それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!! 作:鮪薙
MOD化、もしくは【メンタルアップグレード】と呼ばれる技術が開発が終え漸く始動することが出来る、その通信を聞いたナガンが何とも上手い具合に話が転がるのぉと呟いた所から話が始まる。
という訳で彼女は自身に起きている異常を二人に話せば
「それってやっぱりアニス達と同じ……?」
《可能性としては高いと思うよ、ヴァニラが一度見てフレームなどに異常がないと言ったのならばほぼ確定だと思う、ふむ、とすると本当に丁度いいタイミングだったのかもね》
「基地の人形一人一人を検査してMOD化できそうなのを探す手間が省けたからか?」
はは、とどうとでも取れる笑いをするペルシカにナガンはヤレヤレこやつはと笑いながらため息を吐く、それは安堵が半分、そして自分を見る目が少しばかり衰えている部分に落胆しているのが半分。
まだ動ける、動かなければならないと言いながらいざガタらしき物が見えたらあっさりと諦めてしまった、ユノを支えると言いながらこの体たらく、だがそうではなかった、寧ろ話を聞けば以前以上に動けるようになるではないか
(まだ、あやつと共に戦える、もう少しばかりレイラとの約束は果たせそうじゃな)
「何だか嬉しそうだね、ナガン」
「む、顔に出ておったか。まぁそうじゃな、まだまだ若いのには負けんということが分かったからのぉ、して何時行うのじゃ?」
《そうだね、可能なら今日、ないし明日にはって感じにしたい、どうだい?》
向こうからの提案にナガンの不調ならば早く良くしたほうが良いでしょとユノが頷けば、ナガンも自身が次いつ出撃か分からない状況ならば早いほうがいいのは確かだなと了承、こうしてこの基地で初めてのMOD化は彼女が先陣を切ることに。
この話は即座に基地に伝わり、アーキテクトはMOD化が始動という話に
「はっや、だって聞いたの一月くらい前だよ?その時だっていつまで掛かるかわからない的な話だってのに」
「何かしらの革新的な発見とかがあったんですかね?」
「もしくは主任にはペルシカさんが意地悪したとか?」
89式のそんな言葉にそんなドリーマーじゃあるまいしと笑うアーキテクト、まぁ事実は単純にアニス達のデータが大いに使われただけという事なのだが、また相談に乗ったFALはその話を聞いた時は日課のお茶会をしてたのだが
「あら、思ったよりも早く解決したのね、良かったんじゃない?問題が先送りになって次の戦いで不慮なことが起きることはなくなったんだし」
「なんて言いながら口元が笑ってるわよFALって、ちょっとそれ私のケーキなんだけど、あっ、ちょ、怒ってるならそう言いなさいよ、あ、食べられた……」
ノアとキャロルは寧ろ異常があったということすら気付かなかったのでその話には驚き、だがすぐに解決されると聞けば安堵の息を互いに吐く、吐いてからほぼ似たような反応をしたことに互いに見て
「……まぁ、オメェも婆ちゃんのことは大事なんだよな」
「あぁ、祖母上は俺は勿論だが、姉上にとっても掛け替えのない存在だからな、異常と聞けば不安にもなるさ」
もしここで問題の解決がまだだと聞いたら自身がスユーフ達に施した改造を行うと言って聞かなかったところである、彼女も彼女でオリジナルの遺伝子が強いので割とテンパりやすい模様。
勿論、今紹介した彼女たちだけではなくクリミナもルピナス達もアニス達も今回の話には良かったと口々に伝え、ナガンは
「全く、いつからこの基地はわしのことを此処まで慕っておったのじゃ?」
「ずっとだと思うけど?あぁ、でも皆のお婆ちゃんってなったのはいつからだろ?」
ユノの祖母離れ、と考えていた彼女だがどうやらこの基地全体となってたことに呆れつつもどこか嬉しそうに笑うのであった、色々言っても彼女も自分が頼られているということは嫌というわけではない、頼り過ぎは良くないので厳しく行くときは行くが。
そんな事を再確認できた翌日、ユノとナガンはペルシカのラボに居た、用事は言わずもがなナガンへMOD化を施すこと、だがそもそもMOD化とはなんぞやと聞けば
「2つのパターンがある、一つはマインドマップの成長に対してボディが反応に追いつけなくなったからの改装、そしてもう一つは過去の経験を乗り越えさせて、その上でボディを換装する、と言うパターンだ」
過去の経験を乗り越えさせて、それはと聞こうとする前にペルシカはまぁ今はそれは置いておこうと話を打ち切り、今回施すのは今挙げた2つの内の前者、そのボディと言うのも既に用意されており、これだよと実物が運ばれてきたのだが、それを見たナガンの顔が少し虚無になる、対してユノは
「わぁ、ねぇねぇあの耳みたいな帽子可愛いね!」
「なんじゃこりゃ」
全体的に豪華になった感じのする衣装、ユノの言う通り耳のような飾りが施された帽子、身体自体は少しばかり身長が伸びたかというくらいで大きな変化は見られないがきっと内部は凄いというのは語らずとも分かった。
分かったが、何故動物の耳?とナガンは思うのも無理はないだろう、もしかしたら意味があるものなのかもしれない、そんな風に思い聞いてみれば
「趣味だけど?」
「聞いたわしが阿呆じゃった……!」
「可愛いと思うんだけどなぁ」
お主の感性ではそうなるじゃろうなぁと少々不満げに言うが今更とやかく言った所でデザインが変わるわけでもなく、ナガンは素直に観念してこの新たなボディへの換装を行う。
専用の機器に横になり、それから向かい側に新たなボディを設置、ようはクリミナを男性義体に変えた時と同じ方法で換装、それ自体は特に問題もなく終わり、再起動プロセスを稼働、少しすれば新たなボディのナガンがゆっくりと目を開き、上半身だけを起こして辺りを見渡す
「お婆ちゃん、大丈夫、なにか異常とか感じない?」
「問題ない……いや、これは驚いた。此処まで変わるのか」
「だろ?少し動いてみると良い、何だったら本社のキルハウスの使用許可でも申請しておこうか?」
頼めるかと言うことで一行は本社付属のキルハウスに向かい、早速とナガンはいつも通りの内容で行われたのだが、まぁ細かくは書かず、結果だけを書くとすれば、成績が表示されたモニターを見つめ
「呵々、どうじゃお主ら、これが老兵の実力じゃよ?」
「MOD化してとは言え、順応早すぎるでしょ……」
「まぁおばあちゃんが楽しそうだから私は良いと思いますよ?」
呵々と満足げな笑いが響き、この後の戦場でも普段以上の動きを見せて部隊員にお婆ちゃん元気すぎるでしょと呆れられる副官が見られるようになったとか何とか。
まぁ、要はお婆ちゃんMOD化でもっと強くなったってことさぁ!
多分、今後の戦場とかでもMOD化姿のナガンおばあちゃんが暴れるんやろなぁこの基地