それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!! 作:鮪薙
新年早々に食堂を酔っ払い達が大荒れにさせブチギレスペシャリストネゲブを召喚した元旦、なので朝はその片付けに追われ、今は昼少し前、流石に数がいるこの基地ならそこまで時間がかからなかったのは不幸中の幸いかもしれない。
あれにはユノも困惑の声を上げた後、とりあえずネゲブを呼んだ辺り彼女としてもこれは多分怒らないといけない案件だということを理解していたのかもしれない、事実めちゃくちゃナガン達は怒られ、かなり反省している模様。まぁそんな朝の一幕はありながらも改めまして本日は元旦、業務は勿論、休日なのでユノは去年と同じく着物に着替えて中庭に来ていた、勿論だがクリミナやルピナス達も一〇〇式達が用意してくれた着物に着替えてはいるのだが。
「ぬわっとと、う、動きづらい」
「お姉ちゃん、何時もみたいに動くとコケちゃうよ?」
「シャフトはすぐに慣れて凄いです」
やはり慣れない着物という格好に動くにも悪戦苦闘する面々、言葉は出さずに微笑んで歩いているクリミナも、実を言えば数分前までは転けそうになりユノに支えられる珍しい場面もあったりした。
そんなこんなで中庭に来てみれば既に何人かの人形達が集まっておりその誰もが着物を着ていた、一〇〇式達のかなとも思ったがいくら彼女たちでもここまでの数は用意できないはず、どこにあったんだろうと思っていると丁度着替えてきたのか同じく着物姿のカリーナが現れたので
「おはようカリンちゃん、皆、着物着てるけど、誰か用意したの?」
「おはようございます指揮官さま、それでコレですか?エルフェルトさんがどうやら前々から用意してあったらしくて、着たい人はどうぞ~って笑顔で部屋に引き込まれました」
言葉と行動が噛み合ってないのがエルフェルトらしいなぁとズレたことを思いながらどれも手が込んでて綺麗なその着物を眺め、そう言えばおばあちゃんとか見てないなぁと気付く。
最後に見たのは今朝、例の食堂騒動の時、その後は自分達の着物に着替えるために部屋に戻ってしまったため見ておらず、中庭に居るだろうと思ったが居ない
「はて、どこ行っちゃったんだろ」
「副官に限って二日酔いとかは無さそうですしね……ってあら?」
クリミナが見たもの、それは彼女たちとは反対方向、エルフェルトの衣装部屋がある方向の廊下から歩いてくる複数人、アーキテクトに88式、AR小隊達、皆が皆同じ様に、エルフェルトが見立てた着物を着ており、向こうも彼女たちを見つけると特にアーキテクトなんかは大きく手を振りながら
「おぉ、ユノっちも綺麗な着物じゃんか~、だがあたしだって負けてないぜ~」
「しゅ、主任、あまり激しく動いたら着崩れちゃいますよ!?」
「平気平気だって……あ、ごめん、直して」
「だから言ったじゃないですかー!!」
それはもう見事なボロンだったとM16は後に語るがAR小隊もAR小隊でSOPMODⅡと言う着物なのに激しく動き回るという存在が居るのでM4が苦労することになっていた。
と言うよりもだとクリミナは思う、M16はあの食堂での酒盛りに居たはずであり呑んでいた量も凄かったと思うのだが二日酔いの様子はなく、ケロットしている、まぁ確かに彼女たちは人形なので二日酔いがないと言えばその通りなのだが
「ん?どうしたクリミナ、私の顔になんか付いてるか?」
「いえ、あれほど呑んで二日酔いも何もないのは流石だなと感心してただけですわ」
「あぁその事か、いやな、PKのやつがあれを見越してか大量の二日酔い用の薬を用意しててくれてな、お陰ですこぶる快調なんだよ」
それは、体よく実験体にされただけなのではと口に出しそうになるがそうですかと笑顔で答えたクリミナ、彼女だって下手に触れて被害者になりたくはないし、見た所彼女になにか悪影響が出ているという様子もないのでヨシとすることにしたらしい。
更に言えば、M16がクリミナの質問に答えたタイミングで
「やれやれ、わしがまさかこういう物を着せられるとはなぁ」
「全くだ、こういうのは私にはあまり似合わんと思うんだが」
「それについてはアタシも同意見だ、ていうか何でキャロルも着てんだよ、オメェも巻き込まれたのか?」
「む?別段動けるし問題じゃないだろ……どこか変か?」
上からナガン、ゲーガー、ノア、キャロルの四人が現れたのだがその姿はやはり着物、だがなんと言うかそれぞれが妙に趣向が凝っているようにユノは感じた。
キャロルはどこか少女らしくありながらカッコよさを、ノアは着物なのは確かなのだが江戸っ子、そんな言葉が似合いそうな動いても簡単には着崩れ無いような感じに。
ゲーガーとナガンに関しては居るだけで気が引き締まる感じであり、手にもしも煙管を持って吹かしていればそれだけでどこかの組織のトップなのではと思えそうな雰囲気を醸し出していた。
「おはよう皆、っていうかお婆ちゃん去年は着なかったのに今年は着たんだ!」
「エルフェルトに捕まってな、元旦っていうおめでたい日なのだから着るべきだと、わしは断ったのだがアイツ妙な所で力が強いからな、引き込まれたのじゃ」
「アーキテクトに誘われたんだが、似合ってるのかコレ」
むぅと言う感じと慣れないその感触に戸惑いながら自身の格好を見るゲーガー、ノアも同じ様にコレ少し動いたらズレちまうんじゃとか思っていると、こちらもエルフェルトに着付けてもらったのだろうクフェアが現れてその場全員の姿を見てから、ニッコリと笑って
「似合ってますよ、勿論ノアも凄く似合ってるよ」
「そうか?まぁクフェアが言うならそうなんだろうな、あっと、オメェも、その、似合ってるよ」
まさかノアからそうやって褒められるとは思ってなかったクフェアは言ってから恥ずかしかったのか顔を赤らめ、それをアーキテクトに指摘されてばうるせぇ!と追いかけようとするが着物ということと、下手に動けば着崩れてしまうと思えばそんな事気にしないアーキテクトに追いつくわけもなく、ぐぬぬと唸るだけに留まる。
「ゲーガーもお婆ちゃんも、似合ってると思うけど、やっぱり好きじゃない?」
「慣れていない、というのが大きいだけじゃよ、こういった偶の場面であればまぁ悪くはないとは思う、うむ」
「と言うかエルフェルトの奴はいつスリーサイズを把握したんだ、話した記憶もないのだが……」
後の判明したのだが、エルフェルトはどうやら目測だけで作り上げていた模様、それぞれがそんな感じに会話しているとふと何かを思い出したユノが、突如クリミナを指差して、高らかに宣言を、いや、宣戦布告を繰り出した、その内容は
「クリミナ、羽根つきやろ、去年の雪辱を晴らす!!」
「え、えぇ、よろしいですわよ?」
ユノ・ヴァルター、実を言えば負けず嫌いな少女である。
次回、夫婦対抗羽根つき!!
所で、この基地のナガンが和装して煙管咥えてたら最高にかっこよくありません?