユノはガチで凹む、自分が此処まで下手だったのかというのもあるがこれでは自分のことを考えてこのPPKを送ってくれたガンスミスさんにあまりに申し訳ないと。

 

「むぅ、よもやアシストがそこで強力だったとは」

 

「あたくし達が教えては見てるのですが、どうしてもこう、感覚といいますか、細かいところは……」

 

「人形故にその辺りはもう無意識レベルだ、教えようとして教えれるもんじゃねぇよ、あたしだってコイツに教えられるかって言うと難しいな」

 

そう、この基地には【人間】として射撃を教えられる、と言う人物がいない、カリーナも銃は扱えるが教えられるほどではない。ヴァニラもヴァニラで本人曰く他人に教えられるほどではなく、むしろ自分も習いたいくらいだという程度しか扱えないらしい。

 

どうしたものか、そう考えたところでユノの脳内に一人の指揮官が浮かび上がる、彼女が今でも銃の勉強の際にはガンスミスのラジオと並んで見ている動画、そう

 

「プーシキナさん、とか得意かな?」

 

「ふむ、確かに彼女ならばお主に(徹底的に)教えてもらえるかもしれぬな」

 

「ん、誰だソイツ?」

 

あぁそっかとノアにその人物の説明をする、それから初めて向こうの基地にお邪魔してからかなりの時間が経っているので今の自分の状況とノアのことも説明しなくちゃいけないというのも思い出したのもあったので、その日の内に通信を入れてみれば

 

「あ、はい、ええ、ありがとうございます、では失礼します……うん、明日でも大丈夫だって、でもそんなに私の声変わってたかな、お姉さんですかって聞かれたよ?」

 

「ナノマシンでの急激な成長で声変わりでもしたんじゃねぇのか?」

 

「いえ、変わってはないと思いますが……しかし明日ですか、ごめんなさいユノ、あたくしは任務で共には行けそうにないですわ」

 

残念ながら明日は平日、一応基地間交流ということなのでナデシコはオモイカネに任しての運用になるとヘリアンには伝えることになるので問題はない、が足はどうするのか、またスチェッキンかなとユノが思っていると。

 

「わしが送るとしよう……何じゃその目は、運転くらいできるぞ、グリズリーがわしでも運転できるのを用意してくれたからな」

 

「その背丈でいてぇ!?」

 

ノアからのあまりに失礼な指摘に副官は驚くべき速度で彼女の頭を引っ叩いてからやれやれと言う感じに手を叩きながら

 

「背が小さくとも運転できる車はあるのじゃ、それにお主らの説明はアヤツ相手となるとわしがやった方が進みやすいじゃろうて」

 

「ん~、まぁじゃあお願いするね、それにしてもおばあちゃんの運転か、初めてだなぁ」

 

その日は最後に悪あがきとしてユノがもう一マガジン分射撃を行うも結果は著しくなく、肩を落とすことに、因みにノアはと言うと彼女は狙撃などは不得手だとは言っていたが

 

「まぁハンドガン程度ならアシスト無しでもこの通りってくらいには銃を握ってたからなアタシは」

 

「うぅ、お姉ちゃんの威厳がぁ」

 

んなもん最初からねぇだろうが、の言葉はギリギリで飲み込んだのはノアの優しさか、将又あまりの凹み具合に思わず同情したからなのか。

 

という訳で翌日、彼女たちはアレクサンドラ指揮官の基地へと副官が運転するミニクーパー(R53モデル)で向かい、到着、降りてから向かえばあの日から変わらない様子の長身の女性と副官のG3が出迎えお決まりの挨拶

 

「お久しぶりですプーシキナさん、え?いや、姉じゃないです、本人ですよ!?」

 

「【一応】妹のノアだ、よろしく」

 

「呵々、要件は昨日の通信の通りじゃ、遠慮は要らぬ、時間もたんまりと用意した、徹底的に扱いてやってくれ」

 

え?副官の言葉に固まる、この日を後にユノはこう語る、凄くありがたい経験だったしお陰で腕は上達したけど……

 

『腰が引けてる!!リロードはもっと手早く、構えから狙うまでが長い!悠長に狙ってる場面ばかりだと思うな!!』

 

彼処までガンガンに怒られながら訓練したの初めてだよ、その時を思い出して少し遠い目になるユノであった。




という訳で某銃解説動画さんの基地にぶん投げです、アシスト無しだとあまりに酷いから徹底的に扱いてあげて?(にっこり

因みにノアはPythonぶっ放して余裕で中心ぶち当てるくらいの腕はあります、コルトとかの芸当はできないけど。

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