それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

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コイツラまた食べてる……


ハロウィンの前日は食べるのがお決まりなん?

時間にして夕食が凡そ済んだ食堂、それでもかなりの人数がまだ居り食後の休憩だったりお茶だったり雑談だったりと各々が好きに過ごしている空間、その一角で彼女たちは

 

(モグモグ)

 

(モグモグモグ)

 

(モグモグモグモグ)

 

(((モグモグモグモグ)))

 

いつか似たような光景を見たなコレとガリル、彼女の視線の先には席に着きお菓子を一心不乱に食べ進めていくユノ、ノア、FNCの姿。

 

もう一度言う、彼女はこの光景を去年も見たような気がするなと、ただ去年と違うのはノアが増えているということ、以前はバスケットレベルだったしチョコバーだけだったのがパッと見ただけでも種類がだいぶ増え、更に手提げ用のバスケットではなくランドリーバスケットになっていること。

 

(いや、洗濯カゴは可笑しいやろ)

 

「(ゴクン)ふぅ、美味しいね~」

 

「はい、いくらでも食べれちゃいます」

 

「クフェア達が作ってくれるクッキーとかも当たり前だがめっちゃウメェ、だけどこの手のジャンク的なお菓子のこう、なんだ、あからさまな甘さっていうのか?それが偶に食うとまたウメェんだよ」

 

よう喋るなぁと思いながら徐にランドリーバスケットから一本のチョコバーを取り出して封を切り食べ味わう。確かに味だけを見れば此処のお菓子好きの人形達が作るお菓子の方が遥かに美味しい、だがそうではないのだ、この手のジャンクフード的なお菓子には手作りでは逆に出せない、如何にも甘さ増々で作ってますという態とらしい味というのが売りなのだ。

 

このチョコバー一つ取ってもそうだ、人間が考えたとにかく甘いものが直ぐに食べたいという願望をそのまま形にしてしまったかのようなレベルの甘さ、一本食べればそれだけで胸焼けがしそうまである、ガリルも甘いものはそれなりに好きなのだがこのチョコバーの甘さには流石に参るものがある、が

 

(三人、合わせて10は食っとるよな)

 

どうやら彼処の三人には適応されないらしい、いや、適応されないで話せばアストラやSPASだって同じだろう、この5人が食べ放題の店などに放り込んだらそれはもう愉快なことになって目出度く出禁になるやろなぁと考えるが、実を言えばSPASは本社がある街の食事処からはほぼ出禁になっていると知るのはもう少し先の未来である。

 

先程はチョコバーの話をしたがあの洗濯カゴの中にはそれすらも凌駕する甘さの物や、スッキリとした軽い甘さの物、甘味だけではなく、棒状のスナック菓子もありその味も様々だ。いや、違う別にお菓子の感想を述べたいわけやないんやと軽く頭を振ってからチョコバーを食べきり持ってきてたコーヒーを一口飲んでから未だ黙々と食べている三人に

 

「なぁ、自分ら」

 

「……あ?それアタシらの事か?」

 

「そうだよノアちゃん、ガリルの話し方って少し特殊だから解かりにくい時あるよね、でどうしたの?」

 

(モグモグモグモグ)

 

食うの止めへんのかこのARはと思いながらガリルは明日が何の日か覚えているのかと聞いてみれば

 

「勿論、明日はハロウィンパーティーだよ」

 

「あ~、そういやそうだったな……やべぇ、あのエロうさぎ本当にマトモな仮装衣装を用意してくれたのか不安になってきた」

 

「何でソイツに頼ったんや……じゃなくて、分かっとるなら何でその前日のこの時間にそないお菓子食べてるんや、明日……明日……」

 

普通に食べれるやんけこの三人、思えば去年の似たような会話をこの二人はしててその時も明日にはお腹が空くから大丈夫とかユノが言っており、実際平らげた、末恐ろしい食欲と胃袋だと戦慄した事を思い出せば

 

「いらん心配やったな」

 

「んだよ、明日アタシらが食べれなくなるって言う話か?」

 

「なら問題ないね、明日にはお腹空くし!」

 

「(モグモグ、ゴクン)はい、今日の食べたお菓子なんてすぐに消化されちゃいます!」

 

それができるのは君等くらいやでとガリルは内心でツッコミを入れておく。だがユノとノアは実を言えば一日のカロリー消費はかなりのものだったりする、二人は自覚はないがPPSh-41曰く、ノアは空中哨戒の際に無意識下に体全体を使って飛んでいるためカロリー消費が高く。

 

ユノはユノで一日の書類整理は勿論、ジョギングから始まる筋トレに護身術と中国武術の特訓、更にはナデシコとの接続は想像以上にカロリーを使うらしく、とにかく食べて食べてカロリーを貯めてくれと言うレベルだったりする。

 

「そう言えば指揮官様、ハロウィンの衣装とお菓子は用意しましたか?」

 

「お菓子はクリミナと一緒に幾つかを沢山仕込みしてあるから明日の朝から焼き始めるし、仮装衣装はアーちゃんが用意するって張り切ってたよ」

 

「アタシもお菓子はクフェアが、仮装衣装は……なぁ、アタシやっぱり選択をミスったんじゃねぇかな」

 

「いや、だから何で57を信頼したん」

 

「分かんねぇけど大丈夫かなって」

 

この娘、何時か詐欺に遭うんとちゃう。思わずそんな不安をいだいてしまうガリル、何をどうすればあのエロの権化に近いFive-sevenを信頼できるのだろうかとすら思ってしまうし間違いなく明日の衣装は彼女の趣味がふんだんに入っている物になるだろうと確信すら持てる。

 

因みにだがガリルは特に仮装とかを考えてはいない、エルフェルトに言えば用意してくれただろうけど自分はあまりそういうのを好まないで見てるほうが好きだと思っているからだ。

 

「明日楽しみだね~、もう一本食べよ」

 

「まぁ、楽しみではあるな、アタシも貰う」

 

「どんなお菓子に出会えるかなぁ、よいしょっと」

 

「まだ食べよるんか……って、あ~、お二人さん、今日はもう解散した方がええと思うよ」

 

え?とユノとノアが振り向けばそこに居たのはお風呂上がりであろうクリミナとクフェア、二人は未だランドリーバスケット一杯のお菓子の山ときちんとゴミ箱に捨てられた袋、そして手にまた持っているチョコバーを見て

 

「ふふっ、口元に食べかすが付いてますわよ、さぁ、明日は忙しくなりますから帰りましょう」

 

「ノア、食べ過ぎは良くないです、明日も沢山食べるのですから……」

 

声は優しい、表情も仕方ないですねこの人はという感じの呆れながらも優しい微笑みである、その筈なのだがユノとノアは同時に背中に嫌な汗が流れたのを感じた、とにかく言う通りにしようと頷いてから二人はそれぞれ自室に戻るのだがそれを見送ったガリルはただ一言

 

「二人はあれやな、尻に敷かれるタイプってやつやな」

 

(モグモグモグモグ)

 

「もうツッコまんからな」

 

結局、FNC一人で洗濯カゴの半分は食べた模様。そして翌日、遂にやってきた今年のハロウィン、だが

 

「あんのエロうさぎは何処だァァァァァァ!!!!」

 

その開幕はノアの叫び声から始まることのなる。




ノアちゃんの仮装衣装のヒント
吸血鬼
57さんの趣味
エロい
明日の執筆頑張るゾイ

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