それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:鮪薙

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この作品の一番の暴走特急


AR小隊はBARに居る

シェイカーを振る音と落ち着いた空間を提供するBGM、そしてカランと言うグラスの氷が転がる音がなんとも更にシックな感じを醸し出す、ここはスプリングフィールドのBAR、あの戦いから漸く落ち着ける休日の前日だけあってそれなりの人数が呑んでいた。

 

因みにだが62式が対抗して始めた移動式屋台【居酒屋 のんべんだらり】が出てきたことで今この基地では水面下の客の取り合いが……別に始まってない、寧ろ気分で変えられるということで両方とも繁盛してたりする。ともかく、今回はこのBARが舞台であり、そして主役はと言うと

 

「私は最近思うのよ」

 

グラスを置いて若干紅い顔で唐突に話し始めたAR小隊の一人【ST AR-15】若干紅い顔、という事で彼女は既に酔っている、どうやら今日はAR小隊全員で呑みに来ていたらしいが、そんな彼女が何を語るのか、いや絶対にどうでもいいことだろとM16は思いながらもその言葉をジャックダニエルで押し流してから続きを促してみれば

 

「なんか、駄目なお姉さんみたいな立ち位置っていうか扱いになってない?」

 

「え、それ最近じゃなくてずっと前からですよね」

 

「辛辣!?」

 

だが悲しいかな、M4の言葉が全てである、そんな彼女が呑んでいるのはM16と同じくジャックダニエル、この基地に来る前までの彼女ならば決して飲めないはずだったその度数、気付けばM4はそれを普通に呑み始め、しかもシラフで居られるようになり始めていた。

 

まぁそれは置いておこう、M4からの尖すぎる言葉に心外だとばかりにAR-15は他の面々に視線を飛ばすも

 

「いや、まぁ、妥当な評価だろう」

 

「フォローなし!?い、いや、駄目なお姉さんよ!?そ、そんな事ないわよねSOP!」

 

「あ、ごめん話しかけないで」

 

「何か一番辛い応対された!?」

 

M16からも無慈悲な言葉を受け、救いを求めSOPに意見を求めれば距離を若干取られた上にそのセリフ、正直かなり辛いらしくその目には涙が見え始めていた、しかし彼女が此処まで言われるにもきちんと理由はある、今までの前科が全てを物語っているのだから。

 

だが認められない駄目なお姉さん(A R - 1 5)は我関せずでアフター・ディナーと言うカクテルを呑んでいるRO635を指差して

 

「と言うか私がそう呼ばれててこの娘が何も言われないの不公平すぎない!?」

 

「なっ!?いきなり失礼なこと言い出すんですかこのAR!!!」

 

「黙りなさいムッツリスケベ!!!」

 

「言い掛かり過ぎませんかそれ!?」

 

五十歩百歩だろ、目が少し死にかけているM16はまた喉から出そうになったその言葉を二杯目のジャックダニエルで押し流し、それからM4とSOPのやり取りを見てから再度、何でこうなったんだろうなぁという二人を見て、平和だなと微笑んでから

 

「五十歩百歩だろ」

 

「えっ!?」

 

「それ本気で言ってるのM16!?」

 

抑えられなかった、コイツラ本当に私が知ってるAR小隊の一員であるAR-15とRO635何だろうかとすら思い始めてしまう、思ってしまうがこれでも任務に出れば個々にあるキャラは鳴りを潜め自分達が知ってる彼女たちになるので恐らくは本人なんだろうなと納得してから

 

「あれだ、一度ペルシカの所で精密検査されよう、な?」

 

「異常者扱いですよねそれ!私はこのARと違って異常でも何でもないですからね!?」

 

「はぁ!?貴女にだけは言われたくないんですけど!アニス達と遊んでて顔緩みきってグヘヘとか言い出しかねない顔してる貴女に!!」

 

その顔してるのはオメェだとAR-15と思わず口にしてしまったM16を誰も攻められないだろう、SOPが軽くドン引きしてるのも仕方のないことだしM4がもはや視界には何も居ないとばかりに4杯目のジャックダニエルを飲み始めているのも当然の流れだろう。

 

つい昨日更新された掲示板の記事を見て今正にAR-15がRO635に言った表情を57と共にしてたのをM4は、SOPは、M16は偶々見てしまった、その時にもう彼女は手遅れを通り過ぎたものになってしまったんだなと改めて認識してしまった。

 

「AR-15は、どこに行ったんだろうな」

 

「さぁ、少なくともこの基地の合流時には居たはずなんですけどね」

 

「鉄血の奴らに壊されちゃったのかなぁ」

 

「ここに、居るのは、誰!!!」

 

BARでは静かに、そんな注意が虚しいくらいな騒ぎにスプリングフィールドも穏やかな笑みを浮かべつつはぁと溜息をつく、いやまぁ、割とよくあることなので今更ですけどと開き直ってから注文のカクテルを作り始める。

 

「此処に居るのはAR-15に似た誰かって三人は言ってるんですよ、分からないんですか?」

 

「いや、お前もそうだからな?」

 

えっ!?まさか自分までそうだったのと言う声に死にかけていた目が更に死んでいく、M4に至ってはもう既に光は失い始めている、どうしてこの二人の隊長してるんでしょうかと言い始めている辺りそろそろヤバい。

 

何よりあの基本的に仲間には厳しくないし人懐っこいSOPが

 

「こう、あれだよね、知ってる顔が訳の分からないこと言い始めると結構キツイよね」

 

「だから私は最初から今もAR-15その人だからね!?あ、でもこっちのSMGは……」

 

「いやいや、私もそうですし!?」

 

コイツラこんなに仲悪かったけなぁといよいよ死んだ眼で思いながら6杯目のジャックダニエルを呑む、そもそもBARで呑むのってこんなに疲れただろうかと考え、考えると更に疲れると判断して思考をぶった切る。

 

このコントの様な光景を周りの人形も見ているのだが全員が全員思うのはM4達は苦労してるなぁと言う感想、実際苦労している、だがあの二人は何が厄介かと言えばあれで優秀なのだ。

 

作戦時の彼女達は本当に優秀であり、先の戦いでも真っ先に基地の異変を感じ取りながら、しかし街の襲撃も見逃せずに判断に迷うM4に

 

『私達は防衛に入るわ、第一部隊とヒポグリフを戻したほうが良いんじゃない』

 

『こちらRO635、第一部隊すぐに基地に戻って下さい!ここは私達AR小隊が抑えますから!』

 

即座に状況判断からの作戦立案でM4は頼りになるとその時は思ったほど、更に防衛戦でも被害を殆ど出さずに撃退と小隊としての完成度の高さを見せつけた、見せつけたのだが

 

「……同じ小隊とは思えんにゃ」

 

IDWの静かな声に、BARの全員とAR-15とRO635を除くAR小隊は頷くのであった。




こんなのAR-15とRO635じゃないわ、唯の駄目な大人よ!!
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