それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!! 作:鮪薙
年終わり、一〇〇式達が言う大晦日まで前日となった今日、昨日から始められた大掃除の手伝いに見事巻き込まれたキャロルは無事に終えられたことに息を吐きつつ夕食を食べようと食堂へと足を運べば、鼻を擽る料理の匂い。
これは何だったかなと思いながら扉を潜れば丁度入ってきたのが見えたのかユノ含めたヴァルター一家に呼ばれそっちに向かうのだが、テーブルに着いた彼女は思わず口を引き攣らせてしまう。
「ん?どったのキャロルちゃん、あ、大丈夫、ちゃんとキャロルちゃんの分も用意してあるからね!」
「いや、そうではないし、そもそもその量を俺は食べれないからな、それよりも相変わらず量を食べるなと呆れただけだ」
「キャロルちゃんはあまり食べないんだね」
お前基準なら皆そこまで食べない判定になるだろそれと思いながらシャフトの隣に断りを入れてから席に座ればクリミナが本日の夕食であるシチューが出され、追加とばかりにパンがバスケットごと彼女の前に出されるがキャロルはそっと手を前に出して断る、と言うよりも
「シチューだけでいい、と言うよりもそこの妹のように食えん、寧ろ貴様はその量を体のどこに収納しているのだ」
「お母さんは何時も沢山食べます、でもお腹が痛いとかは聞いて事ないです」
「当然よ、お母さんの胃袋は頑丈なんだから、それこそリーエンの料理でも無いと負けないわ!」
散々な言われようだがそれでもリー・エンフィールドの料理は少しずつだが成長はしている、ただそれでも少し目を離したりすると何故か即座にレシピ外の彼女的には美味しくなるのではないかというアレンジが加えられるので油断はできないが。
なのでユノも偶にに来る大当たりを食べるとまだ具合が悪くなったりはする、それでも腹痛とかにならないだけ凄いのかもしれない、だが
「リーエンさんのは……ちょっと個性的な味なだけだと思うけど」
「……え?」
シャフトは彼女を上回っていたりもした、クリミナとしてはあれを彼女が個性的なで済ませたことに味覚に何らかの異常がと思ってしまって驚きの声を上げるが彼女には何の異常はないとだけ書いておこう。
そんな賑やか家族という感じのヴァルター一家を眺めながらスプーンでシチューを食べながら、彼女は在りし日の思い出を想起させる、スユーフが作った料理をダラーヒムが称賛しながら食べ、ジャウカーンがトゥーマーンに食べさせてもらうも美味しいですと騒ぐでの食べかすがトゥーマーンに飛び怒られ、人数はそれだけだったがこの基地の食堂とは負けず劣らずの賑やかさだったなと、それからまた一口食べてから
「美味いな」
どっちが作ったかまでは彼女はまだ分からないが一言感想を述べてから残りはあとから来て同じテーブルにて夕食を取ることにしたノアとクフェアも混ざって更に賑やかなそれを聞きながら綺麗に食べ終え
「美味だった、ふぅってお前もかなり食べるのだな」
「んあ?これくらいは何時もだが?寧ろオメェは少なすぎんじゃねぇのか?」
「ノア、口にシチューが付いてますよ」
何故俺も大食らいだと思われているのだと呆れるのだが彼女はまだ知らない、この基地と繋がりを持っている所に挨拶しに行く度に彼女の前に出される料理はお茶請けの事を、その度に死んだ目になることを……
そんな未来のお話は置いておき、キャロルは夕食を終えたあと、ユノ達に早めに寝ろよと告げてから食堂を出ていき今は屋上のベンチに座り月と星を眺めながら夜風に当たりながら何やら考え事をしていた、それはこの基地に来て次の日の夜に気付いたこと、ユノの事、ノアの事を聞き、ナデシコの事、それを通してならば人形だけではなく、人間も視れるようになったということ、それらを聞いて思わず
(ルーラー計画、もしそれだけを目的とするならば何故、人間まで探知出来る必要がある?更に言えばだ、鉄血の暴走を止めるというのならばアイツのような存在ではなく、それこそスイッチや、適合する人形をそれ専用に用意すればいい筈だ)
それだけじゃない、ノアが自分を作った奴らの最終目的である方舟計画もキャロルからすれば何故態々と言う感情にぶち当たるものだった、人間を作り、感情を宿さずにコーラップス技術を使い宇宙船にして住める惑星を探す、そんな回りくどいことをするのならば最初からそれ専用の宇宙船を建造すればいい、だと言うのにルーラーも方舟計画もどちらも『人間』と言うことに拘った、その理由がキャロルには分からなかった。
そしてキャロルにはもう一つ、これは根拠はない事なのだが気になるということがあった
(ユノ、ノア、そして俺。こうして一箇所に揃ったのは偶然なのか?)
