それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

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ちょっと変わった彼女の一日


マイサポタージュエリア

司令部きっての寝坊助戦術人形【G11】の休日の朝は意外にも早かったりする、時間にして朝の6時、宿舎のベッドの丸まっている布団の塊がモゾモゾと動き出す

 

被っていた布団から這い出てきた姿は寝癖でボサボサの髪にまだ眠いと訴える顔、明らかにサイズが合わずにダボダボなTシャツ姿の彼女はカタツムリ並の速度でゆったりとベッドから降りて着替え始める

 

10分後、途中で寝落ちしたのか着替えながらの姿で固まるという行為を繰り返しながら着替え終えた彼女は帽子を整え直した後、またゆっくりとした足取りで宿舎を出て向かったのは食堂

 

「あら、お早いですわねG11」

 

「Guten Morgen!G11って相変わらず眠そうな顔してますわね」

 

「グ~テンモルゲン……眠いよ、うん、私は年中眠いよ」

 

「休日というのも手伝って尚眠そうですわね、朝食を頂きに?」

 

「うん、そう。あ、ダンケ~」

 

丁度食堂で朝食を食べていた【PKK】と【G43】にボヤ~とした感じにそう答えれば二人は何時も通りで何よりと言った感じに笑いG11を席に誘導する、誘導された彼女は席に座れば気を利かせたG43が朝食を追加で並べる

 

並べてくれた彼女に感謝の言葉を言ってからスローペースで朝食に手を付けていく、ここでも彼女からは想像できないこととして、休日に限るが(そもそもそれ以外では時間が間に合わないので手短になる)食べる量がそれなりに多く、それが3食とも同じ量を平らげる

 

朝食を見れば、彼女だけで二人前は平らげると言えば中々の大食だと思えるだろう。理由としては寝たいから、たくさん食べてからの満腹感で眠るのが彼女の休日の過ごし方らしく、それを朝昼晩と行う

 

「よく食べれますわね」

 

「ん~、まぁ、沢山食べればその分、満腹の眠りが気持ちいいからね」

 

「今日は何処で眠るつもりなのですか?」

 

何処で、G43から出た言葉を何も知らないものが聞けば疑問符を浮かべるだろう。G11は基本的に一箇所で一日寝たりはしない、1時間、長くとも2~3時間起きにころころと眠る場所を変えていくのだ、本人でも何故かはよく分かっていないが一箇所でそれだけ寝ると満足して何となしに眠れなくなるらしい

 

「最初は、中庭の木の間のハンモックかな」

 

「彼処ですか、風の通りも良いので気持ちよく寝れそうですわね」

 

「寝れるよ、気持ちよく寝れる。モグモグ」

 

のんびり寝坊助G11はマイペースに朝食を食べていき、15分後完食した彼女は食器を専用の機械に収めてから二人に別れの言葉を言ってから当初の目的通り、中庭へとゆったりと歩を進めた

 

司令部の中庭。その丁度いい間隔で生えている木々の間に彼女が自腹で購入したハンモックが吊らされている、G11はそれに近付き危なっかしい動作でハンモックへと登って横になり

 

「おやすみ~」

 

誰に呟くわけでもなく、まるでそれがスイッチだと言わんばかりに目を閉じればもう深い眠りの中、風が吹けばゆらりゆらりとハンモックが揺れそれがまた心地良い睡眠へと彼女を誘う

 

それから一時間半後、パチリとさっきまで身動ぎ一つもしなかった彼女が目を覚まし起きてからグッと伸びをし欠伸を一つ

 

「……次行こ」

 

ノソノソとハンモックから降りた彼女はまたのんびりとした足取りで次の寝床へと向かう、途中何人かの戦術人形とすれ違う度にブラブラと手を降って挨拶しつつ着いた次の寝床は救護室、扉を開け部屋に入った彼女は隅に既に敷かれていたマットに横になって

 

「おやすみ~、君も寝る?いいよ、おいで」

 

また呟くように言ってから近くに来た柴犬を抱いて眠りに入る。そしてたっぷり二時間後、ふと覚醒した彼女の頭が先程とは違う感触だと訴えている

 

「ん~、WA?」

 

「あ、い、いや違うのよ。枕も無しじゃ辛いだろうって思っただけよ」

 

目覚めれば【WA2000】の顔、どうやら彼女が膝枕をしていたらしい、曰くWA2000の膝枕はするときに緊張で固まるらしくそれが丁度よい低反発枕な感じでとても良いらしい

 

ムクッと起きればちょっと残念そうな声を出すWA2000

 

「ありがと、寝やすかったよ」

 

「別に、さっきも言ったけど枕無しで寝るのは辛そうだったってだけよ」

 

何時も通りな口調の彼女に再度お礼を言ってからまた一つ伸びをし時計を見る、まだ昼までには時間があるなと確認してから救護室を後にして次の寝床へ

 

その場所は司令部屋上、その中でも日差しが当たり過ぎず、かと言って全く当たらないわけではない場所、だがそこには既に先客が居た

 

「IDW、また来てたんだ」

 

「それはこっちのセリフにゃ、まぁ邪魔しないなら別に寝てればいいにゃ」

 

日向ぼっこをしていた【IDW】だ、これが初めてではないので慣れたやり取りをしてからやはり敷いてあるマットに横になり

 

「おやすみ~」

 

「おやすみにゃってもう寝たのか……早すぎるにゃ」

 

言うか早いかの速度で眠りに入るG11に呆れながらIDWも日向ぼっこを楽しむことにした、それから一時間後

 

「んっん~、あれIDW居ない。ああ、お昼かな」

 

ただ単に移動しただけなのだが彼女の中では日向ぼっこ大好きが居ない=ご飯という謎極まりない方程式が完成している。とにかく丁度自分もお腹が空き始めたことだしと起き上がりゆったりとした足取りで食堂へと向かう

 

その後、今日だけで彼女は七人前を平らげ、その日の半分以上を睡眠に当て満足の休日を過ごせたのであった




私もこんな生活したい(願望)本当は膝枕マイスターG11ってタイトルにしようと思った、思ったより書きにくくて却下されました

困ったらとりあえずツッコミ係にIDWを出せばいいという発想は治そうな私?

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