それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!! 作:鮪薙
P基地の地下に建設されたアーキテクトの特殊ラボ、入り口は複数箇所ありだがどれも『アーキテクト』の情報が必要であり、無理やり開けようとしても強固なセキュリティと物理的装甲が行く手を阻むそこはノアの情報から研究が始まったコ-ラップス技術関連を主に研究するためのラボである。
あの襲撃の時には88式の命も救ったラボ、と言えば記憶に新しいだろう、そのラボに彼女たちは今集まり、今日もまた開発作業に勤しんでいた、と言っても88式と89式は流石にまだコ-ラップス技術を使っての開発は出来ないのでアーキテクトのサポートだけなのだが。
「……」
(ねぇ、88式さん、主任が何してるか分かります?)
(いえ、私もまだちょっと……)
辛うじて彼女たちが分かるのはアーキテクトがほぼ手作業で何かを調整しつつ時に削り、時に打ち込んでいるという事、そしてそれがあの襲撃戦の折にゲーガーが使用して武器としての役目を終えて砕けたあの小手の改良品を作っているのだろうということ。
だが肝心の中身はよく分からない、いや、分かるには分かるのだがそれがどう作用して、と言う部分になりと入ったばかりの89式は勿論、今日まで教えを請いていた88式も完全には理解しきれていない、それほどコ-ラップス技術となると難しくなるのだ。
「……ふぅ、今日は此処までだね」
「お疲れさまです主任、それにしても、なんだろう、綺麗、ですね」
「これ……あ、フェイタルアロー、あれと似たような雰囲気ですね」
フェイタルアロー、過去にD08のドリーマーがレーザーライフルを作ったからの対抗意識で作ったリボルバーライフル、あれも確かにアーキテクトがほぼ手作業で作り上げた芸術品であり、今88式が見つめるこの小手もそれと同じ空気を感じ取った。
その答えにアーキテクトは満足げに笑ってから
「まぁ見てたから分かると思うけどこれもハッちゃんの言う通りフェイタルアローと同じ、ただあれ以上に精密に作るワンオフ品にするつもりなんだ、ゲーちゃん用のね」
「でも、あれよりもかなりスリムですよね、日常で付けてても目立たない感じです」
「そりゃそれを目指したからね、だけど中身はコ-ラップス技術の固まり、見た目からは決して想定できない装備を瞬間的に生成、っていうコンセプトだけどまぁそこが難しいんだよね……まっ、気長にやってくけど、それじゃあラボに戻ろうか」
因みに一日一気にやらないのはリスク管理である、唯でさえこの装備の製造は神経を使い慎重にやらなければならないのにもし失敗したら大惨事、なので一日にやるのは数時間、それ以上はアーキテクト自身が決してやらないと決めている、それほどまでにこれは色々と危うかったりするのだ。
という訳で彼女たちはいつものアーキテクトのラボに戻ったのだがそのタイミングで実はですねと89式が自身の端末を操作すればモニターに表示されたのは小さなM4A1のぬいぐるみ、なのだがそれを見た89式は
「あれ?M4Jr、他のJrちゃんは?」
《み、皆さん、出ていってしまいました……ご、ごめんなさい、止められませんでした》
「え~……あ、あはは」
「えっと、89式さん、この娘は?」
「見た感じぬいぐるみにAIを積んだって感じだよね?」
聞けばこの娘は89式が開発したJrAR小隊、の筈だったのだがご覧の通り、M4A1Jr以外は見事に大脱走を繰り広げた模様、M4A1Jrは隊長らしく止めようとするも誰一人聞いてくれませんでしたとガチ凹みし、それを聞いた89式は大丈夫だよと告げてから
「とりあえず、指揮官にお話しておきます?」
88式の苦笑、そしてアーキテクトのでもかなり面白い発明品だよね~という声が響くラボであった。そんな同時刻、M4A1Jr以外の小隊員はと言うと、各々が基地のどこかを自由に、と言う訳でもなくM16A1JrはM16A1の元へと向かい
「お、何だお前、私か?ハハッ、酔い過ぎたか……?いや、呑んでねぇっての!?」
素晴らしい位のノリツッコミで目の前の自身の姿をしたぬいぐるみ、M16A1Jrを見れば向こうはどこから持ってきたのかジャックダニエルの瓶を取り出して高らかに掲げてから
「なら、のもう!」
「おう、呑もう!」
この間、およそコンマ数秒の出来事である。そして数時間後、M4A1Jrを方に乗せたM4が彼女の自室に押し入るもそこに居たのは出来上がった人形とぬいぐるみに遅かったかとため息を付きながら穏やかな笑みを浮かべそっと寝かせるM4の姿があったとか。
M4SOPMODⅡJrはそこら辺に居た警備ダイナゲートの背中に乗り楽しげに笑いながら
「基地を探検だ!」
数十秒後、SOP本人に見つかり、結局中庭で遊んでいた所をM4が発見、報告を上げてからそっとその場を離れた。次にST AR-15Jrは……
「な、何よこいつ」
「貴女は危険ですから、わたしが排除します」
「何で同じ顔に危険だ何だって言われなきゃっ!?へぇ、本気だっての、ぬいぐるみ風情が……!!」
何故だか知らないがAR-15Jrは本人であるAR-15にそう言い放つと攻撃を開始、対してAR-15も負けじと反撃をし、廊下でぬいぐるみと戦術人形の攻防戦が繰り広げられ、最後は修羅M4によるボディブローで廊下に沈められAR-15Jrに引っ張られながら自室に運ばれたらしい
そして最後にRO635Jrは本体のRO635と共に行動している、と言うよりもRO635Jrが彼女を監視していると言う感じが強い、そしてそれはRO635本人も感じており、なので
「……えっと、何か用ですか?」
「監視です、私はどうやら危ない人らしいので」
「誰の情報!?」
あのピンク髪遂にこんな方法で私を陥れることを始めたのですか!と見当違いなことを思いながら監視者を名乗るこの自分の姿そっくりのぬいぐるみを見て、まぁ私監視されても困りませんしと思い、それよりもと彼女は疑問に思う、コレ材質なんだろうと。
なので徐にRO635Jrを掴んでぐいっと引っ張ってみようとすれば向こうはそっとメガホンを構えて
「あ!!!!!」
「ぎゃあああああああ!!!!????」
危うく聴覚システムが全損するかと思った、両耳を抑えて蹲るRO635を満足気に見下ろしたタイミングでM4も到着、何があったのかは大体想定できた彼女は何か思うこともなく
「次も容赦しなくていいですから」
「少しは、気遣ってほしいですM4……」
一応、こうしてJrAR小隊の所在は掴めたのでとラボとユノに報告は伝わり、彼女たちはこの基地の一員として迎えられることになった、彼女たちの仕事は主にアニス達が起きた際の相手と報告、また戦闘も妖精システムと同じ様に出来るようなのだが如何せんぬいぐるみ、脆すぎてお話にならなかった模様
一員としてとか書いたけど今後も出るかは不明、忘れた頃に出てくると思う。
明日は……クフェアちゃんかな、うん。