それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:鮪薙

492 / 794
超進化言ってもダミー素体からメインフレーム素体になっただけである。


超進化ルピナスダミー四姉妹!!

アニス達四姉妹の改修計画、と書けば何とも大層なことだという感じになるが、彼女等に関してはダミー用だったボディをメインと同じものに換装すると言うだけの話、その換装が大変と言えば大変なのではあるが、今このアーキテクトラボに居るのは部屋の主たるアーキテクト、その助手であり彼女の知識をものすごい勢いで吸収、一部を昇華させ始めている88式、そして……

 

「コレは驚いた、いや、科学者として、人形の生みの親としてコレほど驚いたのは久しぶりだよ」

 

眠っている四姉妹からの送られてくるマインドマップ等のデータを眺めながら感嘆の声を上げるのは相変わらず消えない目の下の隈と猫耳が特徴であるペルシカ、今回の件で流石にこの基地だけで話を進ませるわけにも行かないよねと気付いたユノが連絡をすれば何と彼女が態々出向いてきたのだ。

 

理由としてはそこまで成長したダミーというものを直接見てみたかったから、そしてもう一つは

 

「ここ最近、本社がきな臭いと言うかピリピリしてると言うか、だからあまり居たくなかったってのもあってね……それに、今君も迂闊に本社に寄らない方が良いかもしれない」

 

「え?あ、もしかしてあの襲撃ですか?」

 

「それもある、だけどそれだけじゃない、ここ最近この基地への当たりが強いってヘリアンに話しただろ?それがどうやら社長の耳に入ったのか、それとも君を擁護する重鎮かは分からないけどこの基地、ひいては君を周りが迂闊に手を出せない立ち位置にしてしまおうかという計画が上がってるっていう話しがね」

 

「なんじゃそれ、そんな立ち位置なんぞあるわけなかろうて……じゃがそうか、だから今のタイミングで指揮官が向かえば噂が現実味を帯び、更に面倒に巻き込まれる可能性が高まるということか」

 

面倒くさいことにねと疲れたような息を吐いてから、それよりもと今回の彼女が来た本題に移る。ユノも色々考えてはいたがその一言で意識を目の前に切り替える、と言うよりも流石に自分が聞いたこと無いことを考えようとしても情報や材料がなさすぎるというのが本音だったりする。

 

「さて、話を戻そうか、正直な話ダミーに自我が芽生えた、と言うのは確かに件数は少ないけど聞いたことない話ではないよ、だけどそこから成長を始め、そしてダミーの素体では思考に追いつかないという所まで行くなんて言うのは私でも初めてだ」

 

「そんなに凄いことなんだ……」

 

「凄いなんてもんじゃないよユノっち、本来であればダミーってのは本当にそれだけ、ただメインに追従する、命令を聞くだけの存在、なのにアニス達は自分で思考までする、コレ周りに言っても信じられることじゃないからね?」

 

「私も初めて聞きましたし、見たときはてっきりルピナスちゃんとは別のP7のメインフレームかと思いましたもん」

 

愛娘である彼女たちが褒められればユノは自分のことのように嬉しそうに微笑むのだが表情が母親過ぎておぉうとアーキテクトが声を漏らした、がすぐに我に返り、今回の計画の説明をペルシカも交えて改めて行う。

 

今回のはダミーの素体では思考と動きが噛み合わなくなった彼女たちをルピナスと同じメインフレーム用のボディに切り替えると言う物、コレにより素体能力は十分になり以前よりも遥かに動きが良くなり、更には今までは思考を巡らし過ぎれば前話のアニスのようにオーバーヒートを起こしてしまうのだがメインのものになることでそれも解決し、結果的に集団行動での動きも良くなる。

 

と良い事尽くめなこの件だが、アニス達が独自に自我を持っているという点と今回でメインフレームに切り替えるということで一つの問題が現れた、それが

 

「バックアップが取れない……」

 

「そう、彼女たちのマインドマップは独自すぎてね、取ろうにもエラーを吐いてしまうんだ」

 

「恐らくはもっと前からだったとは思うんだけどね、それで今後だけどもし彼女たちが完全に破壊された場合、この自我はもう亡くなってしまうって考えて」

 

つまりは彼女たちはある種、AR小隊等と同じような存在になってしまったということになる、破壊されたらそこで終わり、ルピナスのダミーでありながらダミーとしての戦術が組めなくなったとも言える。

 

聞く人によればデメリットだろう、ダミーとは本来であれば使い捨て上等の存在、寧ろいざって時にメインの盾になることもよくある話だし、一〇〇式とかもダミーまで使っての全体防御なんてこともよくやるがそれができなくなったということである。

 

「……って話したけど君に限ってはそこまでデメリットじゃないかな」

 

「まぁユノっちって基本的にダミーも無事帰れるような指揮するしね」

 

「当然、もしかしたら中にはアニス達みたいな娘もいるかも知れないじゃん」

 

さらっと末恐ろしいことを口にしたユノだが88式はそれを聞いて割と冗談に聞こえないんですよねと誰にも聴こえない程度の声で呟く。

 

彼女はここ最近、出撃の後に帰ってきたダミーを点検と修復をアーキテクト、ヴァニラと共に手伝いとしてすることがあるのだがその一部の人形の戦闘データに可笑しいのが混ざってたりするのを見てしまっている、何と言うかダミーとしては違う、明らかに何かしらを考え動いているというデータを

 

(まさかそんな……って思えたら楽だったけどなぁ)

 

一応、報告は上げているしその問題の人形を起こして見てみたが自我等などは確認できなかったのでそこで一旦お終いにはなったが、正直に言えば今後どうなるかなんて分からないでいた、因みに件の人形というのは【ステアーTMP】と言うのが彼女の中の疑惑を大きくしてしまったいる理由だったり。

 

さて、此処まで話しているが換装作業自体は問題なく終わる、流石にこの場にこの三人が揃っていれば順調に終わり、彼女たちが再起動してから中庭に移動、今は

 

「体がすごく軽い!」

 

「何か、たくさん考えられます!」

 

「ヒヤッホォォォウ!最高だぜぇぇぇぇ!!」

 

「クレア、うるさい……」

 

ピョンピョンと各々が跳ね回ったり動き回ったりとボディの調子を見ている、ビビはベンチに座っているユノの側で丸くなって寝ているが。

 

この光景を見てペルシカはふむと思案する、何が作用して彼女たちに自我が芽生えたのか、そしてそれが此処まで成長したのか、科学者としての今までの知識を総動員して考え、そして彼女は科学者してはあまり出さない言葉を出した

 

「ふふっ、分からないな」

 

「おや、科学者としてその言葉は敗北宣言じゃない?」

 

「あぁ、もし結論を出すとするならば……」

 

ペルシカはアーキテクトの言葉にも飄々とした態度でアニス達と遊ぶユノを見つめ

 

「彼女が起こした、一つの奇跡、かな」

 

「お主何時からそんなロマンチストになったんじゃ?」

 

酷くないかいそれ、ペルシカの悲しみに満ちた声が中庭に響くのであった。




因みにメインフレームであるルピナス達の強化はまだ少し掛かりそうらしいぞ。

明日どうすっかな、キャロルちゃんそろそろ合流のために話進めようかね。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。