それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

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ヤークトリーダーのトラウマの蓋が開いてしまう。


デビルハント Session3

飛び立ったシュヴァルベだったのだが早々に問題が起きた、と云うのもヘリでの強襲はどうやら予測されていたらしく迎撃手段が眠っていたのだ。

 

「チッ!駄目です、ああもう、上からは思いっ切り警戒されてますよコレ!!」

 

これにはルガーP08も思わずこんな悪態をつく程であり、このままではいくら機動力重視のこのヘリでも落とされかねない。

 

ならばどうするか、ルガーP08は瞬時に地上を見渡して数箇所のランディングポイントを確認、その中でもこのまま行けそうなところに目星をつけて操縦桿を握り直してから

 

「ヤークトチーム、着地地点を変えます!」

 

「どこですか?」

 

「真正面、正門に低空で入りますから飛び降りて下さい!!」

 

宣言と同時にシュヴァルベが速度を上げ降下開始、元が81式が速度が欲しいでカスタマイズしたのをデチューンしたのだがそれでも十分な速さであり、瞬く間に着地地点が迫ってくる、のだが

 

ヤークトリーダーであるUSPコンパクトの様子がおかしいとイングラムが気付く、見れば少し焦点が合わなくなっている眼でありコレはマズイわねと判断したイングラムはパンッ!と彼女の眼の前で両手を鳴らせばUSPコンパクトはハッとした表情で正気に戻り

 

「すみません、少し呆けてました」

 

「薬は?」

 

「……作戦前に打ってます、ヤークトリーダーより各員へ、ランディング後は即座に基地内部に突撃、他の基地の面々との合流を最優先とします」

 

「道中の敵は?」

 

「Kill Team All。人でない以上遠慮も要らないと副官からは貰ってます……が、ヤークト3、食べないように」

 

「あら残念」

 

食べる気だったのかよとKS-23の嘘だろ?と言う感じの声が出てくるがこのイングラム、この釘刺しがなければ恐らくは一度は食べに掛かってた、そして後悔すると事になるのだがその未来は今此処で閉ざされたのであった。

 

これにはM21も苦笑いである、MG4は特に気にする様子もなく、寧ろ基地内部で自分はどう動いたものかと考えているくらいだった、そして

 

「3カウント!3、2、1、今です!!」

 

狂犬部隊が周りからかなり遅れて参戦した瞬間であった、ヘリから飛び降りた彼女等は着地と同時に近くに居た悪魔をそれぞれ撃ち殺す、のだがUSPコンパクトの弾丸だけが二回ほど外れる、基本的に外すということをしない彼女のそれにイングラムは勿論、他の部隊員もどうかしたのかと聞くが

 

「問題ないです、行きましょう……」

 

今のは少し風に流されただけだと伝え戦闘音が響く基地へと走り出す、それはまるで何かを振り払うかのような行動、そして実際、今の彼女は一つのトラウマが想起し始めていた。

 

悪魔を見たときからそれはあった、だからこそ作戦前に早めに精神安定剤を打ち込んだし、ヘリでの移動中にも二本目を打ち込んだ、だがそれでも振り払えない幻影が、『あの日』が彼女を襲う、自身が薬が無ければ精神が破綻してしまったあの出来事を。

 

基地が、仲間が、そして誓約を結んだ大切な人が、ELIDに生きたまま喰われるその光景が、そして自分も……そこまで思考が回ってしまった瞬間、遂に決壊が始まってしまった。ヤークトフントが一体の悪魔『ヘル=バンガード』と激闘を繰り広げている場面にばったり出会ったしまった瞬間、いや、もしかすれば限界なんてとうの昔に迎えていたのかもしれない、それが偶々このタイミングだったのだろう。

 

「オイ、マジかよ!?遅刻者が居たなんて聞いてねぇぜ!」

 

「悪いな、空の旅が中止になったんだ!でもそっちの宴の邪魔するつもりは……「いやぁあああああああああ!!!???」リーダー!?」

 

ブレイクが彼女等に気づきヘル=バンガードと戦いながらの言葉にKS-23が答え彼が抑えている間に先に進もうとした時、USPコンパクトの聴いたことのない叫びに思わず振り返ればそこに居たのは両手で頭を抱えて錯乱する彼女の姿。

 

明らかな異常事態に誰よりも早く動いたのは此処まで気にかけていたイングラム、即座にUSPコンパクトの側まで行き

 

「薬はどこ!!」

 

「ああぁあぁああああああ!!!」

 

「くそっ!!確か何時も入れてるのは……ここか!ヤークト4、リーダーの体抑えて!!」

 

「もう抑えてるが、早くしてくれリミッター全部解除されちまってくっうぅ!」

 

言葉にせずとも彼女等の行動は統率されていた、リーダーがそうなった瞬間、M21とMG4は周りの制圧、とにかく敵を近づけないようにという制圧射撃を繰り広げ、その間にKS-23が抑えているUSPコンパクトの首筋に彼女がこうなった時のための一番強い精神安定剤を投与し、少しすれば意識を手放す。

 

「だ、大丈夫ですかね!?」

 

「落ち着いたけど、コレ以上は私達は動けないわね。こちらヤークト3、リーダーがダウン!撤退を開始するわ!!」

 

《え!?あ、ナデシコ了解、イチイバル、ヤークトフントの撤退の支援に回って!》

 

《すぐに向かう!!》

 

「そういう事だからごめんなさい、P基地は内部攻略に参加できないわね」

 

まるで副リーダーみたいだなという応対をブレイクに告げてから彼女等は撤退を開始、正直に言えば彼女等が抜けた所でこの作戦に支障が出るわけでもなく、ヤークトフントもリーダーを仮司令塔の拠点に預けてから迎撃部隊として暴れまわるので彼女等的にも文句はなかったようなのだが、途中ノアが基地に向かって走り去る貨物トラックを見た瞬間、何時か感じた悪寒が彼女の背筋を走り

 

「(こ、この感覚って……!?)ナデシコ!!なんであの運び屋って奴が此処にいんだよオイ!?」

 

《な、何かイエスマンって人曰く協力してくれるって……》

 

嘘だぞぜってぇなんか他の目的があるに決まってんだ!と叫びながら貨物トラックから目を逸らす、悪魔よりも絶対にコイツのほうが怖いしヤバいとすら思っている反応ですらある。

 

端的に言えば作戦は無事に終わるであろう、なのだがこの戦いの最中、一度拠点に戻ってからエアハルテンを打ち込んで再度出撃しようとしたのだが、注射器を迷わず首筋にぶっ刺した場面を見られ薬物は駄目だよ!?と促されたのだが

 

「なぁ、アタシのコレってそんなに危ない薬してるように見えんのか?」

 

《見えるんじゃないかなぁ……しかもその時っていい笑顔で打ってたせいもあるんじゃないかってナガンも言ってたよ?》

 

実際、テンション上がる過ぎてヤバい笑顔だったらしいがノア自身に認識はなかった模様。




はい(はいじゃないがな)すまない……私の実力不足でコラボ上手く全然書けなくてすまない……

他の人達、ウチの基地云々は好きに使っていいよ!!!

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