考えすぎでは、そんな風に思われそうなのだが彼女にはこれが奇跡だとか偶然だとか不思議と思えなかった、まるで此処に三人が揃うようにと仕向けられたような、いや、もっと前からそうであれと示されていたような……
ありえない、そう思いたかったがなぜか否定できないが判断材料があまりに無いためそこで思考は中断、同時に彼女は更に一つ疑問を浮かべていた、この基地に来てからナガンに母親についての話を聞いていたのだが
(母上は鉄血を探りすぎて消された、とは聞いているのだが本当にそうなのか?)
確かに鉄血に取っては生体実験を行っており、あまつさえその実験体に誘拐した子供や孤児を使ってるということをリークされてしまえば手痛いダメージになる、もしそれにグリフィンも関わっているとすれば双方から消されるのも納得はできた。
だが、相手は唯の指揮官だ、何だったら情報はもみ消しレイラを遠く離れた地区に飛ばしてしまえばどうとでもなる、だと言うのに足が付きかねない殺しを選んだ。
(……母上は、本当に鉄血の生体実験の情報だけを握っていたのか?)
何か、何かが引っ掛かると頭を軽く掻いてから空を見上げる。ユノやノア、そしてこの基地の人形達では行き当たらない疑問にキャロルは行き着いた、彼女は思ったユノに関することもノアに関することも何か壮大なカバーストーリーで包まれているような気がすると、そしてその先にレイラが掴んだ本当の真実があるような気がする、と改めて今まで浮かび考察を重ねた疑問を整理していき、ふと思考が止まった。
「俺とユノの探知能力、ノアによる方舟による宇宙進出、だったら何故アイツは武装面も豊富……!?」
何かに思い至った彼女は夜空を見上げる、輝かんばかりの星と月を、いや、キャロルはもっと先、空の先、言うなれば
(衛星!!まさか、いや、だとすればこれは鉄血の計画じゃない可能性が出てくる、だがもし俺の推測が正しいとすれば母上が消されたのは情報を握ったからじゃなくなる、あの人は……)
レイラは正規軍を抜けてグリフィンに来た、唐突に思い出したナガンの過去話、初めこそは子供のために危険な職業からは離れたんだろうなと思っていた、だがもし、もしそれ自体が間違いだとしたら。
彼女が正規軍を抜けた本当の理由が他にあるとすれば、そう考えれば彼女の意思を継いでいたイントゥルーダーの行動の数々が別の側面が見え始めた、彼女は
(俺達を守ろうとしていた?)
浮かんでは弾ける勢いで解決したと思った疑問が溢れ出してくる思考をリセットさせようと自身の無駄に冷たい掌を額に当て、落ち着いてから呟くように
「安心しろ母上、妹たちは何があっても俺が守ってみせよう」
例えその相手が強大であろうとな、そのためにももっと情報を集めなければな。キャロルの目には確かな炎が見えていた。
Q つまり?
A
・ルーラー計画も方舟計画も別個じゃなくて一つのとある計画の可能性が出てきたよ!
・それに伴って今後可能性としてはこの基地に関しては敵が鉄血だけじゃ無くなるかもってことだよ!
・もしかしたら根底から物語が覆るかもね!
・あ、でもユノっち達がレイラの子供なのは確かだから安心してね!
箇条書しても訳わかんねぇなこれ