それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!! 作:焔薙
どうしてこんな事になったのだろう【MP5】は目の前の大惨事に平時の自分であれば慌てふためく筈が驚くほどに冷静に思っていた
「あっれ~、一応指揮官でも大丈夫なメニューのつもりだったんだけどな」
「流石に体力無さ過ぎねぇか?軍人上がりのはずだろ?」
「……指揮官様は、その、一般人採用です」
【スコーピオン】の決して煽りではないけど煽ってるように聞こえる言葉と【CZ75】の容赦ない言葉にMP5がそうツッコミを入れれたのは奇跡だろう、そこには
「ぜひゅー、けほっ、ごほ、ぜぇ……ぜぇ……」
汗だくのジャージ姿で壁により掛かりながら座り込み肩で息をする指揮官の姿、これを説明するのは三十分ほど前に戻る
珍しく休日なのに早起きをした指揮官、それが前述の悲劇の始まりだとは彼女自身も、いや、この司令部の誰もが思わないだろう
あの過労で倒れた事件から睡眠をしっかり取るようになりその影響で朝が早くなったという彼女は、休日なのに勿体無いと思いながらも何時もと違う空気を感じるために着替えて司令部を散策していた
(偶にはあれだよね、あまり行かない場所とかに行ってみるのもいいよね)
その場で腕を組み普段自分が行かない場所を考えてる指揮官、そして思い付く。そうだ運動場って行ったことないよねと普段運動を殆しない彼女は今の今まで運動場の存在は知っていても寄ったことがなかったので丁度いいと向かうことにした
ルンルン気分で運動場、一般的な体育館より少し大きい位の広さがあるのだが利用する戦術人形が如何せん少ない、もし今後大規模に使われるとしたら運動会でもしなければこの運動場が賑わうことはないだろう
が利用する戦術人形が全く居ないというわけではないのでこの日も朝から訓練と題して運動場を利用している戦術人形の姿があった、それがスコーピオンとCZ75だ
白兵戦の練習だろうか、格闘戦を繰り広げる二人を入り口から指揮官は眺めていると丁度、運動場にやってきたMP5に声を掛けられる
「あ、指揮官様おはようございます!珍しいと言うより初めてですよね此処に来るのは」
「おはようMP5ちゃん、来るのは初めてだね、でも使ってる人……少ないね」
「今はまだ朝早いからっていうのもありますよ、もう少しすればグリズリーさんやUMP45さん、UMP9さんとか来ますよ」
MP5の説明に結構来るんだなぁと感心していると向こうの組手も一段落ついたのか、指揮官に気付き近寄ってくる
「おはよう、指揮官!」
「よう指揮官、珍しいな此処に来るなんて」
「おはよう二人共、今日は朝早く起きちゃったからあまり行かない場所って思って此処に来たんだよ」
「なるほどなるほど、じゃあさついでだからちょっと運動してかない?その後に食べる朝ごはんがもっと美味しくなるよ~」
スコーピオンの誘いにうーんと考える指揮官、素直に言えば彼女はあまり運動が得意ではない、体力もない、だがCZ75の次の言葉が指揮官の心に突き刺さる
「したほうがいいんじゃねぇの、動かないで食べてばっかじゃ肉付くだろ」
「やる、ちょっと着替えてくるから待ってて」
「指揮官様!?いや、無茶です!二人に合わせたらまた倒れちゃいます!!」
即決だった、目付きと雰囲気が作戦中のそれになった指揮官は更衣室へと消えていき、後を追うようにMP5が説得するが彼女の耳には届いてない様子、それを見ていたスコーピオンはお気楽そうに笑い
「ヘーキだって、指揮官用にキチンと考えるからさ」
「ああ、アタシだって流石にその辺りは加減するっての」
結果が冒頭である。確かに二人は指揮官用に考えてはいた、がそもそも指揮官が何故か軍人上がりだっけから始まったその内容は準備運動を終えてじゃあランニングからでいいよねで出された周回数が15周、一般的な体育館より少し大きいこの運動場を15周
そして普段運動を殆どしない指揮官がマトモに完走出来るはずがなく、3周半で今の状態が出来上がった。その元凶たる二人はMP5の言葉にあちゃーと言った感じで
「あれ、一般採用だっけ?」
「マジかよ、うわぁ、悪い事したな……」
「だ、大丈夫ですか指揮官様、えっと、スポーツドリンク飲みますか?」
「はぁ……はぁ……う、うん、飲む、これで流しなの?」
「まぁそうだね~、これで指揮官用に調整したつもりだった流し、この後も色々用意してたけど……止めといたほうがいいよね」
ごめん、もう無理とMP5から手渡されたスポーツドリンクを飲んでから答え、とりあえず汗を流してくるねと更衣室に入っていった
数十分後、汗も流しさっぱりした顔で戻ってきた指揮官、服はいつもの軍服に戻っている。そして戻ってきて早々に見た光景は
「どぉぉぉぉぉぉりゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「負けるかぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
全力疾走で運動場を何周もする二人の姿、元気だなぁっと思いながらMP5に何をやってるのかと聞いてみる
「えっと、30周をどっちが早く回れるかって競争らしいです」
「……私もやっぱりあれくらい体力つけないと駄目かな」
「体力はつけるべきかも知れませんが
それもそうだね、頬を掻きながら二人はスコーピオンとCZ75の勝負の行方を眺めることにした。因みに勝ったのは僅差でスコーピオン、最後の最後で飛ぶという荒技で勝利をもぎ取った
指揮官用に考えた(そもそも軍人用)
CZ75ちゃんのキャラ好き、スキルも好き、トマホークブーメランって叫ばせたい(ゲッター並感
明日はメンテで新規人形来ますね!更新は製造祭りした後だけどG36C迎えて笑って更新するからよまぁ見てなww