それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!! 作:鮪薙
「では今日の予定を話していく」
ダイニングルームと言える空間、凡そ5人が座ってもそれでもまだ余裕がありそうなテーブルにキャロル、スユーフ、そして前回適合に成功した【M1918】だった戦術人形、スユーフと同じ様に純白の首辺りの長さの髪、マルンブルーの瞳、名を【ダラーヒム】何故だか知らないが少し性格も変わった模様、コレそんな作用も合ったのかとキャロルが驚いたとか何とか。
この三人は現在、朝食を摂っている、人形である二人はそこまで要らないのだがキャロル本人は人間の素体であり、更に言えば彼女の中の同居人、もとい主人格である【アルアジフ】は空腹になると割とゴネるので3食は欠かすことが出来ない、ともかく食事を取りながらも彼女等はブリーフィングを開始する。
「知っての通りだが前回の行動でダラーヒムが加入、これにより今後失敗素体の人形をブラックマーケットに流す際は二人で策を講じながら行うように」
「畏まりました」
「了解です……それで今日は?」
「流石に短期間に連続はいくら他の地区で行ったとて向こうに拾われる可能性が否定できん、故に……」
本日は基地にて待機、買い出しが必要ならば勝手に行けと続けようとしたキャロル、だがそれに待ったをかける存在が、無論そこの二人ではない、ならば誰か、常に彼女と共にあり、性格は正反対なほどに無邪気な少女の主人格であり彼女である。
『皆とお出かけしたい!!!!』
不意打ちに近い形での叫びにも似た無邪気な要求に思わず急に顔を顰めたキャロル、あまりに突然な反応にまだ彼女たちに慣れてないダラーヒムはどうしたのかと不安になるが逆にもうこういった事には慣れてしまったスユーフは、彼女のその反応に微笑んでから
「指揮官がまた何かを?」
「え、指揮官?」
「あぁ、急に叫んでな、何が皆とお出かけしたいだ、自分たちが今どんな立場なのか忘れている訳じゃないだろうに」
『だって暇じゃん、それにダラーヒムに色々教えないと駄目じゃない!?』
「だから叫ぶな!!!ったく……」
しかしこの身は人間であるがゆえにあまり出歩かないというのも悪影響が出る可能性も否定はできずダラーヒムに外出る際の注意点も教えないといけないもの事実、がもっと根本的に未だ自分の中でお出かけしたいと騒ぎ続ける主人格を早く黙らせなければ自分が参ってしまうというのが本音であり、キャロルは重々しい疲れたため息を吐いてから
「街に出るぞ、スユーフ、ダラーヒム、朝食後、私の部屋に来い渡すものが有る……あとスユーフ、朝食は美味だった」
「はい、ありがとうございます。ってどうしましたダラーヒム?」
「え、あ、いや、キャロル様って結構しっかりしてるんだなって」
粗暴なあの口振りから勘違いされそうだが彼女、キャロルは礼儀正しい少女だったりする、主人格のアルアジフの影響だとは本人考えているらしい。と言うのが彼女等の朝食の話、そしてその数時間後。
彼女たちはその地区の大きめの街に来ていた、そこかしこでは人形と人間が客寄せや遊んでいる声が活気の良さを表している、どうやら人形と人間が上手い具合に共存している街らしく彼女等がこうして歩いていても誰一人気にする様子はなく、何の気負いもせずにアルアジフが自由にあっちこっちに行くのをスユーフとダラーヒムは微笑ましそうに着いていくことが出来ている。
「あ、あっちにソフトクリーム屋さん有るよ!」
「しき、コホン、お嬢様あまりはしゃぐと転けたりしますからお気を付けて」
「いい街、それにコレびっくりするくらいに便利ね」
チャラっと首にかけてあったペンダントを手に取るダラーヒム、これはキャロルが拠点にあったデータから再現した物、コレを付けている間は自分達が唯の民間人形であると言う反応に誤魔化すことが出来るものらしい、彼女曰くその効果はナデシコの眼すら欺けるとか、だがそれをどうして彼女が作れたのかとその時に彼女は聞いたのだが返ってきたのは
『そもそもにしてこの施設すら私が用意したの物ではない、これはイントゥルーダーが自身のとある計画が進んでからの拠点にすべく用意されていたものだ』
『更に言えばそのアクセサリーも、あのウィルスですら奴が作り出した物、どうやらかなり周到に用意してあったようでな、この拠点も、移動用の乗り物もかなり手が込んだステルス性能が搭載されている』
故に彼女等は今日まで感知されずに活動してきていた、それを聞いた時ダラーヒムが思ったのはまるでコレがそのイントゥルーダー自身ではなく、今こうして活動しているキャロル達に用意されたものではないかという錯覚、だがそれを口にした所で意味はないと押し留めている。
この疑問はスユーフも、そして何よりキャロル自身も感じていた、が聞こうにも相手は既に故人、どちらにせよ自分たちが有効に使うだけだと既に割り切っていたりする。
「ふぅ、やっぱり皆とお出かけするのは楽しいね!」
「ふふっ、そうですね」
「こうして適当に遊ぶって大事だもんね~、じゃないと後で本気で何か取り組むことも出来ないし~っ?」
ベンチに座り三人が休憩している時、ダラーヒムの眼に何かを捕らえた、それは集団、それは武装していた、そしてそれは、そこまで気付いた時、無意識下にダラーヒムの体はアルアジフの前に出た次の瞬間、爆風と衝撃が彼女等を襲った。
両手をクロスさせ衝撃に備えた彼女だったが何時までもその衝撃は来ないことに不審に思い目を開けば片手を上げて電磁フィールドのようなものを展開しているアルアジフ、いや
「キャロル、様?」
「……ふむ、展開速度よし、怪我はないな二人共」
「は、はい、いや、それよりもキャロル様、それは一体?」
気にするな唯の自己防衛装備だと告げてから軽く服のホコリを払ってから状況把握を始める、と言っても全員理解は既に済んでいる、どうやらテロが起きたらしい、しかもこれは大規模らしく辺りで戦闘音まで聴こえるのでこのままでは危ないと判断したスユーフとダラーヒムだったが、キャロルだけはそうではなかったようでニヤリを笑みを浮かべてから
「ダラーヒム、私について来い、スユーフ、私達が脱出できる経路を数箇所見つけておけ。私はウィルスを打ち込みに行く、これだけ騒ぎになっている以上利用する他あるまい」
「はっ、では直ちに行動を開始いたします、ご無事で」
「お前こそな、光学迷彩等の使用に制限は掛けん、存分に動け」
スユーフは最後にダラーヒムに眼でキャロル様を頼みましたと告げてから行動を開始、それを見送ってから二人も打ち込むべき人形を探しに動き出した。
前後編デース!!!(白目
スチェッキン「やぁ!今回の担当はWA TA SI TA TI DA!」
トンプソン「今から起こることを考えると宣伝しづらくねぇか?」
スチェッキン「全編誰が読んでもほのぼの出来るという作品コンセプトの筈なんだけどねぇ」
トンプソン「あ、私の知らないこの作品の話しか?」