それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!! 作:焔薙
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今回もコラボだよ!『試作強化型アサルト』様の作品『危険指定存在徘徊中』にての一幕のこちら側視点です!
人類人権団体の過激派がこの基地に向け進軍中、その報告が情報部より上がったP基地は即座に第一種戦闘態勢に以降、ユノもナデシコを使っての指揮、そして第一部隊とヤークトフントは出撃準備を済ませて何時でも出れるように。
ノアはと言うと彼女も彼女で空中哨戒中だったので一番にその集団の真上を取ってから様子を見ることに、情報部曰く相手は新型を持ってきているらしく流石に単騎で攻撃は控えてと指示を受け、現状は高高度から偵察を行い、ナデシコのユノへと情報を流すだけに留めている。
《こちらイチイバル、確かに見たことねぇ兵器を使ってんな、ナデシコから詳細わからねぇか?》
「えっと……あったこれかな、前に報告が出てた【P.A.C.S】に似てる、それの改良型かな」
《こちらアリババ、恐らくはその通りかと、今までこの地区に来ると言ったことはなかったはずなのですが……》
あまりに急とも言えるこの襲撃、しかも時間を考えれば奇襲のつもりの行動、だがそれにしては足並みが微妙に揃ってないぞとノアからの報告を加味した彼女たちが出した結論は……
襲撃に便乗した作戦という結論だった、なのだがそうにしたって
《遅すぎるじゃろうて、あの襲撃からはや一週間、もう既にこちらの体制は整え終えておる、だと言うのに攻めてきたのか?》
《新型であるP.A.C.Sの改良型があるから、とも考えられますが……確かにお粗末すぎますね》
何もかもがお粗末、それが彼女らの見解、もはや何が狙いなのかすら見当がつかない、とそこでふとユノがモニターの光点、鉄血、しかもハイエンドモデルが含まれているその反応を見つめた瞬間、動きが見えた、まだ明確には動いてはいないのでこれは予知なのだが、そのルートは
「このルート……オモイカネ、過激派の進軍ルートって分かる?」
「勿論、ルートはこうだねってあっ」
出されたルートとユノが視た鉄血のルートを照らし合わせた結果、何と言うべきだろうか、不幸だと言えば良いのだろうか、思いっきり鉢合わせになる形、ならばと彼女が出したノアへの指示は
「うーん、このままだと過激派と鉄血がぶつかる、だとすれば」
《漁夫の利狙うか?》
「ううん、そのまま戦わせて、そして頃合いを見て過激派の隊長を捕縛して基地に連れてきて欲しい、目的を聞きたいからね」
しれっと、そしてサラッと出されたその言葉に隣で聞いてたオモイカネが思わず若干引き攣った笑みを浮かべる、聞き出す方法を正しく理解してるかどうかは分からないがそれでも捕縛して連れてきて、と言う部分は昔の彼女ならばまず出てこなかっただろう言葉、なので
「ねぇ、指揮官から黒い部分が溢れ掛けてるように見えるんだけど」
「へ?あれ、冬なのに焼けたかな」
そんな所で天然を見せなくていいからと呆れつつオモイカネは唐突に誰かに通信を繋げ始める、作戦中なのに何やってるんだろとユノが思っていると映像に映し出されたのはペルシカ、向こうも突然どうしたんだいと聞いてくるが答えずに
「教育を間違えたんじゃないのペルシカ~?指揮官の年頃の娘が顔色一つ変えずに情報を聞き出してとか言い出したんだけど?」
《突然通信を繋げてきたと思ったら何を言い出すのかな君は、それに私が教えたのは数学とか日常常識だけ、指揮官としてとか軍事的なことを教えたのは教師役だったヘリアンだ、なので彼女が悪い、だろ?》
《お前、人が仕事中に通信を繋げてきたと思えば訳の分からんことを……大体私だって暗部に近いことは教えていない、だとすればそちらの副官だろ》
《わしは知らぬぞ!?と言うか何職務中に通信開いておるのじゃお主ら!?》
何で皆言い争ってるんだろと抜けたことを呟くユノにそういう所だからだぞと教えてから地上の戦闘を監視を始めるノア、このまま順当に潰し合い、そして頃合いを見て介入すればいいか、そんなことを思っていたのが数十分前、そして数十分後、そこには先程までの悠長な空気は流れておらず。
「……ナデシコのセキュリティの状態は?」
「全部ぶち抜かれた、何だったの、あれ」
ついさっきまでそこに居た恐怖、もしあれが敵だったらと考えた時、思わず震えが出てくる存在、以前のナデシコより数倍にも強化したセキュリティの全てをものの数秒近くで突破し自分たちの前に現れた強者。
そしてそれはノアの方にも現れ、そして彼女が過激派でも鉄血でも無いと分かると撤退していったのだが
《ざっけんな、運び屋と同等だ、何者だありゃ》
隠しているがそれでも隠しきれない声の震え、何時ぞや感じた運び屋のそれと同等、だからこそあれが誰なのか聞けば返ってきたのは
「ペルシカさんから情報が来た、【万能者】って呼ばれてるみたい、ただごめん詳細は分かってないって話」
《おめぇの眼には》
「感知なし、鉄血でもIOPでも人間でも無い、ついでに悪魔でもない、ナデシコ内にも現れたから電脳にも強いみたいだけど……」
《ユノっちにもなんか謝ってから帰ってったところを見れば悪人とかじゃないんだろうけど》
今日だけでも一気に雪崩のように現れた謎だらけのことに全員が疲れた息を吐く、特にナデシコへの侵入というのはつい最近にキャロルにやられており、強化したそれも確かに規格外だったかもしれない存在にぶち抜かれました、と言うのはオモイカネとしても、アーキテクトにしてもショックが大きいことである。
万能者、そいつは戦場に現れたと思えば圧倒的戦闘力で過激派、鉄血の両方を蹂躙し、両軍が撤退したのを確認してから彼も撤退はしているので結果的には基地への奇襲は防がれた形にはなるのだが、何とも腑に落ちない結果となってしまった。
《まぁ、とりあえずアタシは帰っぞ》
《あ、ごめん待って、そこにさ過激派のその例の新型の破片でも何でも良いから転がってない?》
アーキテクトの言葉に一応で地上を見れば、確かに転がってた、しかも破片とか言うレベルではなく万能者がぶち壊したP.A.C.Sの上半身、力任せに引き千切られたそれだが状態は悪くはないそれを報告に上げれば
《お、ラッキー、回収できそう?》
《これくらいならアタシだけでも運べるが、どうすんだ?》
《今後も過激派がこれレベルのものを用意してくるなら解析して対策を取りたい、それにこっちで同じか、それ以上の物が開発できるかもしれないからね、まぁ使うかは分からないけど》
「じゃあ、ノアはそれを回収してから帰投して、はぁ……疲れた」
こうして嵐のような事件は幕を閉じた。
ノアちゃん@二度目の高高度に居ての看破され案件
こんな感じで大丈夫なんやろか……