それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

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何と豪華三カップル分!


P基地のポッキーゲーム

本日、11月11日、何とも見栄えが良い数字の並び……だけではなくてとある日なのだが残念ながら指揮官であるユノはその辺りには疎い少女であり、その日は食堂に妙に集められた細長いスティック状のビスケットの下の方、指で余裕持って挟めるくらいの部分だけを残してチョコレートでコーティングを施したお菓子、日本で売られていた【ポッキー】と言うお菓子を

 

「美味しいねコレ(ポリポリ)」

 

「あぁ、ウメェな(ポリポリ)」

 

「お手軽に手を汚さないで食べれるお菓子って感じなのかしらね(ポリポリ)」

 

ノアとヴァニラも含めた三人でポリポリと食べていた、ノアは勿論、ヴァニラも何故このお菓子が食堂のテーブルにこんな量置いてあるのかは知らないが丁度小腹も空いてたしと食べている。

 

と言うか誰が用意したのかすらいまいち分かってないものを食べている辺りこの基地の緩さが浮き彫りになっている感じがしないでもない、がそれに関しては他のテーブルで仁義なきポッキー大会を繰り広げているFNCとSPASが居る時点で成り立たない話なので置いておこう。

 

「それにしても結構量があるね~」

 

「まぁこの基地は人形の数が多いし良いんじゃねぇの?消費しきれないわけじゃないだろうし」

 

「この量を消費しきれるって断言できるのが怖いわね……って、あ、57だ」

 

見れば何故か嘘でしょという表情で彼女たちを見ている57とあらあらとこちらも予想外ですという表情を晒しているDSR、ノアはその時点で過去の経験からコレは絶対にろくでもないことを考えていると直感、物凄く微妙な表情を浮かべ始めながらポッキーを食べ進める。

 

次点でヴァニラがこの組み合わせはなんかあるんだろうなと気付く、最後にユノだが普段通りである、ポリポリと可愛らしい効果音を響かせながらポッキーをハムスターの如く食べている、それだけでAR-15が流れ浄化されたのは余談だろう。ともかく57とDSRはそっと三人の所まで向かい

 

「今日が何の日か知ってる?」

 

「あ?知らねぇけど、オメェが言うからには禄でもねぇ日じゃねぇだろうな?」

 

もはや信頼度が地の底を突破したノアからの棘しかない言葉に57はそんな訳無いわよと慣れた感じに反論、その間にDSRが知らないのなら仕方ないですよねとこうしてポッキーが大量に用意されている理由を話し始める。

 

「本日は日本にて『ポッキー&プリッツの日』なのよ、ほら11月11日で1って数字がそれっぽいじゃない?」

 

「な、なるほど?」

 

「まぁそんな反応よね、よくある販促ってやつだとは思うのだけど」

 

と此処で57も説明に参戦、そのポッキーなのだが彼女が言うには『ポッキーゲーム』というものがあるらしい、無論食べ物で遊ぶというわけではない、が詳細はと言うと

 

「それぞれのパートナーに聞いてみなさい、答えてくれるから」

 

「クフェアが知ってるのかそれ?」

 

「(私が念入りに教えたから)知ってるに決まってるじゃない」

 

もしかして常識の類だったのかと騙されるノアに二人は何とも微笑ましい表情で彼女を見つめる、勿論ユノも知らないのだがこっちはだったら後で部屋で聞こうと思ってるので今はポッキーを食べることに集中しているのだがそれを見てヴァニラはこの娘本当にブレないわよねぇとこちらもこちらで微笑んでいたとか何とか、では時間を飛ばしてそれぞれのポッキーゲームについての反応を見てみよう

 

『ユノとクリミナの場合』

 

「って57に言われたんだけど知ってる?」

 

夕食も終わり入浴も済ませて娘たちともお休みの挨拶をした自室にてユノが早速クリミナに聞いてみれば、57という部分で若干顔を引き攣らせたものの、ポッキーゲームの話になればふふっといつもの穏やかな笑みを浮かべて彼女が持ってきたポッキーを一本取っ手からチョコの部分を彼女に差し出す

 

「先ずはコレを咥えてくださいまし」

 

「これを?うん、ふぉい」

 

「では失礼いたしますわね」

 

ポリ、と彼女が咥えた反対側から食べ進め始めるクリミナに流石の彼女もポッキーゲームが何たるものかを瞬時に理解した、理解した上で珍しくこの場面になった状況で悪戯心が働いたのか、眼を輝かせてからクリミナが半分まで食べた所でポリポリポリとユノから一気にだが決して折らないように食べ進め、そして唇が重なる、暫しの膠着、それから

 

「まぁ、コレは少し驚きましたわ」

 

「えへへ~」

 

「で、この後は?」

 

それ押し倒しながら言うセリフじゃないよね!と思ったもののそれを発するはずだった口からは艶めいた声が漏れる、まぁここからは何時も通りなので他を見ることにしよう。

 

『ノアとクフェアの場合』

 

「ほぉん、面白いと言うか、何と言うか、まぁ悪い発想じゃねぇのは確かだな」

 

「でもこのお菓子美味しいですね、いくらでも食べれちゃいそうです」

 

「実際食ったしな」

 

彼女も彼女で自室でクフェアに聞いたところこちらはきちんと言葉での説明だったらしく、ポッキーを片手にノアがそう呟く、それからほれっとクフェアの口にポッキーを差し込み、驚く彼女を他所にスゥッと一気に距離を詰めて

 

「へへっ、何時もそっちから攻められてんだ、こういう時位はって!?あ、あの、クフェアさん?」

 

「……馬鹿な人」

 

スイッチが完璧に入ってしまっているクフェアの瞳にノアは自身の失敗を悟った、まぁ悟った所でどうにか出来るわけではないので最後のカップルに場面を移すとしよう。

 

『ヴァニラとスプリングフィールドの場合』

 

時間は少し遡りカフェ、閉店後のそこでコーヒーを飲んでいるヴァニラと何故か顔を赤くしているスプリングフィールド、これだけで何が起きたかがよく分かる光景である。

 

「ま、まさかヴァニラさんからその単語が出てくるとは思いませんでした」

 

「いやまぁ、57が聞いてみろって言うからさ……」

 

因みにまだ説明はされてない、されてないのだがスプリングフィールドのその反応だけでヴァニラは勘付いたので照れ隠しでこちらもコーヒーを飲んでいたりする。

 

が彼女等の前にはポッキーが入った小さなバスケット、持ってきたのはヴァニラ、だからだろうか意を決して一本を取りそっとスプリングフィールドに差し出す。

 

「……え?」

 

「まぁほら、今だったら誰も見てないし、ね?」

 

ニコッと言うその笑顔にスプリングフィールドはまた少し顔を追加で赤くしてから、だがこのまま引き下がるのは悔しいなと思ったのか差し出されたそれをパクっと咥え……その日のキスは少しビターながらも甘い感じだったらしい




ポッキーの日だぞオラァン!!!

にしてもここからキャロル戦まで後何話挟もうかねぇ……

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